| プロサングエ開発時と同様にマセラティ・レヴァンテのボディをまとい、しかしヘッドライトはローマから |
たしかにフェラーリ初のSUVが「EV」であるという理由は山のようにある
さて、フェラーリ2025年までに「初の」EVを発表する計画を持っていますが、今回そのプロトタイプがはじめてフェラーリ本社付近にて目撃されることに。
この画像を自身のインスタグラムに公開したのは@derek.photographyで、キャプションによれば「マセラティ・レヴァンテのボディとフェラーリ・ローマのヘッドライトを装着してテストを行っているが、もちろんこれが最終のボディ形状ではない」。※それにしても奇妙なホイールを装着している
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フェラーリ初のEVは「SUV」に?
今回のスパイフォトはちょっとした衝撃であり、というのもフェラーリの最初のEVは「スーパースポーツになる」と目されていたため。
しかし実際のところ、フェラーリは自社”初の”EVにつき、「真のフェラーリである」「本物のサウンドを備える」とコメントしているものの、よくよく考えると一言も「スーパースポーツになる」とは言及しておらず、フェラーリ初のEVがスーパースポーツやハイパーカーになるというのはぼくの思い込みであったということになりそうです。
なお、フェラーリが最初のEVに「スーパースポーツではなくSUV」ボディを用いることは非常に理にかなっていて、まずは現時点の(世間一般の、電動化に関する)テクノロジーではフェラーリファンを納得させるだけのエレクトリックスーパースポーツを作ることは難しく、しかしこれを今の段階で無理やりやってしまうとフェラーリブランドの価値を毀損しかねないリスクを含んでいるため(よってエレクトリックスーパースポーツの発売は”機が熟す”まで待ったほうがいいだろう)。
一方、SUVであれば、そのパフォーマンスに関してそれほど高いハードルが要求されず、そして同じSUVボディを持つプロサングエが「V12エンジンのみ、購入できる人は一握り」「一般の人は買えない」という状況にある中、このエレクトリックSUVを「一般にも買える」フェラーリのSUVとして販売することはフェラーリの顧客の裾野を広げることにも繋がり、かつ既存フェラーリオーナーの需要をも一部満たすことができるため。
こうやって考えると「フェラーリ初のEVはSUV」という推測はかなり現実なものとなり、フェラーリが以前に示した「全体の販売の10%」という数字も現実味を帯びてくるわけですが(エレクトリックハイパーカーであれば10%も売れないと思われる)、フェラーリはプロサングエの販売を全体の20%に設定していると言われるので、「SUV比率」は合計で30%にのぼりそうですね。
もちろんこの新型「エレクトリックフェラーリ」についてなんら確報はないものの、SUVボディで登場するならばランボルギーニ・ランザドールと競合する可能性もあり、ここでEVに対する両社のアプローチの差を見ることができるはずで、それはそれで興味深い事実を示してくれることになるのかもしれません。
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参照:derek.photography(Instagram)