| レストアにおける作業はどれも大変ではあるが、とくに塗装の剥離は一仕事である |
さらには専用の設備が必要となり、その工程には6週間も
さて、YouTube上にポルシェ911のレストアを行う過程にて、「塗装を剥がしてゆく動画」が公開。
再塗装を行う際の下地作りにはいくつかの手法がありますが、ひとつは(元の塗装を完全に剥がさずに)ボディにサンディングやサンドブラストをかけて塗装を乗りやすくする方法、そしてもうひとつは剥離剤等の液剤を使用して完全に塗装を剥がしてしまう方法。
前者はある程度のパーツを装着したままでも作業と再塗装ができるので効率的ではありますが、後者はボディに取り付けられているパーツを全て外す必要があり、かつ専用の設備が必要になるなど相当な手間がかかります。
このポルシェ911は丸ごと「酸のプール」に沈められることに
そして今回動画にて示されているのは「完全にボディから塗装を剥離する方法」で、すべてのパーツを(ウインドウまでも)取り外したのちにワイヤーでボディを結んで吊るし、「アルカリ性脱脂剤と塗料除去剤の入ったプール」へとドボンと沈めます。
その後はこんな感じで(表面の塗料がフニャフニャになった後に)高圧洗浄機を使用して塗装をバンバン剥がしてゆくのですが、ブラックだったボディの下からはレッドそしてイエローが覗いていて、つまりこのポルシェ911は過去に(元の塗装の上から)様々なカラーに塗られてきたことがわかります。
この時点でゴム、接着剤、充填剤などが化学的に除去されますが、その後には錆取り剤に浸してボディの錆を取り除き、”使用可能な”金属だけが残った状態に。
さらにこの後にはボディを防錆液に浸し、この工程からボディ塗装までの期間にボディがさらに錆びないようにするわけですね(パテなどで簡易的に補修された部分も剥がされ、ボディに空いた穴などが新たに見つかり、ここから板金作業などが必要になる)。
こういった穴は「ボディを金属だけの状態にしないと」わからないもので、その意味でも塗装を完全に剥離しての再塗装はかなるの手間がかかるということがわかります。
なお、動画では様々な下準備などを「省略」しているものの、実際には入念な準備が必要となり、ボディを「金属だけ」にするには6週間もの期間が必要となるのだそう。
ポルシェ911のレストアを行う過程にて塗装を剥離する様子を収めた動画はこちら
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参照:minute_of_dangl(Youtube)