Image:Changan MAZDA
| そのデザインや機能、仕様は中国市場が好む内容をふんだんに盛り込んでいるが |
それでもライバルのほうが「先」を行っていることは間違いない
さて、マツダとその合弁パートナーである長安汽車が共同開発した新型車「EZ-6」が9月28日に先行発売されることに。
完全電気自動車(BEV)とEREVバージョンの両方が発売されていて、その価格は16万元(現在の為替レートにて約325万円)~20万元(約405万円)という設定がなされ、4つのEREVバージョンと3つの完全電気自動車(BEV)バージョンが含まれます。
マツダEZ-6は(技術を共有する)ディーパルSL03とL07セダンと一部共通する外観を持ち、それでもマツダは(フロントグリル、ヘッドライト、テールランプなどに)独自のアイデンティティを持たせていますが、それでも中国市場にて好まれる「フラッシュマウントドアハンドル」や「光るグリル(”光る翼”と表現されている)やLEDストリップ」を取り入れ・・・。
それはリアも同様です。
マツダ EZ-6はこんなクルマ
そこでもう少しこのマツダEZ-6を詳しく見てみると、(ディーパルSL03とL07とは異なり)EZ-6の全長は4,921mm、全幅は1,890mm、全高は1,485mmでという大きなサイズを持っています。
BEVバージョンだと後輪に190kWのMSED04電気モーターを搭載してリン酸鉄リチウムバッテリーパックは56.1kWhまたは68.8kWh、それぞれ480kmまたは600kmの走行距離(osorakuCLTC)を実現し、15分で30%から80%までの充電が可能です。
インテリアもまた日本や欧米で販売されるマツダ車とは全く異なる「中国市場対策」を持ち、デジタルメーターに14.6インチサイズのインフォテインメントスクリーン、さらに50インチサイズの拡張現実ヘッドアップ ディスプレイ(チップはクアルコム製スナップドラゴン8155)といった装備を誇り・・・。
ベースグレードであっても豪華な革張り仕様、上位グレードではレザーとスエードが組み合わされ、さらには14スピーカーを備えるソニー製オーディオ システム、64色のアンビエントライト、フロントの”ゼロ・グラビティ”シート (シートをほぼフラットな位置までリクライニング可能)、パノラマ ルーフも与えられ、「フル装備以上」のゴージャスさ。
ドライブセレクターはステアリングコラムに取り付けられ、これによってセンターコンソールのスペースが広く取られることになり、センターコンソールには「2つのスマートフォン」を置くことも可能です。
なお、長安マツダは「レベル2.5」自立運転支援機能を備えていると主張していますが、これは主にインテリジェント クルーズ コントロール システムにすぎないと指摘されていますね。
こういった装備や価格を見るに、このマツダEZ-6は相当にコストパフォーマンスの高いクルマであることがわかり、「中国のパートナーとの共同開発による成果」が現れているとも考えてよいかと思いますが、直近ではシャオペンより発売されたMONA M03、GAC AION RTといったクルマのほうが「おなじようなボディサイズと航続距離を持ち、しかし(自動運転含め)より先進的な装備を持っていて、かつ価格も100万円くらい安いため、かなり厳しい戦いを強いられるのでは、と考えています。
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参照:長安MAZDA