ランボルギーニはなぜテメラリオのシャシーを「フルアルミ」に戻したのか？パフォーマンスの鍵を握る新しい車体構造の秘密に迫る【動画】

｜　ランボルギーニはテメラリオの生産効率を向上させることを目的に「フルアルミ」に戻したのだと思われる　｜

もちろん、カーボンファイバーを使用せず「達成できる領域」が拡大したこともその背景にあるのは間違いない

さて、ランボルギーニは新世代の”ベイビーランボ”、テメラリオを発表していますが、エンジンこそ「V8」なれど、トランスミッションに1つ、フロントに2つというエレクトリックコンフィグレーションは兄貴分のレヴエルトと同様で、その出力も920馬力と「レヴエルトとの差が100馬力以内」に収まるなど、従来のベイビーランボの範疇を完全に超えています。

実際のところ、ランボルギーニ自身も「テメラリオはライバルと競合しない、まったく新しいセグメントに存在する」とコメントしていますが、逆にレヴエルトとの大きな差は（エンジンのほかに）”シャシー”が挙げられ、レヴエルトがサブフレームまで含めて「フルカーボン」なのに対してテメラリオの場合は「フルアルミ」。

ランボルギーニ・テメラリオの車体は「920馬力を吸収し、最高のパフォーマンスを発揮できるように」

参考までに、「ガヤルド」時代ではフルアルミ、そして「ウラカン」時代だとモノコックの2/5くらいがカーボンファイバーへと変更されていますが、今回テメラリオでは再び「フルアルミ」に戻っているわけですね。

ただ、ガヤルド時代と同じフルアルミといえど、テメラリオではこれが大きく進化しており、簡単に言うと「ウラカン世代の車体に比較してパーツ点数が50％も減ったのに車体剛性が25％も向上した」。

これについて動画とともに説明を行うのはランボルギーニの技術部門責任者、ルーベン・モールCTOで、動画では、従来のデザインに対する新しい設計の利点を示しています。

まず、テメラリオのシャシーはこれまでの設計のキャリーオーバーがまったくなく、完全なる新設計となっていますが、これはガヤルド、ウラカンとは「車体重量、パワー、トルクが全く異なるため」。

よって既存の車体や設計技術ではこれに対応することができず新しく設計を行っていて、最新の設計技術を用いることにより上述の「50％のパーツ削減、25％の強化」を実現し、さらに言うなれば「溶接部分が80％減少」。

部品数の削減は通常、既存の部品を強化することで実現され、溶接部分の削減はランボルギーニがより迅速かつ効率的に車を製造できることを意味しており、これは生産効率を大きく改善するばかりか、問題発生の可能性を低減させ、より良い製品がより速く、安定した品質にて大量に生産できることを意味します。

なお、今回公開された動画は、テメラリオに採用されるテクノロジーを紹介する「第一弾」にしかすぎず、よって今回ルーベン・モールCTOはテメラリオの車体についての概要、そしてリヤセクションについて触れるにとどまっていますが、同氏いわく「ここがウラカンよりも（テメラリオが）優れたハンドリングを実現するためのキーである」。

慎重に配置されたリンク、精巧に成形された形状、そして太い断面を持つ長方形のチューブが使用されていて、ひとつひとつの構成物はウラカンよりも遥かに立体的かつシンプルしかし大きく変化していることがわかります（ウラカンのサブフレームは”スペースフレーム”の延長という印象であったが、テメラリオのそれはモノコックに近くなっている）。※下の画像はウラカンのフレーム構造。車体中央の黒い部分はカーボンファイバー

そして今後はサスペンションやハイブリッドシステムなど様々な技術解説がなされるものと思われ、これに続く第二弾、第三弾に期待したいと思います。

ランボルギーニがテメラリオの車体構造について触れる動画はこちら

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参照：Lamborghini（Youtube）