
| ボディカラーは韓国の狂気を示す「マグマ マッドネス」 |
高級車セグメントでは破竹の進撃を見せたジェネシスが「モータースポーツで」どれだけ存在感を示すことができるのかは見ものである
2025年ニューヨーク・オートショーの注目作といえば、韓国の高級ブランド「ジェネシス」によるオフローダー風コンセプト「X グラン イクエイター」ですが、実はもうひとつの衝撃作が会場を沸かせています。
それが、ジェネシス初のル・マン挑戦車──GMR-001です。
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GMR-001は「ジェネシス・マグマ・レーシング」ブランドの象徴として誕生
ジェネシスは、新設のパフォーマンスブランド「Magma(マグマ=韓国の活火山をイメージ)」を軸として今後モータースポーツへ本格参戦することを発表していますが、その第一弾となるのが、LMDh規定に基づく耐久レースマシン「GMR-001」。
今まではレンダリング作品のみ、つまり2次元でしか存在しなかったものの、今回ついに、実物大のモックアップモデルが公開され、観客の前にその姿を現すこととなっています。
リバリーは韓国美と情熱を融合させた「Magma Madness」
GMR-001に施されたリバリーは、「Magma Orange(マグマオレンジ)」から「Dark Red(ダークレッド)」へとグラデーションが効いた情熱的なカラーリング。
さらに、韓国語(ハングル)で「Magma」と描かれた幾何学的グラフィックや、伝統文化にインスパイアされた模様が随所にちりばめられており、ただのレーシングカーではなく「韓国の魂を纏ったハイパーカー」という印象を強く与えます。
実際にこのリバリーでレースを走るのかどうかは不明ではあるものの、ジェネシスの親会社であるヒョンデは「自身がボスであることを強く好む」文化があるといい(アップルとの交渉決裂はこれが理由だと言われる)、よってジェネシスも同様なのかもしれず、となるとこのレーシングカーが「スポンサーカラーで」レースを走ることはないのかもしれません。
驚異のパワートレイン:「WRCエンジン×2」から生まれたV8ハイブリッド
最大の注目ポイントは「4気筒エンジンを2つ連結した」というその“フランケンシュタイン・エンジン”とも呼べるハイブリッドパワートレイン。
このエンジン構成はWRCの小排気量・高出力ノウハウを応用し、LMDhフォーマットに合わせたユニークな解決策で、将来的に「マグマ」シリーズの市販モデルにも一部技術が応用される可能性があるとのことですが、近年ではどんどん「レース用エンジンと市販車用エンジン」との境界線とが曖昧になってきているようでもありますね(フェラーリのV6しかり、ランボルギーニのV8しかり)。
- 内燃エンジン:WRCマシンの1.6L直4を2基合体 → ツインターボV8に変身
- 駆動方式:リア駆動のハイブリッド(LMDh規定)
- システム出力:671 hp(500 kW / 680 PS)に制限
- 開発パートナー:Oreca Motorsport(シャシー&パワートレイン共同開発)
ジェネシスGMR-001のデビューは2027年、世界耐久選手権&IMSAダブル参戦
ジェネシスGMR-001は以下の2つのビッグレースシリーズに参戦予定で、初参戦は2027年シーズン。
ル・マン24時間レースでは、ポルシェやキャデラック、BMW、フォード、アルピーヌらとLMDhカテゴリーで激突する予定です(LMHにはトヨタ、フェラーリ、アストンマーティンなどが参戦継続)。
- FIA 世界耐久選手権(WEC)
- IMSA スポーツカー選手権
ジェネシスは同時に、GMR専用レーシングスーツを発表し、ドライバーラインナップには次のような大物が名を連ねますが、これにより、ジェネシスのル・マンプロジェクトが“本気中の本気”であることが証明されたと考えてよいかと思われます(韓国人ドライバーではなく、実績のある海外の著名ドライバーを起用したあたり、本気で”勝ちに”来ている)。
- アンドレ・ロッテラー:ル・マン24時間レース3勝
- ルイス “ピポ” デラーニ:セブリング12時間4勝
これまで高級サルーンやSUVのイメージが強かったジェネシスではあるものの、ここにきてまさかのル・マン挑戦。
しかも自社開発のハイブリッドレーシングV8を引っさげての参戦ということで、ただの宣伝目的ではない本気度が伝わってきます。
2027年、伝統と革新が交差するル・マンの舞台で、「Genesis Magma Racing=ジェネシス・マグマ・レーシング」の名前がどこまで響くのか今から楽しみでなりません。
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参照:GENESIS