
| 日本国内のトヨタは「ハイブリッド頼み」 |
世界で好調も日本市場では苦戦
トヨタの最新販売報告によると、2025年8月の日本国内でのEV販売はわずか18台。
一方、「世界」だとトヨタのEV販売は20.6%増の117,031台に達しており、国際市場では需要が強まっていることが明らかに。
同社の販売全体を見ると、2025年1~8月の世界販売台数は7,409,273台で、前年同期比6.2%増。
特に海外市場でのEV販売は順調で、8月単月でも17,056台のEVが販売され、前年比34.5%増となっています。
日本国内の販売動向
一方、日本国内では販売に苦戦するという傾向が明白になり、8月のトヨタ・レクサス(ダイハツ・日野を除くの)販売台数は96,269台で前年同月比12.1%減。
- 国内全体でのEV販売:18台(前年同月比-84.9%)
- ハイブリッド車:603,676台(前年比上昇)
- プラグインハイブリッド(PHV):13,551台
- 水素燃料電池車(FCV):251台
この減少は、主に以下の要因によると見られています。
- カムチャッカ半島関連の納車遅延
- 昨年の大規模プリウスリコールによる影響
つまり、日本市場ではハイブリッド車が圧倒的なシェアを維持しており、純粋なEV需要はまだ極めて限定的だというわけですね。
国内と海外での戦略ギャップ
そしてこの結果は、トヨタの戦略と市場の成熟度の違いを浮き彫りにしています。
- 日本国内
- 消費者は依然としてハイブリッドを好む
EVインフラ整備や購入支援策が限定的
- 消費者は依然としてハイブリッドを好む
- 海外市場
- EV需要が急拡大
- 政府補助や規制、充電網整備が追い風
トヨタは国内では安全策としてハイブリッド中心の戦略を継続しつつ、海外ではEV拡大を積極的に推進しているという構図となっていて、このまま「内外差」が拡大してゆくと、数年後には海外だと「トヨタ=EV」というイメージが強くなる一方、日本国内では「トヨタ=ハイブリッド」にとどまるままなのかもしれません。
トヨタの電動化ラインナップの販売状況(日本国内、1~8月累計)
- ハイブリッド(HEV):603,676台
- プラグインハイブリッド(PHV):13,551台
- EV(BEV):469台
- 水素燃料電池(FCV):251台
この内訳からも、トヨタは日本国内だと「ハイブリッド頼み」であり、EV普及にはまだ時間がかかることがわかります。
まとめ:トヨタのジレンマ
- 世界市場ではEV販売が伸びている一方、日本市場ではまだわずか18台
- 国内市場はハイブリッド依存、海外市場はEV需要拡大
- 今後、国内EV普及にはインフラ整備や価格競争力強化が鍵
トヨタはグローバルではEV先進企業としての地位を高めつつ、国内では伝統的ハイブリッド戦略との両立を迫られる状況にあります。
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