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| 「元ポルシェGT部門のボス」が率いる新生ベントレー、スポーツ路線へ転換か |
ベントレーと「スーパー スポーツ」の歴史とは
ベントレーは、ロールス・ロイスと並ぶ英国ラグジュアリーの象徴ですが、その一方で「走りの楽しさ」を重視するブランドとしても知られていますが、その象徴的な存在が「スーパー スポーツ」。
- 初代は1925年に登場した「ベントレー 3リッター スーパー スポーツ」
- 2017年には6.0L W12ツインターボを搭載した「コンチネンタルGT スーパー スポーツ」が登場(700馬力)
そして2025年、ベントレーは100年ぶりにこの伝説の名前を復活させる準備を進めています。※ベントレー自身が公式プレスリリースによって「100年ぶり」を強調しているので、2017年のバージョンはノーカウントということになる
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新型「コンチネンタルGT スーパー スポーツ」の注目ポイント
現在のベントレーでは、前CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏(現アストンマーティンCEO)にかわり、ポルシェのGT部門を率いていたフランク=ステファン・ヴァリザー氏が指揮を取っていますが(ポルシェとベントレーは同じくVWグループ傘下にあり、VWグループの意向による人事である)、同氏は経営畑出身ではなく生粋の(しかもパフォーマンス寄りの)エンジニア。
よってフォルクスワーゲン・グループは同氏に対し「ベントレーをパフォーマンスブランドへと」変革するというミッションを与えているのではないかと思われ、実際に同氏もその期待に応えるべく「とんでもない」ベントレーを世に送り出すこととなりそうです。
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1. エンジンとパフォーマンス
- 搭載予定:4.0L V8ツインターボ
- 最高出力:640ps以上(現行W12の700psよりは控えめ。おそらくは後輪駆動化の影響)
- ハイブリッドシステムを排除し軽量化を優先
- 駆動方式:後輪駆動(RWD)専用化
- 加速性能:0-100km/hを約3秒で達成か
軽量化とRWD化は、従来の豪華かつ重量級なコンチネンタルGTのイメージを大きく変えるポイントとなり、「新しいベントレー」を主張するには格好の手段であるといえそうですね。
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2. 軽量化の徹底
ベントレーは今回、徹底的に「余分なものを削ぎ落とす」戦略を採用していると見られます。
- カーボンルーフ
- 軽量ホイール
- カーボンセラミックブレーキ
- 後席の撤去
- カーボンフレームのフロントシート
結果として、重量は2,000kgにまでに抑えられる見込みで、標準の約2,460kgから約460kgもの減量となり、運動性能に大きな違いをもたらすことは間違いないと見られています。
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3. デザインの進化
スパイショットから推測される外観は以下の通り。
- よりアグレッシブなフロントバンパー
- ノーズ外側に追加されたダイブプレーン
- リアに大型スポイラー
- 基本はコンチネンタルGTと共通ながら、空力パーツで差別化
生産モデルではさらに専用デザインの要素が追加されると見られます。
4. ブランド戦略との関連性
ベントレーのCEO、フランク=シュテファン・ヴァリザー氏は、同社CEO就任後に「コンチネンタルGTのバリエーション拡充」を掲げており・・・。
- スーパー スポーツの復活はその戦略の一環
- EV時代への布石として、Bentaygaの下に位置する「都市型ラグジュアリーEV」も計画中
つまり、スーパー スポーツは「ベントレーの伝統的スポーツラグジュアリーの進化版」として、EV拡大路線と並行する二本柱の一つと考えていいのかもしれません。
まとめ
- ベントレーは「スーパー スポーツ」の伝説を100年ぶりに復活予定
- 新型は軽量化・RWD化・V8ツインターボ搭載で「走り」に重点
- 大幅なダイエットにより加速性能は0-100km/h 3秒台を想定
- デザインは空力強化が進み、よりアグレッシブに
- ブランド戦略上、GTシリーズ拡張とEV開発の両輪で進む姿勢
ベントレーは「超高級車」から「走れる超高級車」へ、その進化を次世代に示そうとしており、それを体現するであろう今回のニューモデルには大きな期待がかかりますね。
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参照:Bentley