
Image:Infiniti
| 最大出力1000馬力のモンスターSUV誕生、残念ながら市販計画は「なし」 |
ボディカラーはまさかの「ミッドナイトパープル」、ホイールは「ブロンズ」
ここ最近の市場ではいまひとつふるわないインフィニティ(日産の高級ブランド)ではあるものの、ラスベガスにて開催されるSEMAショーに向け、インフィニティが公式にて「GT-Rニスモの心臓」を移植したQX80 Rスペック(R-Spec)を発表して世間を驚かせることに。
もともとQX80は日産パトロールをベースにしたラグジュアリーSUVでありながら、どちらかといえば“スーパーへの買い出し”や“子どもの送迎”が似合うおっとりとした存在で、しかし今回登場したRスペックはそんな穏やかなイメージを吹き飛ばすハイパフォーマンス仕様です。
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■ GT-RニスモのVR38ツインターボを搭載、最大出力は「1000馬力」仕様
QX80 Rスペックに搭載されるのは、GT-RニスモでおなじみのVR38DETT型3.8リッターV6ツインターボエンジン。
現行モデルのQX80にも同系統のVR系ツインターボが使われていますが、Rスペックでは徹底的にモディファイが施されています。
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インフィニティによると、最終的には「1000馬力を狙える仕様」とのことで、主な改良点は以下の通り。
- JEピストン、Boostline製コンロッド、ARPロッドボルト
- MOTEC製エンジンマネージメントシステム
- Garrett Gシリーズ・ツインターボチャージャー
- フレックスフューエル対応燃料システム(2600ccインジェクター+Fuel Labポンプ)
- R35 GT-R風エキゾーストシステム
- 専用CNC製トランスミッションアダプター
- 電子制御式リアデフ「E-Locker」
- CSF製エンジン&トランスミッションクーラー
つまり、これは単なる「GT-Rのエンジンを積んだSUV」ではなく、フルチューン仕様のQX80ということになりますね。
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■ ブレーキもGT-R流、ワイドボディ+カーボンセラミックブレーキを装備
これほどのパワーを与えられたQX80を安全に走らせるため、足まわりにも徹底的に手が入っており、24インチサイズのGT-R風ホイールには315/35/24のYokohama Parada Spec-Xタイヤを装着(やはりSEMAではヨコハマが定番)。
ブレーキはGT-R用カーボンセラミックローターを流用し、専用キャリパーアダプターとローターハットで対応しています。
さらにがMCS製3way外部リザーバー付きコイルオーバー、アイバッハ製ERSスプリング、専用ステアリングラック&バンプステア調整ナックルなど、サスペンション構成も完全に見直され・・・。
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ボディはワイドフェンダー+機能的なエアロパーツを備え、フロントスプリッターはARP製。
ボディカラーにはミッドナイトパープルを採用し、まるで“GT-Rの血統を持つ戦闘的SUV”といった仕上がりです(R34とR35 GT−Rの要素がミックスされている)。
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■ インフィニティ副社長「QX80 Rスペックは極限の挑戦」
インフィニティ・アメリカ担当副社長のティアゴ・カストロ氏は次のようにコメントし、できればこの挑戦を市販車部門にも取り入れて「再び羽ばたく」日が来ることを願わんばかり。
「QX80 Rスペックは極端で攻撃的、そして我々が“ガードレールを外した”時に何ができるかを示す作品です。
このプロジェクトは、将来の高性能モデルの方向性を探る実験であり、贅沢さと官能的なパフォーマンスを融合する新しい挑戦なのです。」
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■ 量産化の可能性は?
残念ながら、このQX80 Rスペックが市販化される予定はなく、しかし、このプロジェクトはインフィニティが再び“パフォーマンスのDNA”を思い出したことを意味します。
もしも限定車として登場すれば、ランボルギーニ・ウルスやアストンマーティンDBX707といったハイパーSUV勢に新たなライバルが誕生することになりますが、「せめて」ミッドナイトパープルのオプションカラーだけでも導入してくれるだけでも大きな話題となるのかもしれませんね(エンジン、そしてボディカラーがひとつの”資産”となる例は珍しく、GT-Rの意義はやはり大きい)。
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■ GT-Rの魂を次世代へ
日産/インフィニティはここ数年、EV化や販売低迷によりブランドイメージがやや停滞かつ迷走している状況で、しかしこのQX80 Rスペックは“GT-Rのスピリットを未来へ残す”という明確なメッセージであるようにも。
GT-R R36が未だ姿を見せない中、QX80 Rスペックは「GT-Rスピリットの転生体」なのかもしれません。
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