>日産/インフィニティ(Infiniti)

日産が「スカイライン」を2027年に全世界で正式復活へ。フェアレディZとGT-Rの中間に位置する“FR+MT スポーツセダン”、「1960-70年代のレトロデザイン」を採用

日産が「スカイライン」を2027年に全世界で正式復活へ。フェアレディZとGT-Rの中間に位置する“FR+MT スポーツセダン”、「1960-70年代のレトロデザイン」を採用

Image:NISSAN

| スカイラインの名にふさわしいスポーツカーとしての登場が期待される |

■ スカイライン、2027年に「純FRスポーツセダン」として復活

長年にわたる噂とリークを経て、日産がスカイラインを2027年に正式復活させることが明らかに。※現在「スカイライン」が販売されるのはほぼ日本のみで、日本のスカイラインは欧州・北米・中国ではインフィニティ Q50として販売される

英Auto Expressによると、新型スカイラインは後輪駆動(FR)を採用し、マニュアルトランスミッションの設定も予定されているもよう。

気になるデザインについては、1960〜70年代の初代スカイラインの精神を受け継ぎつつ、現代的でアグレッシブなフォルムに進化するとのことで、つまりは高い評価を受けている現行フェアレディZと同じ路線(過去をフィーチャーしつつも未来を示す)を採用するということになりそうです。

The-2026-Nissan-Z-Heritage-Edition---19

Image:NISSAN

北米にて「Z32 フェアレディへのオマージュ」仕様を持つ限定500代のZ ヘリテージエディション登場。サイドには懐かしの「ツインターボ」文字が再現される
北米にて「Z32 フェアレディへのオマージュ」仕様を持つ限定500代のZ ヘリテージエディション登場。サイドには懐かしの「ツインターボ」文字が再現される

Image:Nissan | Z32型300ZXへオマージュを捧げる特別仕様 | 各年代のフェアレディZの要素がふんだんに盛り込まれる 日産の北米法人が2026年モデル「Z ヘリテージエディション」を ...

続きを見る

■ 「レトロなだけではなく、未来志向」──デザインを率いるのはアルフォンソ・アルバイサ

実際のところ、ジャパンモビリティショーにて、日産のグローバルデザイン統括責任者アルフォンソ・アルバイサ氏は次のようにコメントしており、アルバイサ氏によれば、車体のプロポーションは「1968〜70年のスカイライン」から着想を得ており、より流麗でダイナミックな4ドアファストバックとなることも示唆されています。

「新型スカイラインは過去からインスピレーションを受けるが、レトロデザインの再現ではない。我々の狙いは、オリジナルを想起させつつも未来を見据えたデザインだ。」

2

Image:NISSAN

■ 「Z」と「GT-R」の間を埋める、新しいスカイラインのポジション

新型スカイラインは、日産のスポーツラインナップにおいて「フェアレディZとGT-Rの中間」を担うモデルとして開発が進められていることも報じられ、つまり、Zのような“ピュアスポーツ”でも、GT-Rのような“ハイパフォーマンススーパーカー”でもなく、日常性と刺激を両立したスポーツセダンという位置付けに。

アルバイサ氏はこれを「パフォーマンスと実用性の融合」と表現しています。

■ GT-Rの後継ではないが、“兄弟車”としての存在感

今回の新型スカイラインはGT-Rの後継ではないものの、(次期GT-Rと)プラットフォームを共有する可能性が非常に高く、インフィニティブランド(北米向け)では派生モデルも登場すると見られています。※一方で、「スカイライン」名称そのものが北米市場に導入される可能性は低いという報道もある

日産GT-R
日産GT-Rの「ゴッドファーザー」かく語る。「GT-Rは日産のDNAの象徴でありドライビングプレジャーを体現する車」「できればエンジンを残したい」「どうか新型R36 GT-R登場まで辛抱強く待っていただきたい」

| R36 GT-Rに「内燃機関」は叶わぬ夢? | 現在の流れを考慮するに、新型GT-Rは「電動」となる可能性が非常に高い 既報の通り、2025年8月26日、最後のR35型日産GT-Rが生産ラインを後 ...

続きを見る

日産は現在、GT-Rの後継となる新型ハイパフォーマンスモデルの開発も進めており、両者が並行して新世代スポーツラインを形成することになるものと考えてよく(ちょうどR35以前のスカイラインとGT-Rとの関係性に戻る)、これによって「新型GT-R」の開発コストを吸収し、かつ正当化することができるのかもしれません。

4

Image:NISSAN

日産
日産「次期GT-Rのためのプロジェクトが存在し、実際にそこで働く人がいます」。しかしこの状況で日産はGT-Rに多くのリソースを割くことはできないであろう

Image:Nissan | 日産幹部は口々に「次期GT-R」について語っているが | これらは「期待をつなぐだけ」であって実際にはなんら計画が進行していないのかもしれない さて、現在の苦境と同じくら ...

続きを見る

■ 背景:日産の再構築と“名車復活戦略”

スカイラインの復活は、日産が進めるブランド再構築プロジェクトの一環で、同社は近年、Xterra(北米で人気のあったSUV)など過去の名車を現代風にリブートする動きを強めており、スカイラインの復活もその流れの延長線上にあるということに。

つまり、スカイラインは単なる復活ではなく、「日産の原点回帰」というメッセージ性を持つモデルとして登場する可能性が高く、これはBMWの「ノイエクラッセ」、アウディの「コンセプトC(TTモーメント2.0)」と同じように、そのデザインのみならず、当時それらが引き起こしたムーブメント、そしてそれぞれのメーカーに与えた「効果」をも再現しようということなのかもしれません。

アウディ、新型スポーツカー「コンセプトC」を公開。次世代TTの予告、ポルシェとの深い関係性を持ちつつ市販化か
Audi
なぜアウディ、BMW、メルセデスは“過去の名車デザイン”を復活させるのか? その背景にある「不安の時代」とアイデンティティの再発見とは
なぜアウディ、BMW、メルセデスは“過去の名車デザイン”を復活させるのか? その背景にある「不安の時代」とアイデンティティの再発見とは

Mercedes-Benz | 「先行き不透明」な時代になると「リバイバル」が流行? | 不安定な時代に“原点回帰”を選ぶドイツ勢 世界的な緊張、環境危機、そして急速に進むテクノロジーの変化——。 こ ...

続きを見る

■ 考察:電動化時代の“最後のピュアFR”

興味深いのは、電動化が急速に進む中であえて純ガソリンFR+MTを採用する(であろうと言われている)点。

これはトヨタが「GR GT」や「MR2 / セリカ復活プロジェクト」で示した方針と重なり、“走りのDNAを未来に残す”という日本メーカーの共通意識が見えてくるもので、強いメッセージを含んでいるのもまた事実(あるいは、日産はスポーツカー向けのハイブリッドシステムを新規に開発するだけの余力がないのかもしれないが、結果的には日産の姿勢をアピールすることになる)。

スカイラインはこれまで、常に“日本のスポーツセダンの象徴”として存在してきたという歴史を持っており、その伝統を現代の文脈でどう再構築するか――2027年の登場によってその答えを示すことになりそうですね。

トヨタ
トヨタ、次世代スポーツカーを単独開発へ?セリカ、MR2、次期スープラなどGRブランドの将来と戦略を探る

| トヨタは自らの手で「スポーツカーの未来」を切り開く | スポーツカー開発の難しさとは さて、トヨタは直近で「GR GT3」「レクサスLFR」の発表を控えていると見られ、さらにはセリカやMR2の開発 ...

続きを見る

【まとめ】

  • 日産が2027年にスカイラインを正式復活させる予定
  • FR+MT採用、デザインは1960-1970年代のモデルを現代的に再解釈
  • ZとGT-Rの中間に位置するスポーツセダンとして開発
  • GT-Rの後継ではなく、インフィニティ版も並行展開
  • 日産の“名車復活戦略”の中心的存在となる見込み

あわせて読みたい、日産関連投稿

【新型スカイライン登場へ】日産、再建計画の中で新たな伝説を始動。次期スカイラインは新しい開発プロセスを採用する「最初のモデル」に
【新型スカイライン登場へ】日産、再建計画の中で新たな伝説を始動。次期スカイラインは新しい開発プロセスを採用する「最初のモデル」に

Image:NISSAN | 日産、2026年黒字化を目指す大改革を発表 | その詳細は未発表ではあるが、ボクとしては「サーフィンライン」を復活させてほしい 日産自動車は決算内容とともに新たな事業再建 ...

続きを見る

日産
日産新CEO「私はミニバンを作るために日産に入ったわけではない」。GT-Rの復活を明言し、シルビアの復活についても明確に触れる

| 現在のところ、日産の未来は「まだ見えてこない」状態ではあるが | 現時点では「今までのプランに従い」行動しているように思えるが ここしばらく日産では経営上の混乱が続き、その結果CEO含む経営陣の交 ...

続きを見る

日産
日産が公式に新型GT-Rについて言及。「ポルシェをそのホーム、つまりニュルで打ち負かすことは次世代GT-Rでも必須です。なんらかの電動化もなされるでしょう」

Nissan | ただし現時点では正式に新型GT-Rの開発は開始されていないと言われる | R32、R35世代のGT-Rのように、次世代GT-Rにおいても「現実を歪曲するくらい」の速さを見せて欲しいも ...

続きを見る

参照:Auto Express

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->日産/インフィニティ(Infiniti)
-, , , ,