
| 数字で見る2025年の敗北 |
BMWと近い数字ではあるが「その内容」は大きく異なる
この記事の要約
- 光と影: Gクラスは+23%(4万9,700台)と過去最高を記録。しかし全体を支えられず
- EVの停滞: メルセデス・ベンツのEV販売は9%減少。対照的にBMWはEV販売を伸ばして差が拡大
- 中国ショック: 地元ブランド(XiaomiやLi Auto等)との競争激化で主力モデルが苦戦
- 2026年の反撃: 新型Sクラス、新型EV「CLA」など過去最大規模の製品攻勢を予定
現在のメルセデス・ベンツの状況は「未来に希望を持ちにくい」
2025年の世界販売台数において、メルセデス・ベンツ・グループは合計216万台を販売し、一見するとBMW(217万台)と僅差に見えるものの、その内訳を見ると深刻な実態が浮かび上がります。
メルセデス・ベンツは、看板モデルである「Gクラス」が過去最高の販売台数を記録したものの、中国市場での苦戦やEV(電気自動車)需要の停滞が響き、乗用車部門全体では前年比10%減という厳しい結果に。
一方のBMWは、EVシフトを追い風にシェアを拡大し、プレミアムカー市場の首位を盤石なものにしています。
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- 乗用車部門: メルセデス・ベンツでは180万台にとどまり、BMW単体の数字に大きく水を開けられる
- 商用車頼み: メルセデス・ベンツの総数のうち、約36万台は商用バン。これを除いた「高級車ブランド」としての比較では、BMWが圧倒的な首位を維持
- 地域別の苦戦: 最大市場の中国で前年比19%減、北米では関税の影響もあり28%減と、主要市場で軒並み数字を落としている
メルセデス・ベンツを失速させた「2つの誤算」
1. EV戦略の「EQ」ブランドが失速
メルセデス・ベンツはこれまでEV専用ブランド「EQ」シリーズを推進してきましたが、消費者の反応は鈍く、2025年のEV販売は16万8,800台(9%減)に沈んでいます。
一方のBMWは、既存の車種にEVモデル(i4、iX1など)をラインナップする柔軟な戦略が功を奏し、EV販売を44万台以上に伸ばしているという対象的な事実が見られ、つまるところメルセデス・ベンツの「EVに対する戦略」が間違っていたことを伺わせます(メルセデス・ベンツは高価なプレミアムEVに集中したが、BMWは実用的な性能と価格帯のEVを取り揃えた)。
2. 中国市場での「高級車」の再定義
これまで中国の富裕層にとってメルセデス・ベンツはステータスの象徴であったものの、現在はXiaomi(シャオミ)やHuawei(ファーウェイ)が支援するハイテクEVがその座を脅かしているのが現状です。
特に「エントリー」および「コア(C/Eクラス)」セグメントからの顧客流出が顕著だとされ、利益率の高い中国市場での25%もの落ち込みがグループ全体の収益を圧迫していることが明らかに。
車種概要:2025年の勝者と敗者
メルセデスのポートフォリオ内でも、明暗がはっきりと分かれており、以下はそのセグメント別の状況です。
なお、メルセデス・ベンツは少し前に「利益率の高いモデルに集中する」としてエントリーモデルを大幅に削減していますが、ここも「エントリーモデルを切り捨てなかった」BMWとの差が出た部分でもありますね。
| セグメント | 主なモデル | 2025年実績 | 状況 |
| トップエンド | Gクラス、 AMG、 マイバッハ | 26万8,000台 (-5%) | Gクラスは+23%と爆走。マイバッハも中国で根強い。 |
| コア | Cクラス、 Eクラス、 GLC | 105万台 (-10%) | 主力車種が軒並みダウン。供給不足と需要減が重なる。 |
| エントリー | Aクラス、Bクラス、 CLA | 48万3,300台 (-10%) | 利益率向上のための車種削減が裏目に。 |
| 商用バン | スプリンター、Vクラス | 35万9,100台 (-11%) | 全体は減るも、電動バン(eSprinter等)は46%増。 |
2026年、メルセデス・ベンツ「史上最大の反撃」が始まる
2025年の屈辱を晴らすべく、メルセデス・ベンツは2026年に過去最大規模のニューモデル投入を計画しており、とくに復活の鍵となるのは「CLA」。
そのほかにも多くのモデルが控えています。
- 真打登場: メルセデス・ベンツの象徴、Sクラスのフェイスリフト(1月発表予定)
- 次世代EVの旗手: 新プラットフォームを採用した新型CLA(EV/ハイブリッド)がいよいよ発売
- 期待のSUV: 販売の柱となるGLCのEV版および新型GLAが市場に投入
- パフォーマンスの未来: AMG初となるEV専用モデル「AMG GT 4ドア クーペ EV」が登場
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結論:ブランドの「真価」が問われる1年に
2025年のメルセデス・ベンツにおいて「ほぼ唯一」快走を見せたのがGクラス。
そしてこのGクラスが「ファッション・アイコン」として支持され売れ続けていることは、メルセデス・ベンツにまだ強いブランド力がある証拠であるとも考えられます。
しかしもちろん、それだけではこの巨大な組織を支えることはとうていできず、2026年にメルセデス・ベンツが「高級車」から「デジタル時代の究極の高級車」へと脱皮できるのか。
中国市場において輝きを取り戻し、BMWを追い越すことができるのかは今年のニューモデル、そして戦略にかかっている、と考えていいのかもしれません。
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