>メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz/AMG)

【2025年決算】メルセデス・ベンツ、BMWに屈す。Gクラスの販売が「過去最高」でも補えなかった「2つの誤算」とは

【2025年決算】メルセデス・ベンツ、BMWに屈す。Gクラスの販売が「過去最高」でも補えなかった「2つの誤算」

| 数字で見る2025年の敗北 |

BMWと近い数字ではあるが「その内容」は大きく異なる

この記事の要約

  • 光と影: Gクラスは+23%(4万9,700台)と過去最高を記録。しかし全体を支えられず
  • EVの停滞: メルセデス・ベンツのEV販売は9%減少。対照的にBMWはEV販売を伸ばして差が拡大
  • 中国ショック: 地元ブランド(XiaomiやLi Auto等)との競争激化で主力モデルが苦戦
  • 2026年の反撃: 新型Sクラス、新型EV「CLA」など過去最大規模の製品攻勢を予定
L1005718

現在のメルセデス・ベンツの状況は「未来に希望を持ちにくい」

2025年の世界販売台数において、メルセデス・ベンツ・グループは合計216万台を販売し、一見するとBMW(217万台)と僅差に見えるものの、その内訳を見ると深刻な実態が浮かび上がります。

メルセデス・ベンツは、看板モデルである「Gクラス」が過去最高の販売台数を記録したものの、中国市場での苦戦やEV(電気自動車)需要の停滞が響き、乗用車部門全体では前年比10%減という厳しい結果に。

一方のBMWは、EVシフトを追い風にシェアを拡大し、プレミアムカー市場の首位を盤石なものにしています。

BMWが中国の失速を「EV激増」でカバーし2025年は過去最高レベルの販売台数に。次世代モデル「ノイエ・クラッセ」の登場に向けはずみをつける
BMWが中国の失速を「EV激増」でカバーし2025年は過去最高レベルの販売台数に。次世代モデル「ノイエ・クラッセ」の登場に向けはずみをつける

Image:BMW | 世界が驚く「BMWの底力」――中国市場の減速をどう跳ね返したのか? | 記事の要約(ポイント3選) 逆風下のプラス成長: 中国市場の停滞を欧州・米国での堅調な伸びで相殺し、グル ...

続きを見る

L1340546
  • 乗用車部門: メルセデス・ベンツでは180万台にとどまり、BMW単体の数字に大きく水を開けられる
  • 商用車頼み: メルセデス・ベンツの総数のうち、約36万台は商用バン。これを除いた「高級車ブランド」としての比較では、BMWが圧倒的な首位を維持
  • 地域別の苦戦: 最大市場の中国で前年比19%減、北米では関税の影響もあり28%減と、主要市場で軒並み数字を落としている
L1005692

メルセデス・ベンツを失速させた「2つの誤算」

1. EV戦略の「EQ」ブランドが失速

メルセデス・ベンツはこれまでEV専用ブランド「EQ」シリーズを推進してきましたが、消費者の反応は鈍く、2025年のEV販売は16万8,800台(9%減)に沈んでいます。

一方のBMWは、既存の車種にEVモデル(i4、iX1など)をラインナップする柔軟な戦略が功を奏し、EV販売を44万台以上に伸ばしているという対象的な事実が見られ、つまるところメルセデス・ベンツの「EVに対する戦略」が間違っていたことを伺わせます(メルセデス・ベンツは高価なプレミアムEVに集中したが、BMWは実用的な性能と価格帯のEVを取り揃えた)。

L1006533

2. 中国市場での「高級車」の再定義

これまで中国の富裕層にとってメルセデス・ベンツはステータスの象徴であったものの、現在はXiaomi(シャオミ)やHuawei(ファーウェイ)が支援するハイテクEVがその座を脅かしているのが現状です。

特に「エントリー」および「コア(C/Eクラス)」セグメントからの顧客流出が顕著だとされ、利益率の高い中国市場での25%もの落ち込みがグループ全体の収益を圧迫していることが明らかに。

DSC00073

車種概要:2025年の勝者と敗者

メルセデスのポートフォリオ内でも、明暗がはっきりと分かれており、以下はそのセグメント別の状況です。

なお、メルセデス・ベンツは少し前に「利益率の高いモデルに集中する」としてエントリーモデルを大幅に削減していますが、ここも「エントリーモデルを切り捨てなかった」BMWとの差が出た部分でもありますね。

セグメント主なモデル2025年実績状況
トップエンドGクラス、 AMG、 マイバッハ26万8,000台 (-5%)Gクラスは+23%と爆走。マイバッハも中国で根強い。
コアCクラス、 Eクラス、 GLC105万台 (-10%)主力車種が軒並みダウン。供給不足と需要減が重なる。
エントリーAクラス、Bクラス、 CLA48万3,300台 (-10%)利益率向上のための車種削減が裏目に。
商用バンスプリンター、Vクラス35万9,100台 (-11%)全体は減るも、電動バン(eSprinter等)は46%増。
L1500617

2026年、メルセデス・ベンツ「史上最大の反撃」が始まる

2025年の屈辱を晴らすべく、メルセデス・ベンツは2026年に過去最大規模のニューモデル投入を計画しており、とくに復活の鍵となるのは「CLA」。

そのほかにも多くのモデルが控えています。

  • 真打登場: メルセデス・ベンツの象徴、Sクラスのフェイスリフト(1月発表予定)
  • 次世代EVの旗手: 新プラットフォームを採用した新型CLA(EV/ハイブリッド)がいよいよ発売
  • 期待のSUV: 販売の柱となるGLCのEV版および新型GLAが市場に投入
  • パフォーマンスの未来: AMG初となるEV専用モデル「AMG GT 4ドア クーペ EV」が登場
L1003221
メルセデス・ベンツ新型CLA、予想を超える需要で早くも生産ライン増強へ。「売れない」はずのEVそしてセダンが売れるナゾ
メルセデス・ベンツ新型CLA、予想を超える需要で早くも生産ライン増強へ。「売れない」はずのEVそしてセダンが売れるナゾ

Image:Mercedes-Benz | 新型CLA、注文殺到で生産ラインに第3シフト導入 | これまでのメルセデス・ベンツとは「全く逆」の動きに メルセデス・ベンツが「受注が好調につき」新型CLA ...

続きを見る

結論:ブランドの「真価」が問われる1年に

2025年のメルセデス・ベンツにおいて「ほぼ唯一」快走を見せたのがGクラス。

そしてこのGクラスが「ファッション・アイコン」として支持され売れ続けていることは、メルセデス・ベンツにまだ強いブランド力がある証拠であるとも考えられます。

しかしもちろん、それだけではこの巨大な組織を支えることはとうていできず、2026年にメルセデス・ベンツが「高級車」から「デジタル時代の究極の高級車」へと脱皮できるのか。

中国市場において輝きを取り戻し、BMWを追い越すことができるのかは今年のニューモデル、そして戦略にかかっている、と考えていいのかもしれません。

L1011537

あわせて読みたい、メルセデス・ベンツ関連投稿

メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツ、「EQ」サブブランドを正式に廃止へ。電動モデルは「Electric(エレクトリック)」という名称へと移行し、戦略を刷新する計画を発表

| 電動化モデルの登場によってメルセデス・ベンツのネーミングは混乱を極めていたが | メルセデス、「EQ」から「Electric」へ名称転換 メルセデス・ベンツがEV戦略の一環として「EQ」ブランドを ...

続きを見る

メルセデス・ベンツ
【衝撃】中国ブランドが欧州でメルセデス・ベンツの販売を上回る。BYDなどのEV・PHEV販売が急拡大

| 中国ブランド、欧州で驚異の成長 | ここまで短い時間で「歴史が書き換えられる」とは 中国の自動車ブランドが「(2025年6月単月で)ついに欧州でメルセデスを販売台数で上回る」という歴史的な快挙を達 ...

続きを見る

メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツが「頼みの綱」の中国にて販売を失い15%の人員整理に着手。販売を伸ばすことは難しいと判断し「構造改革」にて利益を確保

| もはや中国市場にて販売を伸ばすことは「どの海外自動車メーカーにとっても」非常に難しいだろう | 中国市場は「価格訴求力」がモノをいい、そして海外目メーカーはこれに対抗できない さて、先日は「ポルシ ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz/AMG)
-, , , , ,