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| ポルシェはいま、718ボクスター / ケイマンのEV化を撤回しようとしている |
ポルシェの経営体制変更とコスト増大が、アウディが社運をかけて開発していた「TT」後継モデルの運命まで左右しようとしているとの報道。
自動車業界の「共通プラットフォーム戦略」が抱えるリスクが浮き彫りになっています。
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今後はこれがアウディの「顔」。コンセプトCの「ちょびヒゲ」垂直グリルが全モデルに波及、共通アイデンティティとして機能することに
Image:Audi | 今こそがアウディにとっての「変革の時」なのかもしれない | この記事の要点(30秒チェック) 新時代の象徴: 垂直に伸びた長方形のグリルが今後の全アウディ車の共通アイデンティ ...
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【この記事の3点まとめ】
- ポルシェ新CEOの決断: 2026年1月に就任したマイケル・ライターズ氏が、コスト増大を理由に718(ボクスター/ケイマン)EVの中止を検討中
- アウディへの深刻な影響: 同一プラットフォームを採用するアウディの「コンセプトC(次世代TT)」も連鎖的に中止の危機
- 電池供給網の崩壊: 主要サプライヤー「ノースボルト(Northvolt)」の破産により、高性能バッテリー確保に数千億円規模の追加コストが必要に
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【白紙撤回?】ポルシェ次世代718の「EV化計画」が消滅の可能性。新CEOが下す衝撃の決断にある背景とは
| ポルシェはいま、大きな転機を迎えている | 記事のポイント(要約) 新CEOの「大鉈」: 2026年1月に就任したマイケル・ライターCEO氏がEV版718の中止を検討中。 深刻な三重苦: 開発コス ...
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2026年、ポルシェ激震の幕開けと「718 EV」の不透明な未来
2026年1月1日にポルシェの新CEOへとマイケル・ライターズ氏が就任していますが、ライターズ氏は就任早々、前任者のオリバー・ブルーメ氏から引き継いだEV推進計画の全面的な見直しに着手しています。
そしてその筆頭が、開発の遅れと予算超過に喘ぐ「718ボクスター/ケイマン」の完全電動化プロジェクト。
中国市場での販売不振や利益率の低下を受け、ポルシェは財政再建を優先するため、この象徴的なEVスポーツカーの開発を(これまでに投じたコストを捨ててでも)中止するか、あるいは内燃機関(ICE)継続、もしくはハイブリッド化とするかかなど”大幅な計画変更”を迫られているわけですね。
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ポルシェ前CEOが「マカンのガソリン車廃止は間違いでした」と異例の告白。2028年に実質的後継をもって“復活”へ
| ポルシェのトップが認めた「EVシフト」の誤算 | 数年前のフォルクスワーゲングループは全体的に「客観的な判断を欠いていた」 「あの時の判断は、今の状況では正しくなかった」——。 2026年1月1日 ...
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アウディ「コンセプトC」が道連れになる理由
そしてポルシェのこの決定の行方次第で「青ざめてしまう」のがアウディ。
アウディのゲルノート・デルナーCEOは、ブランド復活の象徴として、かつての名車「TT」の名を冠したEVスポーツカー「コンセプトC」を2027年に投入する計画を公表しています。
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アウディ A4 e-tronが2028年に登場?次世代SSPプラットフォーム採用、デザインはコンセプトCを継承し”アウディ改革の旗手”となることが期待される
Image:Audi | A4 e-tron:アウディのEVセダン”空白”を埋める存在に | アウディはいつの間にかライバルとの「競合」を持たないメーカーに BMWが人気モデル3シリーズの電動版「i3 ...
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しかし、この車両はポルシェが主導して開発していた718 EV用の専用プラットフォームを共有することを前提に設計されており、よってポルシェがこの計画を中止するならば、当然TT後継モデルも運命を共にしてしまうことに。
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プラットフォーム共有のリスクと現状
| 項目 | 詳細 |
| 共有プラットフォーム | ポルシェ開発のスポーツEV専用アーキテクチャ |
| 主要バッテリーサプライヤー | スウェーデンのノースボルト社(2025年に破産申請) |
| アウディの選択肢 | ① プロジェクトの中止、② 数千億円を投じて独自開発を継続 |
| 次世代SSPの影響 | VWグループの汎用プラットフォーム「SSP」は2028年半ばまで完成しない |
もしポルシェが開発を断念すれば、アウディは自力でこの複雑なプラットフォームを完成させなければなりませんが、これには「9桁(数億ユーロ)」規模の追加投資が必要とされており、アウディ内でも「採算が合わない」との声が強まっています(そもそもR8やTTが販売終了となったのも採算が合わないからである)。
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アウディ、R8後継モデルを否定せず。一方でコンセプトCは「TTの後継ではなく、TTの名は復活しない」
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結論:EVスポーツカーの夢は「冬の時代」へ
かつては「コスト削減の切り札」とされたプラットフォームの共有が、今やブランドを超えた「連鎖倒産」のようなリスクとなっているというのが今回改めて浮上した「リスク」というわけですが、ポルシェが足元の火を消すために718 EVを切り捨てれば、それは自動的にアウディの「次世代TT」という夢を絶つことと同義です。
2026年、自動車業界は「理想のEVシフト」から、生き残りをかけた「現実的なコストカット」へと大きく舵を切っており、「未来」とされたEVがまさかの「自分の首を絞める負の遺産」へと汎化しているというのがまさに現在の”皮肉な”状況となっています。
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知っておきたい関連知識:なぜノースボルトの破産が致命傷なのか?
全固体電池に近い高エネルギー密度を誇るノースボルトの電池は、車体の小さいスポーツカーに大容量バッテリーを積み込むための「生命線」。
汎用品では、ボクスターやTTのような俊敏な運動性能を維持しつつ、十分な航続距離を確保することが困難であり、このノースボルトのバッテリーは「必要不可欠なパズルのピース」でもあったわけですね。
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ポルシェと関係の深いスウェーデンのバッテリーメーカー「ノースボルト」が破産申請。同国では「史上最大」の倒産となりポルシェへの影響必至
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参照:Audi, etc.
















