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デ・トマソが放つ「究極のV12」の全貌。7リッター自然吸気、フェラーリF1エンジン設計者も開発に参加

デ・トマソが放つ「究極のV12」の全貌。7リッター自然吸気、フェラーリF1用エンジンの設計者も開発に参加

Image:De Tomaso

| 複雑なエキゾーストを脱ぎ捨てた真の姿が公開 |

この記事の要約

  • 排気量は7.0Lへ拡大: 当初発表の6.2Lから大幅アップ。NA(自然吸気)で900馬力を絞り出す
  • 驚異の10,200回転: F1黄金期を彷彿とさせる超高回転型ユニット
  • 徹底した軽量化: チタンとカーボンの多用により、エンジン単体重量は200kg以下
  • 伝説の設計者へのオマージュ: 90年代フェラーリF1のエンジン設計者、クラウディオ・ロンバルディ氏の哲学を継承

官能のV12サウンドが蘇る。デ・トマソ「P900」専用ユニットが公開

かつてパンテーラで世界を熱狂させた「デ・トマソ」が再び伝説を刻むべく再始動。

数々の苦難を乗り越え、今回サーキット専用モデル「P900」に搭載されるV12エンジンの詳細スペックとビジュアルが公開されています。

特筆すべきは、これまで「エイリアンのような迷宮」と称された複雑なエキゾーストシステムを取り払ったエンジン本来の造形美が強調されていることで、パウダーブルーのヘッドカバーにカーボン製のベロシティスタック(吸気ファンネル)がそそり立つ姿は、もはや芸術品の域といっていいのかも。

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なお、デ・トマソはこのエンジンについて以下のように語っており・・・。

「これはカタログスペックのためのエンジンではなく、ドライバーのためのエンジンだ」

あえて純粋な自然吸気V12に拘る彼らの姿勢は多くのエンスージアストの魂を揺さぶることになりそうです。

DeTomaso-V12 (2)

Image:De Tomaso

デ・トマソ P900 V12エンジン主要諸元(スペック)

項目スペック詳細
形式65度自然吸気V12
排気量7.0リットル
最高出力900 hp @ 約9,500 rpm
最高回転数(レッドライン)10,200 rpm
潤滑システム8ステージ・ドライサンプ
バルブ機構各バンクDOHC、1気筒あたり4チタンバルブ
駆動方式フルギアドライブ・カスケード
主な構造材ビレットアルミニウム、チタン、カーボンコンポーネント
エンジン単体重量200 kg 未満
DeTomaso-V12 (3)

Image:De Tomaso

これはもうなにか異形の生物だな・・・。デ・トマソP900の「V12エキゾーストシステム」の形状が自動車パーツとは思えないレベルに達する
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なぜこのエンジンは「特別」なのか?

1. F1のDNAを受け継ぐ設計

このエンジンはItalTecnicaのカルロ・カヴァニェーロ氏、そして伝説的なエンジンアーキテクト、クラウディオ・ロンバルディ氏の手によって開発されたと説明されていますが、ロンバルディ氏は、1990年代にフェラーリF1チームの技術部門を率い、あの官能的なV12サウンドを作り上げた人物です。※Tipo 036/037系、Tipo 040の設計を担当。その前はランチアにてグループBラリーカー(037、デルタS4など)の開発に携わる

2. オールドスクールとハイテクの融合

そしてこのV12ユニットは、現代のエンジンでは珍しい「カーボン製ベロシティスタック」を採用しています。

これは高回転域での吸気効率を最適化するための古典的な手法ですが、デ・トマソはこれを最新のカーボン技術で再構築。また、チェーンではなく「ギアドライブ」によるカム駆動を採用している点も、精密なバルブタイミングと圧倒的なレスポンスを追求した結果なのだそう。

3. ブランドの再生と信頼性

現オーナーのノーマン・チョイ氏率いるIdeal Team Ventures(いまのデ・トマソの運営元)は、2014年のデ・トマソ買収以来、紆余曲折を経てついに「P72」の生産開始、そしてこの「P900」プロジェクトの具現化に漕ぎ着けることに成功しています。

かつての法的な紛争を乗り越え、いまやデ・トマソは「ハイパーカー界の真のプレイヤー」としての地位を固めつつあるのかもしれません。


結論:電動化時代に抗う「最後の咆哮」

世界がEVシフトへと加速する中、あえて7.0LのNA V12をゼロから開発するというデ・トマソの選択は極めて贅沢で、そして勇敢な決断です。

10,200回転という超高回転域で奏でられるサウンドは数値上のスペック以上にドライバーの感性を刺激することは間違いなく、「効率」や「静粛性」が求められる現代において、P900はまさに「走る情熱」そのものという存在。

一方でデ・トマソは「(P72では)視覚的にもドライバーを刺激する」ことを念頭に置いてインテリアを設計しており、こちらはレトロで優雅なイメージを再現するなど、独特の手法が光ります。

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参照:De Tomaso

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