| 一方、欧州では頻繁に他社へと転職する例が多いようにも思えるが |
アメリカでは以外に「愛社精神」が強いのかも
さて、フォードが「新しいグローバルデザイン責任者にトッド・ウィリング氏が就任する」と発表。
同氏はアンソニー・ロー氏の後任としてその責を担うことになりますが、これまでには「GT」のデザインを担当しており、つまりは今後のフォードのデザインにはかなり期待が持てると考えていいのかもしれません(フォードに加えリンカーンのデザインも担当するそうだ)。
トッド・ウィリングはこんな人
フォードによると、トッド・ウィリング氏はメルボルンにあるフォードのオーストラリアデザインスタジオの職業体験プログラムの一環として(高校生の時に)フォードと関わりを持ち、その後オーストラリアのモナッシュ大学で工業デザインを学んだ後にフォードへと2003年に就職することに。
そしてフォードでは日本、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリアのデザインチームを率い、同ブランドの重要なモデルを承認してきたといいますが、2007年型モンデオ、2009年型フィエスタ、2010年型フォーカス、そして2017年型フォードGTのデザインを担当し、もちろんこのGTはその印象的なシルエットと洗練された空力特性により、彼の最大のヒット作の1つとして広く知られています。
直近では完全電動モデル専門部門であるフォード 「モデル e」にてグローバル デザイン ディレクターを務めていますが、同氏は順当に出世を重ねており、つまりフォードの取締役から高い評価を得ているものと考えていいのかも。
そしてフォードの経営陣が彼に期待するのは「世界規模で将来のフォードのスタイリング言語を作成するという役割で、戦略の変更を発表したフォードにとって重要な人物として後世に名を残すこととなりそうですね。
なお、欧州の自動車メーカー間ではかなり頻繁に「人の移り変わり」があるという印象を持っていますが、アメリカの場合は「入社以来ずっと」そこにとどまる例も珍しくはなく、GMではメアリー・バーラ会長兼CEOが「高卒で入った後の叩き上げ」、そして先日定年退職が発表された(史上5人しかいない)コルベットの開発主任、タッジ・ジュエクター氏も47年間継続して勤務してきた人物です。
こうやって見ると、アメリカと欧州の自動車メーカーではいくぶん労働環境や労働に対する意識が異なるようで、アメリカのほうが「愛社精神」が強いのかもしれませんね(もしかすると一部日本と似ているのかも)。
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