| なお、サウジアラムコは現在「世界最も時価総額の大きな企業」 |
現在テスラの時価総額はこの1/3だが、イーロン・マスクはサウジアラムコ超えを狙っている
さて、テスラはEVスタートアップとしては唯一成功した会社といっても良いかと思いますが、テスラを追う立場にあるリビアン、そしてルシードは早晩消えるんじゃないかとぼくは考えています。
その理由としては、リビアンはフォードF-150ライトニングやダッジ・ラムのEV版、GMCハマーEVに駆逐され、ルシードはメルセデスEQSやEQEにその居場所を奪われてしまうだろうと考えているわけですね(これらの展開があと2年くらい早ければ事情は変わっていたかも)。
ただ、そういった状況になったとしてもテスラは競争力を維持するだろうとも考えていて、それはテスラのブランド力が「絶大」だから(ほかに優れたスマートフォンが登場しようとも、優位性を発揮し続けるアップルのように)。
テスラのライバルは自動車メーカーではない
そして今回、テスラCEO、イーロン・マスクCEOが自身のツイッターにて語ったのは「テスラのライバルは既存自動車メーカーではなく、サウジアラムコ」。
サウジアラムコは1993年に設立されたサウジアラビアの国営石油会社であり、なぜテスラがこれをライバルとするのかについて、それは業務内容ではなく「時価総額」という点において。
サウジアラムコはつい最近、アップルを抜いて「世界で最も時価総額が大きな企業」となっており、現在その価値はなんと約2兆4300億ドル(日本円で約315兆円)。
一方のテスラは時価総額8000億ドルくらい(いっときは1兆ドルを超えた。日本円で100兆ちょっと)で、つまりサウジアラムコの1/3程度です。
ただ、それでもテスラは自動車業界だともっとも時価総額が大きく、その気になれば「どの自動車メーカーでも買える」だけの規模を持っているのは驚愕に値するところでもありますね。
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そしてイーロン・マスクCEOはこのサウジアラムコの時価総額を超えることを狙っているということになりますが、そのためにはもちろんEVの販売を押し上げるとともに、ソーラーパネル、ソーラールーフ、家庭用蓄電池(テスラ・パワーウォール)、業務用蓄電システム(テスラ・パワーパック)といったエネルギー事業についても展開を拡大することになるのは間違いなく、石油企業に「クリーンエナジー企業が挑む」という構造が出来上がり(これらの規模が大きくなると、もはやテスラは自動車メーカーを超えた存在になりそうだ)、もし実際に逆転できれば、これはひとつの歴史的快挙といっていいかもしれません。
テスラはベルリンのギガファクトリー拡充を検討中
テスラは常々自社について「問題は需要ではなく生産能力」だとコメントしており、実際にその受注残はどんどん積み上がり、生産がまったく追いついていない状態。
それを解消すべくつい先日にはドイツ・ベルリンの工場を稼働開始させたところですが、これはおよそ300ヘクタールの敷地を持ち、そこには自動車の組立工場、バッテリー製造工場が建設されています。
ただ、今回新たに、テスラがこのベルリン工場に隣接する100ヘクタールの土地に対し貨物駅、物流エリア、駐車場の増設を申請したと報じられており、このベルリン・ギガファクトリーの規模を段階的に拡大するもよう。
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もちろん現在ベルリン工場は稼働開始しているものの、今のところはまだ予定している1万2000人の従業員のうち3500人を採用したにとどまっているといい、既存の工場のままでもまだまだ稼働率を向上させる余地があるとされ、今回の新たな申請は「フル稼働に向けた準備」ということなのかもしれません。
ちなみにテスラは現在メインとなる中国・上海の工場についても拡大を決定しており、拡大が完了すれば年間45万台の生産能力をプラスすることができる、とも言われます。
一方でインド進出については断念することになったという報道もなされ、テスラは新工場を建設するよりは、既存工場を拡大することでひとまずは生産能力を拡充することにしたという可能性がありそうですね。
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参照:InsideEVs, Auto News