| もともとアメリカは「借金大国」だとは言われているが |
それにしてもここまで新車価格やローン支払い額が高騰してしまうとは
さて、アメリカでは自動車ローン残高の額が増え続けているという報道が何度かなされていますが、今回は「米国の自動車負債残高が1兆5600億ドルに達し、過去最高を更新した」とのこと。
この負債額増加については、インフレ、金利の上昇、新車不足による販売価格の高等、新車そのものの高度化・複雑化による価格の上昇など、複数の要因が重なったものだとされています。
新車の毎月のローン支払額は10.5万円、中古車だと7.5万円に
そしてこの新車価格の上昇に起因し、新車の月平均支払額は725ドル(現在の為替レートにて約105,000円)、中古車の月平均支払額は516ドル(約74,700円)にも達しており、さらには1万ドル(約14万円)を超える支払い例も少なくないといい、これは恐るべき傾向だと言えるかもしれません。
なお、これだけ高額なローン支払いになると「払えなくなる人」が当然ながら出てくることになり、先の報道では「取り立て会社に対する(債権回収の)依頼が増加しているとのことですが、CNNによると「この水準でもまだ歴史的なレベルではない」。
自動車ローンの新規延滞率についてだと、第1四半期の6.9%に対し、第2四半期では7.3%に達したことも報じられ、これは「コロナ前の水準よりも多い」とされています。
これでもリーマンショック時に比べると「余裕」があるようだ
そして恐ろしいのはこの「自動車ローンの新規延滞率」につき、2024年にはピークを迎え「10%にも達する」と見られていることで、つまりは10人に1人が自動車ローンを支払えなくなるということに。
もちろんこういった状況は2008年のリーマンショック、そしてその引き金となったサブプライムローンを連想させるものではありますが、あるアナリストは「リーマンショックの再来」だと述べ、またあるアナリストは「ソフトランディングすることになるだろう」という見解を示しており、つまりは「よくわからない」ということなのかもしれません(ただ、経済情勢の先行きを予測出来るとすれば、アナリストは皆億万長者である)。
なお、アメリカではインフレが大きな問題となっているものの、そのインフレのもととなる購買力の高まり、そしてその原動力となる所得の増加があるので「ローン支払い額が増えてもなんとかやりくりできる」状況がまだ多いのかもしれず、しかし日本の場合だと(多くを輸入に依存しているので)物価は上がるものの所得は上がらないという現実もあり、日本人にとって昨今の「新車価格の高騰」はかなりツラいということになりそうです(日本の購買力が相対的に大きく下がっている)。
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参照:Jalopnik