| 昔持ってた”懐かしの”タグホイヤーS/elを買い戻してみた |
タグホイヤーの腕時計、S/el(セル)を購入。
これは1987年に発売されたシリーズですが、現在は販売を終了しており、よって購入できるのは中古のみとなります。
この腕時計が現役だった頃はけっこう高価な部類の製品で、このクロノグラフだと20万円程度だったような記憶も。
なお、当時ぼくはこれとまったく同じものを購入したのですが、当時の20万円というとかなりキツかったはずで、「よくあの頃に20万円もの大金を腕時計に支払ったものだ」と改めて感心します。
その後お金に困って購入したS/elを売り払うことになるものの、今回また「買い戻した」ということになり、ちょっと感慨深いものも感じたり。
タグホイヤーはマクラーレンと密接な関係にあった
タグホイヤーの前身はエドゥアルト・ホイヤーによって1860年に設立され、その後1985年まで社名は「ホイヤー」。
その後いわゆるクォーツショックで経営難に陥り、ここでホイヤーに資金を注入したのがマクラーレンの大株主で共同経営者、マンスール・オジェ氏です。
このとき(1985年)に社名がマンスール・オジェ氏の経営する「TAGグループ」の名称を付与した「TAGホイヤー」に変わることになり、新しい体制のもとで発売されたのが「S/el」というわけですね。
なお、このS/el(スポーツ・アンド・エレガンスの意味)は当時大ヒットとなり多くのバリエーション展開がなされ、この「マット仕上げ」のほかにも「クローム」「ゴールド」やそれらとのコンビ、3針モデルやデジアナも登場(当時の”ジョジョ”、空条承太郎も身につけていた)。※バブルという特殊な時代背景、そしてこのS/elの持つエグさとが奇跡的なタイミングでマッチしたのだと思う
「アイルトン・セナ」モデルも発売されていますが、これは今でも中古市場で結構高値をつけていますね。
その後ホイヤーは1999年にルイ・ヴィトン率いるLVMHグループに買収され、現在のCEOはウブロ からやってきたジャン-クロード・ビバー氏となり、その後にヒット作となる「カレラ ホイヤー01」を発売していますが、それでもこの「S/el」のファンも多く、この独自のベルトデザインを再解釈した「リンク」シリーズも最近になり発売されています。
実際に身につけるとこんな感じ。
カドがなく丸いので衣類に引っかかることもなく、冬場など「長袖の」服を着たときに重宝しそう。
なお、冬場にはウブロ 、オーデマピゲ、ロレックスは(大きく角ばっていて袖先にひっかかったり、それで腕時計に傷がつくので)冬眠させることになりますが、その代わりに冬場に活躍するのがセイコー・アストロン、ブライトリング・ナビタイマー、シャネルJ12、そしてこのホイヤーS/el。
ちなみにこのS/elの加工品質は非常に高く、ブレスレットの各コマの遊びの小ささ、動きの滑らかさ、そしてコマ一つ一つの加工精度は「かなり」なもの。
ある意味ではホイヤーの技術力を示す、ひとつの最高傑作なのかもしれません。
バックル部の作りは、この時代の腕時計としてはかなり高いレベル。
この部分だけ見ると、同年代のロレックス(同時期に購入したロレックスGMTマスターⅡを持っている)よりも上。
具体的に言えば、同年代のロレックスは折りたたみ部に「プレス加工された板」を使用していますが、このタグホイヤーS/elは現在のロレックスのように「成形されたパーツ」を使用しています。
ムーブメントはクオーツなので、腕時計マニアに言わせると「大したことない」腕時計ということになりますが、ぼくとしては「大きな意味を持つ」腕時計でもあると考えていて、これもまた満足度の高い一本であるのは間違いありません。