
| ランボルギーニ・テメラリオのインテリアは「SF的」「有機的」そしてなによりも高級感と安心感が一気に向上 |
その価格上昇分を納得させるに十分な品質とデザイン、装備である
さて、引き続きランボルギーニ・テメラリオのインプレッション。
前回はエクステリアについてお届けしましたが、今回は「インテリア編」です。
外装については「これまでの”直線””平面”の組み合わせによる前衛的なデザインから、テメラリオでは”曲線””曲面”を用いた優雅なデザインを取り入れている」と紹介しましたが、内装においてもこれまでの”ベイビーランボ”、あるいはランボルギーニの文法からすこし踏み出した挑戦を行っているように思います。
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ランボルギーニ・テメラリオのインテリアはこんな感じ
まずは「ドア開口部」。
テメラリオではドア開口部をかなり小さくしているという印象で、開口部下部の前後、とくに後部が持ち上がっているもよう(もちろんボディ剛性を高めるためであると思われる)。
サイドシルも「高く」、そして「太い」ようですね。
内装全般的には「うねる」ような曲線と曲面が用いられていますが、ダッシュボードやセンターコンソールには「ボリューム」が持たされ、これが視覚的な安心感にもつながっているように思います。
ちなみにドアを(内側から)開くににはグリップを握って親指部分に相当するボタンを押すと「電動でロック解除」。
これはウラカンでは採用されていなかった機構でもあり、そして近年の(フェラーリも採用する)トレンドでもありますね。
ちなみにこの部分の形状はランザドールのインテリアの一部にも見られるもので、ランボルギーニのチーフデザイナー、ミッチャ・ボルカート氏の意向が強く現れている部分なのかもしれません(同氏は”宇宙船”を強く意識したデザインを行っており、それが随所に現れている)。※ボタン形状は「ちゃんと」ヘキサゴン
ある意味ではレトロなSF映画に出てくる「光線銃」のようにも。
ランボルギーニ・テメラリオのインテリアは「新世代のランボルギーニ」を体現
参考までにこちらはランザドールのインテリア。
たしかにディティール、そして全体の雰囲気ともによく似ているように思います。
なお、ミッチャ・ボルカート氏は「ウラカンEVO」以降のウラカン各モデル、そしてアヴェンタドールだとSVJ以降のデザインを担当しているものの、それらのベースとなるのは以前のチーフデザイナー、フィリッポ・ペリーニ氏の手によるもので、よって大きくそこから変更を行うことができなかったものと思われ、しかしレヴエルト、そしてテメラリオは完全に「ミッチャ・ボルカート氏のオリジナル」。
よってぞんぶんにミッチャ・ボルカート色が反映されていると考えてよく、さらにその傾向は(おそらくは様々な制約から開放された)フェノーメノにおいては一層顕著です。
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そしてテメラリオに話を戻すと、エクステリア同様、様々なラインが様々な手法によって複雑に組み合わせられているようですね。
ランボルギーニ・テメラリオのインテリアは「質感が大きく向上」
そしてメインのインフォテイメントディスプレイは「フロート」していますが、注目すべきはこの周辺がレザーによって覆われること(ウラカンだと、センターコンソールの殆どは樹脂パネルであった)。
そしてステアリングホイールのセンターパッドも「レザー巻き」に。※これもウラカンでは樹脂製であった
こういった部分での高級感が一気に向上することで、ウラカンからの「価格上昇」に対する納得性を高めているようにも思えます。
メーターはもちろんフル液晶。
ドアを開けた時に目に入る部分にすら「こだわり」が見えます。
ちなみにリバース用レバーやいくつかのスイッチはウラカンからのキャリーオーバー。
エンジンのスタート / ストップボタンにはおなじみのフラップ式カバー。
エイリアン(あるいはプレデター)の目と称されるセンターのエアコン吹き出し口。
なお、この「三角窓」によってフロントの視界を確保しており、これはガヤルドそしてウラカンから継承された美点でもありますね。
一方で後方視界が「絶望的」なのもガヤルド、そしてウラカンからの継承点。
こうやって見ると、新しい要素も多く見られるものの、ウラカンから継承されたパーツ、そしてデザインを踏襲したディティール、さらにはランボルギーニらしい「Y」「ヘキサゴン」が多用されることで「紛れもないランボルギーニ」といった印象。
さらには大幅な品質やデザイン性の向上によって大きく「車格がアップした」という印象もあり、ランボルギーニは「テメラリオは競合が存在しない、独自のポジションに存在するスーパーカーである」と主張することにも頷けます。
ランボルギーニ・テメラリオを見てきた際の動画はこちら
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