| 限定台数は12台、2021年に発表か |
英国Autocarが報じたところによると、ベントレーが「究極のスポーツツアラー」を計画しており、12台のみ限定にて、価格約2億1000円というプライスタグを掲げて発売する、とのこと(画像がEXP12スピード 6eコンセプト)。
現在はアストンマーティン、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンといったスポーツカーメーカーが「一台数億円」の限定車を発売するほか、ロールスロイスもワンオフにて「10億円以上」、ブガッティも20億円を超えるラ・ヴォワチュール・ノワールを顧客に販売しています。
つまり、ちょっと前の「ラ・フェラーリ、ポルシェ918スパイダー、マクラーレンP1」が1億円程度で販売されていた時代から、現代では数億円や10億円以上という価格帯に(限定モデルが)シフトしているということになりますね。
ベントレーは今後「エキゾチックを極める」戦略か
そしてベントレーもそこに乗っかろうということだと思われるものの、これまでは「超高額な限定モデル」を発売してこなかったベントレーがイキナリ「2億円オーバー」のクルマを発売する、というのはかなりのインパクト。
なお、ベントレーは今年「100周年」を迎えていますが、その記念の一環として、1920年代つまり「戦前に作られた」ベントレー4.5リッター・ブロワー(Bentley 4 1/2 Blowers) を復刻し販売する、と発表。
これは現存するブロワーを分解し、パーツをデジタルスキャンした後に再製作し、しかし製造にあたっては当時の製法と技術そのままを採用する、とも。
こちらも限定「12台」なので、ベントレーは12という数字になんらかの思い入れがあるのかもしれません。
ちなみにベントレーが「大きな丸いヘッドライト」にこだわるのは、このブロワーがルーツのようですね。
驚愕!ベントレーが1920年代の「ブロワー」を12台のみ、ほぼ100年ぶりに”追加”生産すると発表。さすがにこの年代のクルマの復刻は他に例がない
そして今回新たに報道された「究極のスポーツツアラー」ですが、これはオープントップ(というかルーフが存在しない)、そして2シーター、ルックスはEXP100GTコンセプトをイメージしたもにのになる、とされています。
ただ、これまでに発表されたオープンコンセプトであるEXP12スピード 6e、EXP100GTコンセプトと異なるのは、この新型スポーツツアラーは「ピュアエレクトリックでも、ハイブリッドでもなく、W12エンジンのみで走る」ということ。
ベントレーが「2035年モデル」を意識したEXP100GT発表。これが富裕層に向けた「我々が本当に作りたかったクルマ」だ
現在、ベントレーのいくつかのモデルには6リッターW12エンジンが採用されており、しかし新型スポーツツアラーでは626馬力という高出力をさらに引き上げてくる可能性もありそう。
そしてルーフを持たないということは「スピードスター」的なクルマになりそうですが、同様のクルマとしてはフェラーリ・モンツァSP1/SP2、マクラーレン・エルヴァが存在します。
「簡単な幌」を持つものだとポルシェ911スピードスターが記憶に新しく、今スポーツカー界において「スピードスター」はちょっとしたブームなのかも。
この理由については不明であるものの、裕福な顧客は、よりエキゾチックなクルマを(ほとんどのクルマはもう所有しているので)求めている、ということなのかもしれません。
ただ、ベントレーの考えるスピードスターは「軽量スパルタン」なクルマではなく、おそらくは「超高級、エレガントなスポーツツアラー」。
このコンセプトはベントレー以外ではマッチせず、ベントレーが高い競争力を発揮できるところでもありますね。
一部では「ガソリンエンジン回帰」も
そして最近思うのが、「ガソリンエンジンを見直すメーカーがチラホラ」。
たとえばポルシェは「ピュアエレクトリック」として計画を進めていた918スパイダー後継を「V6ターボ+ハイブリッド」にスイッチする可能性が報じられていますが、これについては「まだバッテリー技術が発展途上」であり完全にエレクトリック化へと舵を切れないことや、そのうち「嫌でもエレクトリックカーしか発売できない」未来がやってくる可能性があり、であれば今可能なうちに、(ハイブリッドであっても)記念碑的なガソリンエンジン車を発売しておこう、ということなのかもしれません。
ポルシェ「F1用エンジンを新型ハイパーカーに積むかもしれん」「え?」「実は今までF1用V6ハイブリッドターボを開発していたのだ」
VIA: Autocar