| TVRにインスパイアされ、よく似たパッケージングとコンポーネントを持っている |
TVRにインスパイアされたというスーパーカー、「レジェンド480」が登場。
いったいどこのメーカーなん?という疑問がわきますが、設計や製造を行うのはマルホランドグループで、F1やWRCなどに参戦するレーシングカー向けのコンポーネントを制作する会社。
よって、一般人がそのコンポーネント(製品)を目にする機会はほぼなく、よって知名度もゼロ(モータースポーツ界でどれくらいのポジションなのかはわからない。ほぼ検索にも出てこない)。
新生TVRグリフィスは「新たなる伝説」となるはずだった
このレジェンド480はマルホランドグループにとってもはじめての完成車そして市販車となる見込みですが、同社の製造によるカーボン製シャシーを採用し、エンジンはコスワース製の5リッターV8/480馬力、そしてトランスミッションは6速マニュアル、駆動輪は後輪のみ。
0-100km/h加速は4秒以下、最高速は322km/hというスペックを持ち、しかし出力の割にそこまで加速が速くないのは「MTだから(変速に時間がかかる)」だと思われます。
なお、TVRグリフィスは2017年に発表され、何度か「今にも生産が開始される」と言われながらも一向にデリバリーが始まらない”ブリティッシュ・マッスル”。
シャシーはマクラーレンF1の設計者、ゴードン・マレー氏の手による「iStream(カーボンとスチールとのコンポジット)」、エンジンはコスワース製の5リッターV8(500馬力)、トランスミッションはレース用のシーケンシャル、そして0-100km/h加速4秒以下、最高速は321km/hという魅力的なスペックを持っています。
よって今回のレジェンド480はこれに近いパッケージングそしてスペックを持つ、と言えそうですね。
なお、TVRグリフィスが発表から3年経っても発売されないのは「規制のため」とも「ブリグジットの影響」とも言われ、しかし実際のところは「カネがない」のだと思われます。
TVRはあちこちの親会社を渡り歩き、しかしようやく(そのルーツでもある)英国の会社へと身を寄せることになり、ゴードン・マレーやコスワースという「オールブリティッシュ」での復活が期待されただけに非常に残念。
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レジェンド480はなかなかに魅力的な外観を持っている
そして今回のレジェンド480ですが、見た目はかなりユニーク。
なめらかで大胆、かつシンプルなボディラインを持ち、未来的ともレトロとも思えるデザインを持っています。
マルホランド・グループの設立者であるグラハム・マルホランド氏によると、「TVRは本当に素晴らしい車で、ずば抜けたドライビングエクスペリエンスを持つスポーツカーになるはずだった」(もうTVRが発売されないかのような語り口でもある)。
そしてこのレジェンド480は「我々にとって最初の、そしてフォーミュラカーの技術をフィードバックさせたクルマでもあり、最新のマニュファクチャリング、ノウハウ、品質を反映させることで、オーナーには大きな満足感を与えることだろう」と語っています(つまりは市販する気マンマン)。
現時点ではレジェンド480について出力や加速性能、最高速以外のスペックは語られておらず、価格や発売時期などもナゾのまま。
世の中には多数の振興スーパーカー/ハイパーカーメーカー、そしてEVメーカーが名乗りを上げていますが、実際に発売にまでこぎつけるのはごく一部しかなく、それだけ「自動車を作る」のはとてつもなく難しい仕事だということもわかります。
その意味では、パガーニやケーニグセグの成功が「神話」だと言われるのにも納得がゆき、なんだかんだ言われながらもテスラの成し遂げたことがいかに偉大であるかもわかりますね。
参照: Mulholland Group, EVO