| GMA T.50に搭載されるエンジンは4リッター自然吸気V12、レブリミットは12,100回転である |
おそらくは自動車史に残る「もっとも優れたエンジン」のひとつとなるだろう
さて、マクラーレンF1の設計者であるゴードン・マレー率いるGMA(ゴードン・マレー・オートモーティブ)は現在ハイパーカー「T.50」のサーキット走行専用モデル、”ニキ・ラウダ”を開発中。
そしてその様子については随時公式Youtubeへと公開されることとなっていますが、今回は「V12エンジンを実際に限界まで回し、絶叫させる動画」を公開しています、
-
ゴードン・マレーがT.50のサーキット仕様「ニキ・ラウダ」開発の舞台裏を語る。T.50を名乗るものの、中身は全く別のクルマであるようだ【動画】
| T.50 ニキ・ラウダの限定台数は25台、1台6億円オーバーなるもすべて完売済みと思われる | 中古市場ではマクラーレンF1を超える価値を誇ることになる可能性もありそうだ さて、ゴードン・マレーは ...
続きを見る
そのサウンドはまさにV12エンジンを搭載するF1マシンそのもの
このマクラーレン T.50 ニキ・ラウダに搭載されるエンジンはコスワースの設計による4リッターV12(レブリミットは12,100回転)で、その出力は当初の計画である715馬力を超える761馬力(圧縮比を15.0:1に高めることによって実現)。
今回の動画では、コスワースのファクトリーにてエンジンをベンチに固定し、しかし実際の使用環境を想定した状況でエンジンを回しているのですが、その想定する環境とはル・マン24時間レースの舞台となるサルト・サーキットです。
そしてこのサルト・サーキットをアタックするという状況をシミュレートしており、よってコースの位置によって当然ながらシフトアップ/シフトダウンがなされ、その都度回転数とサウンドが変化します。
そのサウンドたるや、文字通りニキ・ラウダがドライブしたV12エンジンを搭載するF1マシンそのものといっても過言ではなく、動画ではそれをみっちり楽しめる内容となっているわけですね。
参考までに、ゴードン・マレーはこのGMA T.50 ニキ・ラウダにつき、1995年のル・マン24時間レースにて圧倒的な勝利を収めたマクラーレンF1 GTRよりも「サルト・サーキットを速く走れる」と豪語しており、これはマクラーレンF1 GTRを設計した本人が言うので、誇張でもなんでもなく「単なる事実」なのだと思われます。
ただ、サルト・サーキットは改修を受けて1995年から少しレイアウトが変わっており(たとえばダンロップ ブリッジとエセスの間にあった、かつての直線など)、よってマクラーレンF1 GTRが予選で記録したラップタイム、3:58.470との単純な比較はできないかもしれません。
なお、このGMA T.50は公道走行可能な通常版T.50をベースにしているといえど、単に「パワーアップして軽量化して足回りを固めた」だけのクルマではなく、むしろT.50のいくつかのコンポーネントを借りて再設計がなされたレーシングカーだと表現したほうが正しいという内容を持っており、フォーミュラ1スタイルのカーボンブレーキ、完全に新しく設計されたシリンダー ヘッド、12個の独立スロットルボディとダイレクトオーバーヘッド・インジェクションなどを備え、サスペンションアームも(アルミニウム製から剛性の高いスチール製へ)変更されるなど、多数のアップグレードが盛り込まれます。
もちろんT.50譲りの「(グラウンドエフェクトを最大化するための)ファン」も内蔵されており、この「ニキ・ラウダ」という名称は1978 年のスウェーデン グランプリにてブラバムBT46B”ファンカー”をドライブし優勝したニキ・ラウダへの敬意を込めたもの。
T.50 ニキ・ラウダのデビューは(ゴードン・マレーいわく)「もうすぐ」だそうですが、どういった場でどのようなデビューを飾るのかには注目が集まるところです。
GMA T.50 ニキ・ラウダがサルト・サーキットを(シミュレーション上で)走る動画はこちら
合わせて読みたい、GMA T.50関連投稿
-
GMA T.33でATを選んだのは200人のうち3〜4人だった!ゴードン・マレー「開発費のモトが取れないのでATを廃止します。AT導入は愚かな考えでした」
| フタを開けたらMTの注文が全然ないという話はよく聞くが、GMA T.33ではまったくの逆だった | それにしてもここまでATに興味を示さないユーザー層も珍しい さて、マクラーレンF1の設計者、ゴー ...
続きを見る
-
ゴードン・マレーT.50s ニキ・ラウダ開発続報。低速域を捨て去ったセットアップにて「マクラーレンF1 GTRよりも速く走ることができるだろう」【動画】
| ボディパネルは薄肉化、塗料の重量を嫌い塗装ではなく「ラッピング」を選択 | ドアミラーにすらエアカーテンを採用しエアロダイナミクスを最適化 さて、先日T.50s ニキ・ラウダの最初のプロトタイプの ...
続きを見る
-
ゴードン・マレー自らがT.50を走らせ、出荷前の最終GOサインを出す様子が動画にて。「マクラーレンF1をすべての面で凌駕するという目標が達成できました」
| このクルマの真価はエンジン回転数をレッドゾーンにまで引き上げてはじめて理解ができるようだ | ただしドライバー・アシストは一切ナシ、運転にはご注意を さて、ゴードン・マレーは自身の自動車メーカー、 ...
続きを見る