| 中古市場に出てくることは非常に稀 |
生産台数わずか53台、超レアなジャガーXJR-15が中古市場に登場。
ジャガーXJRの生産は1990-1992年で、登録可能な市販車ではあるものの、もともとはレース用車両としての開発となります(そのため”R”品番が付与されている)。
ベースは”シルクカット・ジャガー”で有名なジャガーXJR-9ですが、これもル・マンなどに参戦していた純然たるレーシングカー(プロトタイプ)ですね。
ジャガーXJR-15とは?
エンジンもやはりXJR-9の6リッターV12で、しかしロードユース向けにデチューンされて450馬力に。
同時期に発売されたジャガーXJ220(こちらは当初から公道走行を考えていたので”R”はつかない)のエンジンがV6ということもあり、XJ220をフラッグシップに仕立て上げたかったジャガーの意図とは裏腹に、このXJR-15のほうが人気化してしまう、という結果となっています。
なお、ジャガーXJR-15は「ジャガー」と名がつくものの、実際の販売や製造はトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR/ジャガーのレーシングカーを制作していた)。
つまりジャガー本家とは「競合」する形となってしまい、これが原因で(ジャガーXJ220よりハードな車を売ってしまい、ジャガーのメンツを潰してしまった)ジャガーとTWRは提携を解消するハメに至ったとも言われています。※最高速自体はXJ220のほうが321キロと高い。XJR-15の最高速は307km/h)
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今回の個体はドイツにて初回の登録がなされ、現在に至るまで走行わずか965キロ。
その後2008年にイギリスへと輸入され、6年かけてレストアを受けることになりますが、その際にはサスペンションのアップデート、もちろん駆動系のリビルトやボディの補修も行われ、その際の費用は約1500万円。
なおボディカラーはモーリシャス・ブルー、ナンバープレートは「XJR 1S」。
オーナーズマニュアル、登録時の書類も完備している、とのこと。
その内容はほぼレーシングカー
なお内装は完全に「レーシングカー」。
XJR-15は一応「市販車」で、そして市販車初のカーボンモノコックフレームを採用した車だと言われていますね。
ヘッドホンが見えますが、これは車内の騒音が大きすぎ、ヘッドホンとマイクを通じてしか助手席の人と会話ができないため(軍用ヘリコプターみたい)。
そのほかレーシングカー的な部分は多々あり、ベースがレーシングカーだけあって「時速100キロ以上で走行しないと水温がすぐに100度を超える」などの問題が指摘されていて、「絶対に街乗りはできない」車だと言えそうです。
なお日本には1台が輸入され、エボリューションモデルのXJR-15”LM”(7.4リッターV12、760馬力)も数台存在する、と言われていますね。
VIA:DD Classics
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1990年から1992年の間に53台のみが製造されたジャガーXJR-15が中古車として販売中(約5700万円)。
これはワンメイクレース(ジャガー・インターコンチネンタル・チャレンジ)用に製造された車両だそうですが、多くは中東のコレクターに購入され、なかなか表に出てくることは無い模様。
ワンメイクレース自体はモナコ、イギリス、ベルギーと開催されており、現在のジャガーからは「当時ワンメイクレースを開催していた」というのはにわかに信じがたい現実ではありますね。
なおレーシングカー用の品番「XJ"R"」が付与されているものの、公道走行も可能とのことで、同時期に発売されたXJ220と被ることも多い車でもあります。
エンジンは6リッターV12で450馬力で、XJ220がV6エンジン(ただしツインターボ)だったこともあり、当時XJ220よりも話題にのぼることが多かったようにも記憶。
パフォーマンスとしては0-100キロ加速3.9秒、トップスピードは時速307キロ(ジャガーXJ220のほうは時速321キロで当時は世界最速だった)。
シャシーナンバーは021、エンジンナンバーは026。
ボディカラーはティール・ブルー、内装はグレー。
シャシー構造はカーボンファイバー製とのことですが、当時は「カーボンファイバーで作られた最初のロードカー」であった、とのこと。
XJ220もそうですが、ジャガーはかつてこういった車を作っていたことがあり、もう一度こういったスーパーカーを登場させて欲しい、と思います。