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ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したジャガーI-Pace。トラブル続出、それによって販売が激減、生産済み車両がスクラップにされるという悲劇的な終焉が涙なしには語れない

ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したジャガーI-Pace。トラブル続出、それによって販売が激減、生産済み車両がスクラップにされるという悲劇的な終焉が涙なしには語れない

| 2019年の栄光から一転、リコールとトラブル続出によって「ジャガーのお荷物」に |

I-Paceの存在はジャガーの汚点として歴史に刻まれることになるだろう

さて、ジャガーは他ライバルに先駆けてピュアエレクトリックカー(EV)であるI-Paceを発売していますが、今回なんと大量のI-Paceがスクラップにされるために「待機」している動画が公開され大きな衝撃を与えることに。

参考までに、ジャガーI-Paceはその革新的なボディスタイル、数々の先進装備によって2019年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(World Car of the Year)を獲得したクルマではあるもの、その偉業と「スクラップ」という対比があまりに大きく、その凋落ぶりには涙を禁じ得ないといったところです。

ジャガー I-Paceは「世界を変える」はずであったが

上述の通りジャガー I-Paceは2019年のワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(World Car of the Year)を受賞した電動クロスオーバーで、欧州のライバルよりも早く市場に投入された先駆的なモデルもあり、イアン・カラムによる洗練されたデザインと先行者利益によって成功が約束されたかのように思われた存在です。

しかし現実は非常に厳しく、販売は期待ほど伸びず、さらにリコール(バッテリー関係のみで最低5回)や信頼性問題、火災事故が相次いだためにI-Pace は悪評を集めることになってしまい、アメリカや欧州では「納車済み車両を買い戻す」というプログラムが実施されるまでに「落ちぶれる」ことに。

そしてこういった一連の問題に対するディーラーの姿勢も批判されていて、これがさらに他のジャガーのクルマの販売を引き下げ、ブランドイメージを失墜させてしまったとも言われているのですが、今回Xへと公開された画像はあまりに衝撃的で、これらは「いったん納車されたものの、トラブル続出で使用に適さず、ジャガーが引き取った車両たち」であると推測されます。

古いクルマであればいざ知らず、比較的新しいクルマがこういった目に遭うのを見るのは悲しいことではありますが、変わりゆく時代の過渡期に生まれたものの宿命なのかもしれません。

ジャガー I-paceの問題は「バッテリー」であった

なお、ジャガーI-Paceの最大の問題は「バッテリー」にあり、このLG製のバッテリーは熱暴走しやすく、火災を引き起こす可能性があると指摘されています。

ジャガーはソフトウェア修正や診断機能の強化を試みたものの、最終的には対応を諦めてしまい、そこで複数の国では買い戻しを実施する決断を下すこととなったわけですね。

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ただ、ちょっと興味を惹かれるのは、これだけEV固有の問題に悩まされつつも、ジャガーがいまだEVに固執していること。

実際のところ、衝撃的なティーザーキャンペーンとともにデビューした「タイプ00」はEVであり(あのティーザー動画は、ある意味でそれまでのジャガーのイメージを打ち消すための「劇薬」だったのかもしれない)、今なおジャガーは「EVメーカー」になろうとしているわけですね。

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現時点ではバッテリー制御について各自動車メーカーも苦労しており、その中でジャガーが「問題を解決した」とは考えにくいのですが、なんらかの策がジャガーにはあるのかもしれません。

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