| なぜ放置されていたのか、なぜ発見されたのかは謎のまま |
ロンドンにて納車された、「レストア済みの」ジャガーE-Type シリーズ1 3.8FHCが話題に(画像はレストア前)。
このジャガーFタイプはロンドンの南東に位置する不使用ガレージから見つかったもので、記録によれば、なんと1979年からずっとそこに置かれていた、とのこと。
つまりは40年以上もずっと動かずに保存されており、なぜそうなったのか、なぜ発見されることになったのか、どうやって今のオーナーへと所有権を移動させたのかは残念ながら非公開です。
40年間不動であったクルマをレストアするのは容易な作業ではない
なお、発見された際の外観は「悪くない(一番上の画像)」。
しかしながらレストアを行おうと各パーツを外してゆくと、さすがに40年分の劣化が現実として突きつけられることになり、「錆びて固着」した部分も多数。
なお、ここまで分解するのにかかったのは「3日(けっこう速いと思う)」。
ランプ類やメッキパーツは思いのほか美しい状態を保っています。
カーペットに覆われていたセンタートンネルにも結構サビが見られます。
スペースフレームにもダメージが見られるようですね。
ハブはけっこうきれいですが、ショックアブソーバーやスプリングは今にも崩れ落ちそう。
そしてこちらはサビを落として穴を埋め、サフェーサーを吹いた状態。
錆びたパネルを切り取っては新しいパネルを溶接し、その過程において補強を加え、オリジナルよりも剛性を向上させている、とのこと。
ボディカラーはもともとのオリジナルと同様の「オパールセントシルバーブルー」。
文字通り、ブルーっぽいシルバーにオパールのエフェクトをかけたものです。
塗装が完成した状態。
エンジンは3.8リッター6気筒(XK6エンジン)で、もちろん完全にレストアされており、バランス取りされた軽量クランクシャフトが組み込まれることに。
これらは扱いやすさやドライバビリティを考慮したもので、ラジエターはアルミ製に、エキゾーストシステムはステンレス製へとアップグレードされています。
ちなみにブレーキやサスペンションも改良されているとのことで、新しいオーナーは「実際に走る」ことを想定してレストアを行ったのだということもわかりますね。
インテリアは「オックスブラッド・レッド」。
レザー、パネル等のパーツも新品へと交換、もしくはリビルトされています。
こちらが完成した状態の外観。
基本的にはオリジナルに沿ったものですが、当時12台のみが製造されたジャガーE-Typeライトウエイトにインスパイアされた「レッドのボンネットマウス」が装着されています。
ただ、これは「ラッピング」なので、いつでも剥がせるようですね。
今回レストアを担当したのは英国の「「E-Type UK」。
その名の通りジャガーE-Typeのレストアやアップグレードを専門に行うショップだそうですが、さすがに40年間動かしていないクルマのレストアは未経験。
同社の設立者であるマーカス・ホーランド氏によれば、「今回のレストアは我々にとって大きなチャレンジだった。40年間クルマを動かさないでいると、どんな小さなパーツにも影響が及ぶことになる。だが、こうやってまた、英国の自動車の歴史の一部であるEタイプを路上に戻すことができるのは、この上ない喜びだ」とのこと。
VIA:Etype UK