| マクラーレンはなぜブルース・マクラーレンのチーム創設をあまり祝いたがらないのか |
せっかくなのでその伝統をもっと前面に押し出してはと思うが
さて、マクラーレン創業者、ブルース・マクラーレンが自身の名を冠したチーム、「ブルース・マクラーレン・モーターレーシング」を設立してから今年で60周年。
ただしマクラーレンはちょっとややこしい歴史というかグループ構成を持っていて、創業者のブルース・マクラーレンは1963年にチームを創立した7年後の1970年に事故死を遂げており、その際チームはテディ・メイヤーへと引き継がれることに。
マクラーレンの市販車はマクラーレン・カーズにルーツを持っている
その後もチームとしてのマクラーレンが存続するものの、どこかの時点(おそらくは80年代)で中東の投資グループがその権力を握ってしまい、そこからさまざまな事業展開がなされることになるのですが、市販車部門として1985年に設立された「マクラーレン・カーズ」で、ここからは1992年にかの「マクラーレンF1」が発売されています。
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ただしこのマクラーレン・カーズはこのF1を発売したのみで休眠状態に入り、2010年に「マクラーレン・オートモーティブ」として生まれ変わり、「MP4-12C」を皮切りとして2014年に650S、675LT、570S、540C、570GT、そしてP1といったハイパーカーを発売し、さらに続いて720S、GT、セナ、エルバ、スピードテール、さらに最近ではハイブリッドスポーツ「アルトゥーラ」も発表済み。
なお、ポルシェは今年「スポーツカー誕生70周年」を祝っており、フェラーリも昨年は創業「75周年」、ランボルギーニも今年に創業60周年を記念してさまざまなイベントを行っているのですが、マクラーレン・オートモーティブはこれまで「マクラーレン創立記念」として何かを祝ったことはないように記憶しており、祝ったことがあるとすれば「ル・マン24時間レース優勝記念」。
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その(創立を記念しない)理由は定かではないものの、現在のマクラーレンは創立者であるブルース・マクラーレンの手を離れてから長い時間が経過し、かつブルース・マクラーレンがそもそも市販車に関与しなかったためなのかもしれません。
さらにマクラーレンそのものは創業者一族と資本的な関連性が(おそらく)失われていたようで、しかし最近になってマクラーレンは「ブルース・マクラーレンの娘」を雇い入れるなどブルース・マクラーレンをヘリテージとして活用する方向を見せているようにも感じられ、しかしそれでも「創業記念」については何もなされないまま、というのが実情です。
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ただしTUMI(トゥミ)がかわりにマクラーレン60周年記念を祝う
しかしながら今回TUMI(トゥミ)が発表したのがマクラーレンの創業60周年を記念した新しい限定コレクション。
このコレクションは、にはマクラーレンのシグネチャーカラーでもあるパパイヤオレンジが使用されていることが特徴で、「エアロ」インターナショナル・エクスパンダブル・4ウィール・キャリーオン(294,800円)、「トルク」スリング(99,000円)、「リーメックス」アクセサリー・キット(60,500円)、「ヴェロシティ」バックパック(179,800円)といったモデルにて構成されています。
このほか(オレンジではなく)ブラックをベースとしたモデルもいくつかラインアップされており、幅広い層にアピールできるラインアップを持つもよう。
マクラーレン・オートモーティブのチーフデザイナーであるゴラン・オズボルト氏によれば「私はずっと、TUMIとともに、コアコレクションとカーボンファイバーコレクションに加え、マクラーレンの60周年を記念した特注カプセルエディションを作りたいと考えていました。今回発売するこの豪華なトラベルピース・コレクションは、未来を見つめ、限界を押し広げ、両社の理念を反映したモダンなデザイン言語と楽な機能性をマッチさせるという、創業者ブルース・マクラーレンの情熱も称えています」。
そしてマクラーレンはこのTUMIとのコラボレーション製品を幅広く訴求することを狙っており、今回の60周年記念コレクションの発表に加え、年間を通じてF1レースグランプリでの展示、さらにプレゼント企画、インフルエンサーを起用した販促などを予定していると報じられています。※現時点ではなぜかランド・ノリスしか公式フォトに起用されていない
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参照:TUMI