| なんでもいいからEVとバッテリーを作ればいいというわけではないことがこれで判明 |
ミニは今までやることなすことがほぼ全てが裏目に出ている
さて、かねてよりミニの次世代エレクトリックモデルはイギリスのオックスフォード工場では生産されず中国生産になると言われてきましたが、今回それがついに決定し、「ハッチバック」「(ブランニューモデルの)エースマン」は中国にある長城汽車との合弁工場にて生産されるというウワサが出ています。
反面、クロスオーバーのエレクトリックモデルはドイツのライプツィヒ工場にて生産されるといい、こちらはBMWと車体含む多くをを共有するということを意味するのかもしれません。
そうなるとオックスフォード工場は(ミニクーパーS E、クロスオーバーPHEVの生産を終了させたのち)全くエレクトリックモデルを生産しないということになるので、2030年以降になれば(ガソリン車の販売ができなくなることを鑑みると)この工場では何も製造できなくなってしまうということになり、そこで長城汽車がこのオックスフォード工場を買い取り、ここでもエレクトリックモデルを生産するというウワサまでもが囁かれているもよう。
結局事実はまだ揺れ動いているまま?
ただ、ミニの新しいトップであるシュテファニー・ヴルスト氏は、これらの噂を否定しており、「オックスフォード工場は常にミニの故郷であり続ける」と宣言し、オックスフォード工場でのEV(ミニクーパーS E / クロスオーバーPHEV)生産停止は、ブリグジットとも、それによる英国とEUの国境を越えた摩擦とも関係なく行われるとコメントしています。
ではなぜオックスフォード工場ではエレクトリックモデルの生産を行わないのかというと、内燃機関(ガソリン / ディーゼル)と電気自動車とを同じラインで生産することが非効率的だから。
加えてシュテファニー・ヴルスト氏は「オックスフォード工場は電気自動車に十分に対応できておらず、改修と投資が必要」だとも述べており、もしこのオックスフォード工場にてミニのエレクトリックモデルを生産する時が来るとすれば、BMWの中国におけるパートナーである長城汽車が開発したプラットフォームを製造する時になるだろうと述べています。
その場合には、ミニだけではなく「Wey」や「Ora」キャットシリーズなど、長城汽車ブランドのクルマも生産するであろう可能性についても触れていますが、これは「長城汽車が欧州において、自社ブランドの電気自動車を販売したい」という意向を示す事実だと考えていいのかも。
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そしてひとたびオックスフォード工場にてEVの生産を行うとなれば、現在のガソリン / ディーゼル用の生産設備はすべて取り払われることになりますが、これはメルセデス・ベンツやベントレーが進めている「工場トランスフォーム」と同様でもありますね。
ミニは2024年にラインナップの再編成を行う
なお、ミニは2024年にそのラインナップの再編成を行うとしており、来年までには現在年間4万台のEV / PHEVを生産しているオックスフォード工場での(EV / PHEVの)生産を停止することになりますが、その時点でハッチバックとエースマンは中国生産のEVに、クロスオーバーはBMWの工場で生産されるEVもしくはPHEVへと生まれ変わるのかもしれません。※オックスフォード工場では、EV / PHEVの生産終了後、米国、日本、中東などの市場に輸出するガソリン車の3ドアおよび5ドアのミニとコンバーチブルの組み立てを継続する予定であり、2030年代までその生産が継続される見込み
実際のところ、中国にてエレクトリックミニの試作車が目撃されており、その完成度はかなり高いように見えるので、こちらは「発表目前」という可能性もありそうですね。
ちなみにですが、イギリスが目指した「EV生産、バッテリー生産の一大拠点になる」という計画は大きく頓挫しており、まずは政府が出資して進めていたダイソンのEVプロジェクトは白紙撤回。
そしてわずか1年前、当時のボリス・ジョンソン首相はグラスゴーで開催されたCop26気候変動サミットで、英国で「10億ポンドの電気自動車革命を起こし数十万人の雇用を生み出す」資金を提供すると約束したほか、前任のテリーザ・メイ氏は、イギリスが電気自動車製造の「世界的リーダー」になることを意図し、それは短期間で終了した彼女の産業戦略の「柱」のひとつでもあったものの、その拠点として「電気の街」となるはずだった英国ノーサンバーランドではいっこうに工場誘致が進まず、本命とされたブリティッシュボルトの英国最大となるバッテリー工場も「2億ポンドの救済措置を受けなければ破綻する」との報道がなされています。
ちなみに辞意を表明したリズ・トラス首相は「電化自動車産業は、英国がより良いものを取り戻すための中心的存在になる」とコメントしていますが、これも果たせないままその座を去ることになり、英国におけるEV生産は「まったくの見込み違い」に終わるのかもしれません。
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参照:The Times