| 結果的には現在のミニの原型となるフランク・ステファンソンのデザインが採用される |
もしこの姿で市販されれば、それはそれで面白いことになっていたとは思う
さて、現在の「ミニ」はBMWが(1994年に)ローバーグループを買収したことによってBMW傘下の一ブランドとなっていますが、当時のBMWがミニブランドをリブートするにあたって考えたのが「象徴的な初代ミニに代わる魅力的な小型車」の発売。
これを実現するためにいくつかのデザイン案が製作されることになるものの、今回BMWは「ボツ案」となったミニのデザインを公開しており、それがあまりに衝撃的であるとしてぼくの中で話題に。
結果的に「異なる」デザインが採用されることになったが
上述のとおりこのデザイン案は「ボツ」となったもので、実際に採用されたのは(マクラーレンP1などのデザインで知られる)フランク・ステファンソン案。
フランク・ステファンソン案では「スポーティなプレミアム・カー」が表現されており、結果的にこれがR50として発売され、その後のR56、F56、そして次世代ミニもこのフランク・ステファンソン案をベースとしています。
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そして今回のボツ案を作ったのは誰かというと、それは現在BMWグループでデザイン上級副社長を務めるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏。
このボツ案の正式名称は「ミニ コンセプト ACV 30」といい、ACV 30とは「アニバーサリー・コンセプト・ヴィークル」を指しています。
そしておそらく、「30」という数字は1964年に初代ミニクーパーがモンテカルロ・ラリーに参戦してからの30年周年をイメージしているのだと思われますが、たしかにそのイメージは「モータースポーツに近い」ようにも。
このミニ コンセプト ACV 30のデザインがなぜ不採用になったのかは定かではありませんが、BMWは「スポーツ路線」よりも「プレミアム路線」、かつレトロさを重視したためなんじゃないかとも考えています。
一方でミニ コンセプト ACV 30はレトロさを残しながらも未来に向かっているという印象もあり、これは当時流行っていた「レトロフューチャー」を意識したのかもしれません(オースチンなど、昔の英国車っぽい雰囲気も感じられる)。
前後フェンダーは大きく盛り上がってタイヤとホイールはボディの四隅に押しやられ、いかにも安定性が高そうといった印象も。
ドアミラー、ドアハンドル、給油口については金属質なパーツが与えられており、ここも「レトロフューチャー」を感じさせるところでもあり、一方で六角形のグリルは「ミニそのもの」で、4連フォグランプは強くラリーを意識させます。
なお、このミニ コンセプト ACV 30で興味深いのはMG Fのシャシーを利用したということで、つまり「ミドシップ後輪駆動」。
ミニは初代から現代に至るまですべからくフロントエンジン、そして前輪駆動を基本レイアウトとしていますが(4WDモデルも存在するが基本はやはりFF)、2014-2015年あたりには「ミニ・スーパーレッジェーラ(下の画像)」を発売する可能性があるとも報じられていて、ミニはしばらく後輪駆動化のタイミングを探っていたのかもしれません(ミニ・スーパーレッジェーラの駆動方式は不明だが、エンジンはフロントに積まれると言われていた)。
そしてこちらはミニ コンセプト ACV 30のインテリア。
シンプルでミニマルな構造を持っていますが、アルカンターラの使用やバケットシート、ロールバーを連想させるセンターコンソール付近など、強くモータースポーツを意識しているということがわかります。
トランスミッションにはマニュアルが選択され・・・。
メーター盤面にはスポーティーなグラフィック。
もしもこのミニ コンセプト ACV 30が「市販モデル」として選択されていたならば、ミニは「スポーティーでモータースポーツとの関連性が深いブランド」として展開されていた可能性もあり、それはそれで面白い状況であったのかもしれません。
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