| ファントム・オリベに使用されたエルメスのレザー面積を考えると、カスタム費用はとんでもない額にのぼりそうだ |
さて、日本が世界に誇るスーパーカー/ハイパーカーコレクターというと前澤友作氏。
今回、同氏がロールスロイスそしてエルメスに発注して特別に製作したワンオフモデル「ファントム・オリベ(織部)」が公開されています。
なお、この「織部」とは前澤友作氏が所有する日本の古陶器コレクション「織部焼」を指しますが、これは1600年代はじめ(安土桃山時代)に美濃地方にて作られた作品を指し、その中でも特に有名な緑色の”青織部”をイメージして制作された、とのこと。
前澤友作氏は芸術分野にも造詣が深い
前澤友作氏は世界に3台しか存在しないと言われるブガッティ・ヴェイロン・エルメスを所有していることでも知られていますが、同時に芸術分野にも精通していることでも有名です。
そんな同氏ゆえ、ハイパーカーのオーダー時にもこだわりを発揮しており、以前に公開された動画でも「ゾンダZOZO」のパープル、ブガッティ・シロンの「ホワイトベージュ(ミルクコーヒーをイメージ)」など、常人ではなかなか思いつかないようなカラーをチョイスしたことも明かされています。
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ロールスロイス・ファントム・オリベのボディカラーは前澤友作氏のプライベートジェット同様
このロールスロイス・ファントム・オリベのボディカラーは上述の通り「織部焼をイメージしたもの(オリベグリーン)」ではありますが、前澤友作氏はこのカラーを自身のプライベートジェットにも採用しているといい、かなりのお気に入りなのでしょうね。
ちなみにこのロールスロイス・ファントムのコンセプトそのものが「ランドジェット(地上のジェット機)なのだそう。
ボディ下部のクリーム色についても、織部焼の釉薬を模したもので、ユニークな外観をファントムに与えることに。
なお、見た限りでは「エルメス」の文字、またはそれを感じさせる意匠はなく、そのあたりの理由は不明です(ほかのハイパーカーコレクターがエルメスに発注したブガッティ・シロンやマクラーレン・スピードテールでは、明らかにエルメスだと主張する衣装が見られる)。
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もしかすると、「エルメス」を表に出さないのは前澤友作氏ならではの美意識のあらわれであり、同氏の「余裕」なのかもしれませんね。
ロールスロイス・ファントム・オリベの内装は究極の贅沢空間
そしてエクステリア以上に個性的なのが、ロールスロイス・ファントム・オリベのインテリア。
おそらく内装の多くが「エルメスの手による」のだと思われ、張り材だとグリーン部分(エネアグリーン)レザー、アームレスト、コンソール、ヘッドライナーのトワルHキャンバスがエルメス製だと紹介されています。
なお、ホワイトレザーは「シーシェルホワイト」とアナウンスされていますが、こちらはとくにエルメス製だとは言及されていないので、ロールスロイスの内製なのかもしれません。
このエルメス製レザーは、主に「手に触れる部分」に採用されているそうですが、見るからに上質な、エルメスらしい質感を持っているようですね。
レバーにもレザー。
アームレスト上部はエネアグリーンレザー、サイドはキャンバス。
ドア内張りもエルメスのレザーにキャンバス、そしてウッド。
なお、前席シートは「シーシェルホワイト」ですが、後部座席は「エネアグリーンレザー」。
これは前澤友作氏本人が乗るのは後部座席だから、という理由なのだと思われます(シャンパンキャビネットやデカンタ収納スペースも設置されている)。
ちなみに後部座席のフロアマットはこんな感じの「モッフモフのラムウール」。
いったいこの内装にどれくらいのコストが掛かったのかはわかりませんが、もしかすると「車両本体価格を超えるくらい」かもしれませんね。
内装パネルも「エルメス」仕様
なお、外装同様、内装においても「エルメス」の文字や、エルメスを強調するところはなく、しかし唯一「それ」を匂わせるのがダッシュボードにはめこまれた馬のレリーフ。
これについて、「フランスの著名なアーティストであり、イラストレーターでもあるピエール・ペロン氏(1905-1988)のデザインをもとにした」デザインをもち、ウォールナットの上にハンドペイントにて描かれている、とのこと。
ロールスロイスのトルステン・ミュラー・エトヴェッシュCEOによれば、このファントム・オリベについて、「当社が持つ最高峰のクラフトマンシップを表現したもの であり、"3世紀以上の経験と遺産を持つ2つのメゾンの調和」だと述べ、「挑戦的、かつ技術的にも難しい依頼をエルメスと一緒に推し進め、クライアントの素晴らしいビジョンを実現することができたことは、我々だけの"特別な権利”だった」とも。※ロールスロイスとエルメスとのコラボレーションは今回が初
おそらく、ロールスロイスのものとには、こういった「数々の難問」が日々寄せられるのだと思いますが、それらにNOと言わずにチャレンジするからこそ、日々の進歩があるのでしょうね(こういった例を見ると、一見して無茶とも思える顧客の要望が、企業を成長させるひとつの原動力にもなっているように思う。逆に、高い要求を突きつけられるのは、それだけ企業が顧客から期待されているからなのかもしれない)。
ロールスロイス・ファントム・オリベを紹介する動画はこちら
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