
Image:Bugatti
| 従来比で2倍の生産能力、革新的な製造技術、そして自然と共生する未来型施設が始動 |
この設備によって、ブガッティはこれまで以上に「多種多様な」ブガッティの生産が可能に
ブガッティは、次世代ハイパーカー「Tourbillon(トゥールビヨン)」の登場に合わせ、本社所在地であるフランス・モルスハイムに新たな世界最高水準のアトリエ(生産施設)の建設を開始したと発表。
116年にわたるブランドの歴史において、最大規模かつ最も高度な生産施設が誕生しようとしています。
なお、ブガッティ本社というと「中世の城のような」エレガントな建築様式(下の画像)を持つことで知られますが、その横にこの「近代的な」設備が立ち並ぶさまはなかなかにシュールなのかもしれません。

自然との共生を追求した美しき建築
新アトリエは、モルスハイムの本社敷地内に建設され、外観は周囲の自然と調和するようデザインされています。
低く広がる建物は、草原から滑らかに立ち上がるようなシルエットにて構成されており、屋根面積の30%を野草が覆うという環境配慮型デザインが特徴的。
この建物は132メートルの長さと25メートルの幅を持つそうですが、漆黒の壁面とガラスのコントラストが際立ち、朝陽を取り込む5メートルのガラス壁や天窓によって、自然光に満ちた作業空間を実現している、と説明されています。
Image:Bugatti
生産能力は従来比2倍、製造工程を最適化
この新アトリエでは、生産能力が現行施設の2倍に引き上げられ、製造の多くを内製化できるよう設計されてるそうですが、たとえば車両のサブコンポーネントの組立から、ローリングシャシーの構築、そして車体との「マリアージュ(結合)」まで、すべてがこの施設内で完結可能に。
新しい製造設備やワークフローデザインが導入されることで、これまで以上に効率的かつ精密な車両製造が可能となり、トゥールビヨンをはじめとする次世代ブガッティの生産体制が大きく進化するということを意味します。
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既存アトリエは“ゲスト体験空間”へと転用
なお、ブガッティの象徴である「マカロン」エンブレムを模した既存のアトリエは、今後ブランドの体験型スペースとして生まれ変わることもアナウンスされており、訪問者はブガッティの世界観に浸りつつ、ラグジュアリーなホスピタリティとともにインテリア製作の現場を間近で見ることができる、とのこと。
「モルスハイムから生み出されたすべてのブガッティは、常に自動車の歴史に名を刻んできました。今、次世代のアトリエが具現化しつつあり、私たちは新たな才能や設備、効率性を導入しながら、さらなる高みを目指します。トゥールビヨンが新たなパフォーマンス時代の先陣を切る一方で、モルスハイムは今後も自動車製造の頂点であり続けるでしょう。」
ブガッティ運用責任者 フレデリック・ダウル
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【まとめ】Tourbillonとともに、ブガッティは「作り方」も未来へ進化する
モルスハイムの新アトリエは、ブガッティの未来を形作る象徴的な”第一歩”。
トゥールビヨンという新たな傑作を生み出すにふさわしい、最先端かつ持続可能性を重視した製造拠点の誕生でもあり、自然との共生、美しさと効率性の融合、そして職人技の継承の場が生まれるということになりますが、これは文字通り「ブガッティの新しい歴史の始まり」ということになりそうですね。
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