| アウディは一応、R8とTTを生き残らせる方法を考えているようだ |
さて、現在アウディは電気自動車と中国に集中している状態ですが、そんな中で「置いてきぼり」なのがアウディR8やTTのようなスポーツカー。
現在アウディは電気自動車としてはe-tron、e-tron Sportback、e-tron GTを発売しており、さらにはA6 e-tronほかいくつかのニューモデルの発表もしくは予告を行っています。
アウディ「今年、ガソリン車よりも多くのEVを発売する」
そしてアウディのセールス&マーケティング部門グローバルチーフ、ヒルデガルド・ヴォートマン氏によると「今年はガソリン車よりも多くのEVを発売する」。
これはフォルクスワーゲングループ挙げての電動化計画に則ったものではありますが、「アメリカでバイデン大統領がやろうとしていること」「中国の時期5カ年計画」に照準を合わせているのもまた事実であり、とにかくトッププライオリティは「エレクトリックカー」ということになりますね。
「R8後継モデルは、電動化されただけでは不十分」
そしてヒルデガルド・ヴォートマン氏によると、「顧客は常に変化しているため、新しいセグメントを目指し続けねばならない」。
自動車業界の大きな流れとして、セダンからSUVへと顧客がシフトしたことでもわかるとおり、顧客は常に「新しいものを求めており」、現在アウディがクーペSUVを拡充しているのも同じ理由だと述べています。
そしてR8やTTに話を戻すと、「R8はたしかに我々のアイコンではあるが、必ずしも未来のアイコンであるとは限らない」。
さらに「R8の後継モデルは、ガソリンエンジンをモーターに置き換えたクルマであってはならない」。
この発言の裏にあるのは、「スポーツカーがアイコンたりうる時代はもう終わった」「もう終わったセグメントのクルマのパワートレーンを新しくしたところで、新しいアイコンにはならない」ということなのだと思われます。※そして現在の最重要市場である中国ではスポーツカーの人気が低い
たしかにこれはよく理解で来る部分でもあり、生き残るには「変わり続ける必要がある」ということですね。
なお、ポルシェ911のように「変わらないこと」によってのみ存在意義を増す稀有な例もありますが、多くのクルマは厳しい競争にさらされているので、変わらなければ、すなわち存在意義を失ってしまうということになりそうです。
ヒルデガルド・ヴォートマン氏はTTについても触れ、「すでに顧客の心や、世界のトレンドはスポーツカーやロードスターから離れてしまっている」とコメントしており、R8同様に「TTが生き残るためには、TTのままであってはならない」という考え方を持っているようですね。
時期アウディR8はどうなる?
ヒルデガルド・ヴォートマン氏によると、「我々にはたくさんのアイデアがある」とのことで、実際にアウディは、PB18 e-tronのようなレース志向のコンセプトカーや・・・。
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くつろぎをテーマにしたAI:MEコンセプトなど、多種多様なコンセプトカーを発表済み。
ただ、実際にもっとも可能性が高そうなのは、ちょっと前に発表された「ナヌーク・コンセプト」のようなクロスオーバー型スーパースポーツだと考えています。
実際にこのナヌークはアウディR8をベースにしていますが、フォルクスワーゲングループはこのナヌークの他にも「スポーツカーとオフローダーとのクロスオーバー」をほかブランドからも発表したことがあり、ポルシェからは実際にリフトアップしてオフロード対応タイヤを装着した「911サファリ」を発売する可能性が大。
こういった流れを考慮するに、フォルクスワーゲングループ全体として「機は熟した」と捉え、アウディはじめ(VWの)各ブランドとも、「スポーツカーとオフローダーとのクロスオーバー」という新セグメントへと一気になだれ込む可能性が高いんじゃないかと考えるわけですね。
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ちなみにアウディはTTのクロスオーバーモデルについても(イベント向けのワンオフモデルとして)製作したことがあり、やはりここは以前から関心を持っているセグメントだということになりそうです。
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参照:TopGear