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アウディが2023年の業績を発表、全世界で17%増という強い成長を見せるものの「2024年は環境的に厳しく、挑戦の年になる」。なお日本の成長は16.7%

アウディ

| アウディはポルシェとは異なり北米での販売比率が低く、よって北米を「未来の成長市場」と目している |

一方で中国への依存度が高く、中国市場の変動次第では業績に大きな影響も

さて、現在ポルシェ、ランボルギーニ、ベントレーなどフォルクスワーゲングループ各ブランドの2023年の販売実績が公開されているという状況ですが、今回はアウディがその業績を発表。

概要としては「全ての主要販売地域において納車台数が増加となったうえ、全世界では17.4%増の190万台を販売し、電気自動車の販売についても51%増となった」というものです。

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アウディの2023年の実績(内訳)はこうなっている

なお、今回の販売伸長については「サプライヤーからのパーツ供給が改善したこと」が主な要因だとされ、しかしアウディの各モデルに対する強い需要が存在することも間違いなさそう。

というのも上述の通り全世界の主要市場にてアウディの販売が増加しているためで、まず地域別の販売台数と増加率は以下のとおりです。

ヨーロッパ747,619台+19.7%
(そのうちドイツ)252,060台+17.4%
(そのうち英国)137,489台+24.8%
(そのうちフランス)49,803台+12.9%
(そのうちイタリア)66,578台+19.1%
(そのうちスペイン)40,761台+15.7%
米国228,550台+22.3%
メキシコ13,109台+32.3%
ブラジル6,642台+18.9%
中国(含香港)729,042台+13.5%
日本24,632台+16.7%
ワールドワイド(その他含む合計)1,895,240台+17.4%

各自動車メーカーの発表を見ていると、販売地域の構成は異なるものの、「アメリカとイギリスが好調」という傾向が一致しており、「中国の成長率が鈍化」というトレンドも見られるように思います。

アウディは今回の発表において「中国市場が好調であった」とはコメントしているものの、成長率ベースだとフランスに次いで低く(ただしこれだけの販売台数を2桁増にしているので好調であることには間違いない)、そしてその依存度の高さについては大きな懸念となるのかもしれません。

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これはアウディに限ったことではありませんが、多くの欧州の自動車メーカーは地元に格安な中国製EVがなだれこむことによっていくばくかの打撃を受けており、また中国市場においても明確にシェアを侵食されていて、けして先行きが明るい状況ではない、というのもまた事実(実際に、多くの自動車メーカーが、2023年の成功に加え、2024年に経験するであろう競争の厳しさについても触れている)。

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アウディは電気自動車(EV)の販売も伸長させる

そしてアウディはEVの販売においても大きな成功を納め、2023年には178,000台以上の電気自動車を販売し、これは2022年比だと51%増という成長です。

さらに今年の第1四半期には、プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)を採用したQ6 e-tronの発売も控えており、さらにEVの販売にはずみがつくものとは思われるものの、力をつけた中国の新興EVメーカーが「壁」となるのは間違いなく、今後EV販売比率が大きくなればなるほど厳しい状況になるものと思われます(ガソリンエンジン車のような優位性を発揮しにくい)。

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そのほか、アウディはQ5(332,000台)、A6(267,000台)、A4(237,000台)の販売が好調であったともコメントしており、販売の上位を高価格モデルが占めているのは心強い結果だと言えそうですね(BMWの場合、全体的に成長はしているものの、高価格モデルの販売比率が下がっており、収益性が損なわれている可能性がある)。※アウディスポーツ(S、RS)モデルも5%成長し48,000台を販売した

最後にアウディは「競争が厳しくなり、経済状況が不透明であることから2024年は挑戦の年になる」と述べ、そういった状況の中であっても収益性を重視したニューモデルを多数発売すること、特に電気自動車に焦点を当てるものの、新世代の内燃機関搭載車とPHEVを発売することについても言及し、様々な需要に応え、かつ環境の変化にも耐えうる商品構成を目指すという姿勢を強調しています(EVのみを未来だと定義せず、内燃機関への回帰を見せたことは特筆すべき変化である)。

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参照:AUDI

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