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| BMWがオフロード市場に本格参入か |
これまでにも幾度となく「BMWがオフローダーを投入」というウワサが囁かれてきたが
BMWは比較的早い時期にSUV市場へと参入し、25年間にわたり提供し続けていますが、当時BMWはSUVを開発するに際して「ローバー」を買収し、そこから(ランドローバーを通じ)SUVに関するノウハウを吸収しているわけですね(ただ、その後にはローバーを売却している)。
そして度々囁かれるのが「BMWがメルセデス・ベンツGクラスのライバルとなる、本格オフローダーを投入するのでは」というウワサであり、今回はそのウワサが「より具体的な内容を伴って」自動車業界を賑わせることに。
2029年後半に登場予定の新フラッグシップSUV「G74」
BMWはSUV市場へと参入する際、「オフローダー」としてではなく「都市型SUV」としての参入を果たしているものの、まさか当時は「Gクラスの人気がここまで高くなるとは考えられず」、オフローダーの可能性を切って捨てたのかもしれません。
今となっては「せっかくランドローバーが持つオフローダー技術」を十分に吸収しないままに手放してしまい、まことに「もったいない」という限りではありますが、メルセデス・ベンツ自身もこれに近い時期に「Gクラスを販売終了にする」という正式アナウンスを行ったことがあるので(その後市場からの要望によって撤回)、当時は自動車業界全体としてオフローダーが「ごく一部の限られた人たちだけが乗るクルマ」という認識であったのだと思われます。
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ただ、時が変わってメルセデス・ベンツGクラスはもちろん、ランドクルーザー、そしてディフェンダーといった本格オフローダーの人気が高まるに際し、BMWはこの分野への参入を検討するようになり、一時は「トヨタに対し、(BMW Z4とGRスープラのように)ランドクルーザーの共同開発を持ちかけ、ランドクルーザーのBMW版を発売しようとした」という話がウワサレベルで出てきたことも。※これが事実であったとしても、トヨタはランドクルーザーを門外不出の資産であるとして断ったのだと思われる
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そして今回新しく登場したのが米メディア『Automotive News』による報道で、これが正しければ、BMWにとってのオフローダー事情が大きく動いていることを示唆しており、同メディアによると「BMWが自社にて、ランドローバー・ディフェンダーやGクラスのライバルとなる、正真正銘のオフロード対応SUVの開発に取り組んでいる」。
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XMの後継として、しかしオフロード性能を追求
BMWの製品計画に詳しい匿名の情報筋によると、この開発中のオフローダーは、次世代X5の「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」モジュラープラットフォームをベースに開発されるとのことで、そのコードネームは「G74」。
このモデルはBMWの他のSUVラインナップの頂点に位置づけられ、X5やX7と同じくサウスカロライナ州のスパルタンバーグ工場で生産される予定だと報じられていますが、G74の登場は、次世代X5の2〜3年後となる2029年後半と予想されています。
このタイミングは、販売不振が伝えられているプラグインハイブリッドのパフォーマンスSUV「BMW XM」が、2028年に生産中止になるという噂と重なり、BMWはXMと新型オフローダーとを「入れ替える」計画なのかもしれません。
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当初、BMWはXMをフラッグシップSUVとして位置づけていたものの、そのデザインが賛否両論を呼び、需要も低迷しているというのが現在の状況です。
そのため、次期トップモデルは、舗装路でのパフォーマンスではなく、オフロード性能を追求する方向に舵を切るとされており、しかしこのG74が、ディフェンダーやGクラスのような本格的なロッククローリング(岩場走行)性能を持つのか、それとも高速ラリーレイド寄りのモデルになるのかはまだ不明。
X5に導入された「xOffroad」パッケージが布石か?
ただ、BMWは、これまでにもオフロードへの足がかりを模索してきたという事実があり、初代X5(2000年モデル)は、ランドローバー・レンジローバー(L322)とパワートレインやヒルディセントコントロールを共有し、高いオフロード性能を備えています。
しかし、本格的なデフロックやローレンジギアの代わりに、ブレーキによるトラクション制御を使用していたため、荒れた路面での走破性よりも、全天候型の安定性とオンロードでのハンドリング性能を重視していたのもまた事実。
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しかし、今年登場した「2025 X5 シルバーアニバーサリーエディション」では、新たな「xOffroad」パッケージを導入しており、このパッケージには、メカニカル式リアロッキングデフ、オールテレーンタイヤ、4輪エアサスペンション、複数のテレーン走行モードが含まれており、X5に優れた悪路走破性をもたらしています。
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BMWが本気のオフローダーを開発か? メルセデス・ベンツGクラスやランドローバー・ディフェンダーの対抗馬「G74」発売のウワサ
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Gクラスに挑むには、さらなる進化が必要
Gクラスのようなライバルと本当に戦うには、G74は前述のX5特別仕様車よりも、さらに大きなホイールトラベル(サスペンションの可動域)、強固なアンダーボディプロテクション、そしてアプローチアングル、デパーチャーアングル、ブレークオーバーアングルの最適化が必要となり、つまり「X5をちょっとやそっとオフロード寄りにしたくらい」ではライバルに対抗できず、そしてライバルに対抗するにはやはり「その悪路走破性を連想させるタフな外観」が必要なのも間違いのないところ。
BMWが掲げる「駆けぬける歓び」というブランドスローガンが、舗装路だけでなく、未舗装のダート、砂利道、岩場にまでその領域を広げていくことを想像すると、期待に胸が膨らもうというものですね。
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