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| BMWの未来は電動化とMの融合?「ノイエクラッセ」技術で新たなMモデルが誕生へ |
「M」ブランドはあくまでも「M」であり、パワートレインは関係ない
BMWは、今後数年間にわたりNeue Klasse(ノイエ・クラッセ)技術を基盤とする新型EVモデルを一斉投入する計画を進めていますが、この新世代プラットフォームは、電動化とデジタル化に特化したもので、次期3シリーズやX3の電動モデル(iX3)が先陣を切ることになります。
しかし注目すべきは、BMW M部門による高性能グレードが、従来では電動モデルに与えられてきた「i」というネーミングを廃止し、「M3」「X3 M」など伝統的な名称のまま登場するという報道です。
M3は“iM3”ではなく「M3」のまま登場。しかもフルEVに
BMWはこれまで、EVモデルには「i」という文字を与えてきましたが(例:i4、i5、i7、iXなど)、しかし、BMW Blogはじめ複数のレポートによると、次期M3はオール電動にもかかわらず「M3」という名前を維持する見込みであるとのこと。
これは、Mブランドが持つ伝統やスポーツイメージを損なわないための戦略と見られ、さらにはそれと同様に、次期X3 Mも「iX3 M」ではなく、「X3 M」という名で登場する可能性が高いと報じられています。
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なお、BMWは海外市場向けにすでに「iX3」を販売しており、試作車には「iX3 50 xDrive」という名称が使用されていることから、“i”の名前は標準EVモデルに限定され、Mモデルからは外されるということなのかもしれません(BMWはかつて、「M」と「i」は相容れないと語ったことがある。「i」を付与することで、電動化へとイメージが引っ張られることを懸念したのかもしれない)。
最大出力900馬力?電動M3とX3 Mはまさに「スーパーEV」
報道によると、今後登場する電動M3とX3 Mは、最大出力900馬力を発揮する可能性があるもよう。
これは現行のMモデルを大きく超えるパフォーマンスであり、同一のプラットフォームを共有するiX3 M60などとの共通性も持たせる予定だとも報じられていますが、「真正のMではない」iX M60では、ガソリン版のMモデルをはるかに超える馬力を発生させることになるのかもしれません。
また、将来的には電動版「X4 M」も計画されており、こちらも“i”を冠さないMモデルとして登場する見込みなのだそう。
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とはいえ、BMWはガソリン/ハイブリッド車も継続販売
電動化に舵を切るBMWですが、同時に一部モデルでは内燃機関(ガソリン)やハイブリッドの併売も継続するとしています。
これは市場ごとのニーズを考慮した判断であり、全モデルを一気にEVに移行するのではなく、段階的なアプローチを取る方針で、ある意味では「今まで通り」。
特にMモデルにおいては、直6やV8を求めるユーザー層も依然として多く、完全電動化には慎重な姿勢も見せています。
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- 2026年:iX3(新世代EVとして初登場)
- 2026年:次期3シリーズと電動版「i3」(i3という名称が復活するかは不明)
- 2027年:M3(フルEV)、X3 M(フルEV)
- その後:X4 M(フルEV)
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なお、メルセデスAMGが直近で(V8ファンからの強烈な反発に遭い)C63のハイブリッド4気筒化を断念してV8エンジンの復活を決めた事例からも分かるように、BMWにおいてもユーザーからの反発がある場合は方針転換があるのかもしれません。
ただしBMWは率先して「多様な選択肢を消費者に与え」、かつ状況に合わせて柔軟に方針を転換できる戦略を採用してきた自動車メーカーでもあり、ガソリンやハイブリッドモデルをラインアップに残すことで、「選べるM」戦略をしばらく維持していく可能性が高そうです。
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参照:BMW Blog