| 一方、大幅に軽量化が期待できるカーボン製シート、センターロックホイールは用意されていない |
ハイブリッド化に対する重量ペナルティは純粋主義者にとっては「受け入れがたい事実」である
さて、BMWは先日新型M5を発表したところではありますが、このM5は歴代モデルとは異なって「熱狂的に迎えられた」とは言い難いように思います。
その理由の一つは「ハイブリッド化されたこと」、そしてもう一つの理由は「それに起因して重量が異常に重くなってしまった(2,445kg)こと」にあるのだと思われますが、それだけスポーツカーにとって(パワートレーンの)ピュアさ、そして軽量性が重要なのだということを思い知らされますね(メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンスも同様の評価を受けている)。
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BMWはM5用に軽量なアップグレードパーツを用意
なお、そういった重量ペナルティをなんとかしようということなのか、BMWはメーカーオプションとして「カーボンルーフ」「カーボンセラミックブレーキ」を用意しており、これらによってそれぞれ30kg、25kgの軽量化が可能です(先代M5が”CS”にて達成した70kgの軽量化には及ばないが)。
そして今回発表されたのは「後付け可能な」Mパフォーマンスパーツ群で、構成される内容としては軽量なカーボンファイバー製フロントスプリッターに分割式リアディフューザー、サイドシルエクステンション、そしてなんとフューエルフィラーキャップまで。
中には「追加」となるため軽量化には貢献しないものもあるかとは思いますが、これらによって新型M5をさらに(いくばくかは)軽量化できるかもしれません。
そのほかだとマットブラックのサイドデカール、アラミド製のシャークフィンアンテナ、軽量アルミホイール、バルブキャップ、チタニウムとカーボンファイバーによるエキゾーストパイプといったアイテムも。
なお、ちょっと不思議なのは先代M5に用意されていたカーボンファイバー製シートがメーカーオプションであってもMパフォーマンスパーツとしても用意されていないこと(M5 CSではリアシートにもカーボンファイバーという選択肢が与えられていた)。
BMWはかつて現代のシートはとんでもなく重くなっていて、いまや1脚あたり40kgくらいにも達しているとコメントしているので、もし新型M5にカーボンファイバー製シートが用意されていたならば、ほかのオプションとあわせて100kgくらいの軽量化を実現できていたのかもしれません。
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加えて、M3で選択できるセンターロックホイールも(新型M5では)用意されておらず、これらを総合して推測するに、BMWは新型M5の快適性や日常性を損ないたくなかったのかもしれませんね。
一方、今後登場すると思われる「M5 CS」では(新型M5から)ガツンと快適装備を削ることで大幅に軽量化を果たすことができるものと思われ、先代M5 CSに比較してニュルブルクリンクのラップタイムをぐっと短縮することも期待できそうです。
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参照:BMW