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BMW、「ジャンボキドニーグリル」を縮小した2026年型M ハイブリッド V8 LMDhを発表、空力最適化がその理由

BMW、「ジャンボキドニーグリル」を縮小した2026年型M ハイブリッド V8 LMDhを発表、空力最適化がその理由

Image:BMW

| BMWが「批判」に配慮したとは思えない |

BMWはいかに批判されようとも、自社の戦略に基づいたデザインを展開する会社である

2015年に「3.0 CSL Hommage R」コンセプトがデビューして以来、BMWは徐々に“巨大なキドニーグリル”を採用するようになりましたが、とくにiX、4シリーズ、7シリーズなどではこの傾向が顕著です。

あまりにも奇抜なそのデザインは賛否両論を呼んできたものの、BMWは(いかに批判を浴びようとも)一向にこのトレンドを廃止しようとせず、しかし2026年シーズン用のレーシングマシンでは意外な方向転換が見られます。

フロントには「ワイドキドニー」!BMWがIMSAとル・マンを走るレーシングカー、BMW MハイブリッドV8を公開。ボディ上には歴代レーシングカーも
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さすがにジャンボキドニーは「空気抵抗が大きすぎた」

今回BMWは、IMSAおよびWECに参戦するLMDhマシン「M Hybrid V8」の2026年バージョンの画像を公開していますが、ここでわかるのは「キドニーグリルの縮小」。

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ちなみに従来モデルだとこう。

BMWが25年ぶりのル・マン復帰に際してM ハイブリッド V8 パフォーマティブ ペインティングを公開。「この走る芸術作品は、レースを終えてはじめて完成するのです」

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理由としては「批判への対応」ではなく、空力効率と冷却性能を高めるためだと説明されており、この変更、そして新たに設計されたフロントスプリッターと組み合わせることにより、さまざまなサーキットでの安定したパフォーマンスを狙うことができるとアナウンスされています。

なお、点灯式のキドニーグリルフレームは旧モデルから継承されるため、ひと目でBMWだと分かるアイデンティティが残されることになり、ブランディング上での「問題はない」ようですね。

IMSAとWECでの戦績はまだ発展途上

M Hybrid V8は2023年からIMSA、2024年からWEC(世界耐久選手権)に参戦してきましたが、IMSAではいくつかの勝利を挙げているものの、WECでは2位表彰台が数回のみ、ル・マン24時間では最高16位という厳しい結果が続いています(ここ一発の速さは感じられる)。

シャシーはイタリアのダラーラ製、エンジンはBMW製の専用V8を搭載。さらに参戦車両共通のLMDhハイブリッドシステムを組み合わせ、アキュラ、アルピーヌ、キャデラック、ポルシェのLMDh、そしてフェラーリやトヨタのLMHマシンと直接競合しています。

  • Bosch製モーター&電子制御
  • XTrac製ギアボックス
  • Fortescue Zero製バッテリー
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Image:BMW

BMWはチーム体制も刷新へ

こういった(思うように成果を上げることができていない)現状を反映してか、BMWは2025年限りで長年のパートナーであるRahal Letterman Lanigan(RLL)レーシングと袂を分かち、2026年からは欧州の強豪チーム、WRTレーシングと手を組んでマシンを走らせる可能性が高いと報じられていて、現在、#24号車はIMSAランキング3位につけているものの、BMWとしては「ル・マンでも勝てる存在」になることを強く求めているようですね。※RLLはアメリカのチームであり、ル・マンにはさほど明るくないのかもしれない

小さなキドニーに大きな期待

「大きすぎる」と批判されがちなBMWのデザインアイコン、キドニーグリル。

2026年型M Hybrid V8では逆にこれが“縮小”され、つまりBMWはそのデザインポリシーに反してでも「勝つこと」を選んだと考えてよく、しかしこれが空力的なブレイクスルーとなり、悲願のル・マン上位進出につながるのかもしれません。

その答えは(早ければ)来年1月のロレックス24デイトナにて明らかになるものと思われ、今後の活躍に期待したいと思います。

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参照:BMW

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