| メルセデス・ベンツは現在大幅にラインアップを整理中、コンパクトクラスに不採算車種を大幅リストラ |
現在「CLEクラス」についてはわからない部分が多く、正式発表を待ちたい
さて、メルセデス・ベンツがブランニューモデル「CLE」を7月5日午前11時(中央ヨーロッパ夏時間 – CEST 午後5時)に発表するとしてティーザー画像を公開。
そのシルエットから判断するに、今回発表されるのはCLE”クーペ”だと思われますが、このCLEについては(スパイフォトを見る限りでは)オープンモデルも開発されており、CLEクーペは「CクラスクーペとEクラスクーペ」を吸収し、CLEカブリオレは「CクラスカブリオレとEクラスカブリオレ」を吸収するものと見られています。
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メルセデス・ベンツはラインアップを大幅に整理
メルセデス・ベンツは今後「販売台数を追求することはしない」としており、今後は高単価・高利益モデルへと集中することに言及済み。
そのためには「AMG」「Gクラス」「マイバッハ」という柱に加え、「ミトス」なる少量生産限定ブランド(フェラーリでいうICONAのようなイメージ)の展開も示唆しています。
ちなみにですが、前メルセデス・ベンツCEO、ディーター・ツェッツェ氏の時代にはブランドの若返りを最優先し、そこで一気にエントリークラスを拡大しているのですが、その理由は「メルセデス・ベンツの顧客平均年齢が年々高くなっており、そのままブランドが老朽化すると、(メルセデス・ベンツの)クルマを購入する人がいなくなるおそれがあるため」で、それを防ぐために若い顧客を取り込み、そういった顧客がライフステージの変化とともにメルセデス・ベンツを買い替えるといったサイクルを作りたかったわけですね。
ただ、コンパクトクラスの拡充についてはいくつかの弊害があったとされ、まずは単価が低く利益も薄いコンパクトクラスのクルマが上位モデルの販売を侵食してしまい、その結果としてメルセデス・ベンツ全体の売上と利益を引き下げてしまった可能性があること。
当時のメルセデス・ベンツは「Aクラスも、Cクラスも、Eクラスも、Sクラスも」似たような顔つきを持っており、かついずれも充実した装備を持っていたために「下位クラスでも問題ない」と判断した顧客が多かったと見え、あえて高額な上位モデルを選ぶ理由に乏しかったのかもしれません。
そしてもう一つの理由としては、「コンパクトクラスの競争が厳しく、利益が取れなかった」こと。
このクラスではBMWやアウディ、その他多くのメーカーとの競争にさらされ、いかにメルセデス・ベンツの神通力をもってしても高価格・高利益を貫くことは難しく、どうしても安価で販売せざるを得なくなり、となると利益も下がってしまうわけですね。
こういった理由からメルセデス・ベンツは「コンパクトクラスでの展開を縮小し、より儲かるクラスに集中」することを決め、そしてライバルであるアウディも同様の意向を示しています(ただしBMWはコンパクトクラスを継続するようだ)。
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そして新しい戦略のもと「高価格帯」へとシフトした結果、メルセデス・ベンツの利益は大きく伸びることになり、こういった「数字に現れる成果」を見るにつけ、今後もますますこの傾向が強くなるものと思われます。
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メルセデス・ベンツは「不採算」車種をバッサリと切り捨てる
そしてこの戦略の根幹にあるのは言うまでもなく利益ということになりますが、同様の観点からメルセデス・ベンツは「あまり数が出ない」クーペそしてオープンモデルを大量に整理することになり、そして今回新設されたのが「CLE」ということになり、ひとまずクーペとオープンモデルは(AMGを除き)いったんここへ格納されることに。
ただ、このCLEは「メルセデス・ベンツでは(AMGを除き)唯一のクーペとオープンを担うクラス」となるため、CLEクーペ/CLEカブリオレのみによって競合に打ち勝つ必要があるため、可能な限り多くのバリエーションを展開し、かつ高いコストパフォーマンスを備えるものと思われます。
まだまだその詳細についてはわからないことが多く、しかし残すところ2日となったその発表を待ちたいところですね。
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