
メルセデスAMG、史上最大のモデル展開へ──電動化と内燃機関を両立
メルセデスAMGはこれまで「電動化」を推し進めてきたが
メルセデスAMGのCEO、ミヒャエル・シーベ氏が「今後2~3年でブランド史上最大の新型モデル展開を計画している」とカーメディアのインタビューに対して答え、さらに同氏によれば「内燃機関と電気駆動の両方で新型車を次々と発表してゆく」。
これまでAMGは(メルセデス・ベンツの方針に従う形で)電動化を主軸に展開を行っていたものの、新しい方針によって「伝統的なAMGファンにも、次世代のEV支持者にも応えるラインナップ」が実現する見込みとなり、今後のメルセデスAMGは「これまでとは異なる」存在となりそうです。
AMG独自のEVアーキテクチャ「AMG.EA」を採用した2モデルが登場予定
新しい計画に従い、まずEV分野において、メルセデスAMGはポルシェ・タイカン対抗のEVセダンと、ロータス・エレトレに似たフルサイズSUVを投入予定(これらはすでにティーザーキャンペーンが開始されている)。
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どちらもAMG専用の「AMG.EA」アーキテクチャを採用し、サーキット走行にも耐えうるチューニングが施されると報じられています。
「加速とブレーキを繰り返すサーキットでこそ性能が問われる。そのような環境でも通用するEVをつくる」
── メルセデスAMG CEO ミヒャエル・シーベ
これからのメルセデスAMGは「見た目」でも別物に──差別化されたデザイン戦略
さらに今後のAMGモデルは、見た目からしてメルセデス・ベンツとは一線を画すエクステリアへと進化。
特に、過去のモデルではベース車とのデザイン差が少なかったことへの反省から、今後は“ひと目でAMG”とわかるデザイン言語の確率に注力するようですね。
「AMGの見た目に惹かれて購入するお客様は多い。将来のメルセデスAMG車は、もっと明確に差別化されたデザインになる」
── メルセデスAMG CEO、ミヒャエル・シーベ
不評のC63にもテコ入れ?直6ハイブリッド搭載の噂も
そしてミヒャエル・シーベ氏は「大排気量・マルチシリンダー」への回帰についても示唆しており、「V8→直4」という極端なダウンサイジングが敢行されたことで、多くのV8ファンから厳しい声が寄せられた現行C63(2.0L直4ターボ+PHEV)に対しても「数年以内に顧客の夢を叶える」と発言。
つまりメルセデスAMGとしても顧客の声を真摯に受け止めているということになりますが、これは以前から噂されていた直列6気筒ハイブリッドの”新C63”の登場を意味するのかもしれません(車体の設計上、どうやってもV8は収まらないと言われている)。
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まとめ──AMGの次章が始まる。“電動=妥協”ではなく、“選択肢”へ
新たなAMG戦略の鍵は以下の3点だとされ、これまで「V8サウンド」や「豪快さ」でAMGを支持していたユーザーにとっても、新しいAMGの方向性に共感できる要素が確実に用意されており(さらにはハイパーカーの発表もウワサされている)、2年後、AMGの姿は(その内面とともに)まったく新しいものになっているのかもしれませんね。
- 視覚的にも差別化されたデザイン言語
- 電動モデルでも走りに妥協しない“サーキット性能”
- V8時代のDNAを継承しつつ、未来志向のパワートレイン構築
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参照:Motor Trend