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メルセデス・ベンツ、新型GLCに「世界初のヴィーガン認証インテリア」を導入。自動車業界に新たな基準を打ち立てる

メルセデス・ベンツ、新型GLCに「世界初のヴィーガン認証インテリア」を導入。自動車業界に新たな基準を打ち立てる

Mercedes-Benz

| メルセデス・ベンツはかねてより環境に対しては配慮する自動車メーカーではあったが |

正確に言うならば「環境に配慮する人に配慮する」ということになりそうだ

様々な記録、そして安全装備等にて自動車業界での新たなスタンダードを打ち立ててきたメルセデス・ベンツ。

今回もまた「自動車業界初」をアピールしており、英国発祥の世界的NGO、The Vegan Societyの認証を受けた、完全ヴィーガン仕様のインテリアパッケージ「Vegan Package」を設定する、と発表しています。

世界初の「Vegan Trademark」認証インテリア

動物由来の素材を一切含まないことを第三者機関により証明したのは、自動車メーカーとして世界初ですが、この「Vegan Package」は、新型GLC EQテクノロジー搭載モデル(GLC EV)から導入され、メルセデス・ベンツのコンフィギュレーターを通じて注文可能に。

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Image:Mercedes-Benz

The Vegan Society(ザ・ヴィーガン・ソアエティ)が認証した対象はシート表皮だけではなく、以下のように、乗員が日常的に触れる多くの内装部位が含まれます。

  • シート&ステアリングホイールカバー
  • ルーフライナー、ピラー、サンバイザー
  • ドアパネル、センターコンソール、インストルメントパネル
  • フットウェル&ラゲッジルーム用カーペット

さらに、これらの多くはリサイクル素材を使用し、環境配慮も徹底されている、とのこと。

動物由来成分ゼロを保証

The Vegan Societyによる認証では、約100種類の部品を徹底的に検証しており、これらの厳格な条件をクリアした製品だけに与えられるのが、世界的に知られる「Vegan Trademark」というわけですね(NGOだけに審査がかなり厳しそう)。

  • 製造・加工段階で動物由来の原料・添加物を不使用
  • 動物実験を伴わないこと
  • 可能な限り交差汚染を防止
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Image:Mercedes-Benz

メルセデス・ベンツの狙い:「透明性と信頼性」

メルセデス・ベンツ取締役会メンバーでCTOのマルクス・シェーファー氏は、次のようにコメントしており、同社は今後、GLCだけでなく順次他モデルにも展開していく予定であることにも触れています。

「私たちは近道を選ばず、あえて遠回りをします。The Vegan Societyの認証は、透明性と信頼性を最優先する私たちの姿勢を示すものです。」

参考までに、随分前からメルセデス・ベンツは「ヴィーガンレザー」の採用に取り組んでおり、一時はルイス・ハミルトン(厳格な環境活動家としても知られる)に”メルセデス・ベンツの環境対策”について意見を求めたことも。

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Image:Mercedes-Benz

そして今回「ついに」認証を受けたヴィーガンレザーの導入が実現していますが、いったいどれくらいの追加費用が必要となるのかは現時点で不明です(一般にヴィーガンレザーのコストはかなり高い)。

そして今回の試みについては、かつて「メルセデス・ベンツは環境に配慮していない」として訴訟を起こされたこと等に対するひとつの回答であるとも考えられ、実利やプロモーションという側面よりも「企業の姿勢のアピール」「それによって強硬派からの攻撃を緩めさせる」という意図のほうが強いのかもしれません。

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The Vegan Societyとは?

  • 1944年、英国バーミンガムで設立された世界初のヴィーガン団体
  • 「vegan(ヴィーガン)」という言葉を生み出した組織
  • 1990年から「Vegan Trademark」を導入
  • 現在、68か国以上で7万点以上の製品が認証済み

「Vegan Trademark」食品、衣類、化粧品など幅広い分野で世界基準となっている信頼の認証マークです。

まとめ

メルセデス・ベンツは、新型GLCにおいて世界初となる「ヴィーガン認証インテリア」を実現しており、これは単なる素材置換にとどまらず、持続可能性・品質・顧客への透明性を兼ね備えた取り組みです。

今後の自動車業界のスタンダードとなる可能性も考えられ、やはり環境意識が高いジャガー、ベントレー、レンジローバーあたりはこれに追随するかもしれませんね。

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Image:Mercedes-Benz

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