
| 2025年8月 国内乗用車販売ランキング速報:市場のトレンドを読み解く |
「大型・高級」モデルよりも、「経済的な」車種に注目が集まりつつあるようだ
2025年8月の国内乗用車販売台数が発表され、このデータからは各自動車メーカーの最新の販売戦略や消費者の嗜好の変化が明らかに。
全体として、トヨタが引き続き圧倒的な強さを見せる一方、三菱やスバルといったブランドの人気モデルが前年を大きく上回る好調ぶりを示しています。
2025年8月 乗用車ブランド通称名別販売台数ランキングTOP50
まず、以下は日本自動車販売協会連合会が発表したデータに基づき、2025年8月の乗用車販売台数ランキングを50位までまとめたリストです。
順位 | ブランド通称名 | ブランド名 | 台数 | 前年対比 (%) |
1 | ヤリス | トヨタ | 8,818 | 99.1 |
2 | カローラ | トヨタ | 8,589 | 81.5 |
3 | ライズ | トヨタ | 7,487 | 137.1 |
4 | ルーミー | トヨタ | 6,644 | 82.5 |
5 | シエンタ | トヨタ | 5,964 | 66.1 |
6 | フリード | ホンダ | 5,697 | 81.5 |
7 | アルファード | トヨタ | 5,665 | 97.5 |
8 | ヴォクシー | トヨタ | 5,122 | 106.9 |
9 | ノア | トヨタ | 5,057 | 115.4 |
10 | ノート | 日産 | 4,947 | 71.8 |
11 | セレナ | 日産 | 4,731 | 77.5 |
12 | ヴェゼル | ホンダ | 4,527 | 113.7 |
13 | アクア | トヨタ | 4,337 | 85.7 |
14 | クラウン | トヨタ | 4,072 | 101.6 |
15 | ソリオ | スズキ | 3,989 | 114.3 |
16 | ステップワゴン | ホンダ | 3,964 | 143.5 |
17 | ハリアー | トヨタ | 3,242 | 69.4 |
18 | ランドクルーザー | トヨタ | 2,911 | 55.5 |
19 | フィット | ホンダ | 2,903 | 70.0 |
20 | プリウス | トヨタ | 2,897 | 49.0 |
21 | フォレスター | SUBARU | 2,632 | 122.0 |
22 | デリカD5 | 三菱 | 2,222 | 154.4 |
23 | ヴェルファイア | トヨタ | 2,177 | 91.2 |
24 | スイフト | スズキ | 2,111 | 100.1 |
25 | インプレッサ | SUBARU | 1,811 | 89.5 |
26 | MAZDA2 | マツダ | 1,719 | 98.1 |
27 | CX-5 | マツダ | 1,534 | 89.7 |
28 | NX350H | レクサス | 1,424 | 94.4 |
29 | フロンクス | スズキ | 1,321 | (24-10) |
30 | RAV4 | トヨタ | 1,314 | 48.8 |
31 | LBX | レクサス | 1,309 | 83.5 |
32 | WR-V | ホンダ | 1,263 | 51.4 |
33 | ZR-V | ホンダ | 1,195 | 36.5 |
34 | レヴォーグ | SUBARU | 1,091 | 76.8 |
35 | クロスビー | スズキ | 1,086 | 123.5 |
36 | ロッキー | ダイハツ | 1,023 | 91.9 |
37 | エクストレイル | 日産 | 1,005 | 57.0 |
38 | ジムニー | スズキ | 886 | 58.0 |
39 | MAZDA3 | マツダ | 854 | 207.3 |
40 | CX-30 | マツダ | 826 | 70.4 |
41 | シビック | ホンダ | 821 | 104.1 |
42 | ハイエースワゴン | トヨタ | 820 | 130.4 |
43 | RX350 | レクサス | 656 | 157.7 |
44 | CX-60 | マツダ | 628 | 142.7 |
45 | CX-3 | マツダ | 613 | 161.7 |
46 | キックス | 日産 | 593 | 78.3 |
47 | ロードスター | マツダ | 585 | 51.9 |
48 | エクリプスクロス | 三菱 | 583 | 105.2 |
49 | トール | ダイハツ | 559 | 78.7 |
50 | アウトランダー | 三菱 | 534 | 119.2 |
最新の市場動向:各ブランドの強みと今後の展望
トヨタの盤石なトップ独占
2025年8月においても、トヨタはトップ5のうち4車種を占めるなど圧倒的な強さを見せており、ヤリスが首位をキープしたほか、カローラやライズも上位にランクイン 。
特に、ライズは前年比137.1%と大幅に台数を伸ばしており、コンパクトSUV市場での人気を証明しています 。一方で、プリウスやランドクルーザーが前年比を大きく下回っている点も注目すべき動向で、これは、新型車への切り替えや生産体制の変化など、複合的な要因が考えられます。
加えて、比較的高額なモデルの販売が振るわないようにも見えるため、自動車業界にも「節約志向」の波が訪れているのかもしれません。
躍進する三菱・スバル
ランキングを見ると、三菱デリカD:5が前年比154.4%と驚異的な伸びを記録し22位にランクイン。
また、スバル フォレスターも前年比122.0%と好調で、これらのモデルは、アウトドアやレジャー志向の消費者に強く支持されており、特定のニーズに応える車種が市場で存在感を増していることがわかります。
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ホンダ・日産・マツダの動向
ホンダでは、ステップワゴンが前年比143.5%と大きく販売を伸ばしてミニバン市場における競争力の高さを示しているものの、フリードやWR-VそしてZR-Vが奮わず「車種によって大きくばらつきがある」もよう。
日産だとノートやセレナが安定した人気を保っていますが、前年比では減少傾向にあり、ここからはラインアップが老朽化してゆくことが予想され、苦しい状況に陥ることとなるのかもしれません。
一方、マツダはMAZDA3が前年比207.3%と大幅に増加しており、しかしホンダ同様に車種ごとの販売にばらつきが見られます 。
今後の見通しについては「わからない」ものの、このままインフレがさらに進んでゆくと消費者がさらに「慎重に」なる可能性があり、予断を許さない状況なのかもしれません。
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参照:日本自動車販売協会連合会