| たしかにポルシェを「自分の作品らしく」見せることは難しいが |
カーデザイナー、Pawel Breshke氏が「サイバー677ポルシェ」なるレンダリングを公開。
見ての通りサイバーパンクな雰囲気を持つポルシェであり、仮想現実を舞台としたゲームや映画に登場しそうな雰囲気を持っています。
なお、同氏が語るには「ポルシェの再デザインとなると、どうしても同じものばかりになってしまう。だから、あえて新しい要素を盛り込みたかったんだ」。
たしかにポルシェはそのディティール、プロポーション共に「独特すぎ」、よって911をイメージして新しくデザインを作成するのは比較的容易なのかもしれませんが、反対に「なにをやっても911」「どうしても過去の焼き直し」となってしまうのかも。
新しいポルシェを考えるのは難しい
そして、そういった難しさは社外のデザイナーはもちろん、ポルシェ社内のデザイナーに対しても重くのしかかかる現実であるのは間違いなく、新しいことをやるとユーザーから非難の矢面に立たされ、何も変えないと今度は社内からの突き上げをくらうのかも。
過去を見直すことは重要ではあるものの、デザイナーはその性格上、つねに「新しいチャレンジ」を行いたいと考えているはずで、しかし先人の考えたデザインをトレースする(もしくはそれを強要される)のは、自身のクリエイティビティを否定されるような気分になるのかもしれません。
そこで今回のサイバー977ポルシェですが、全体的なプロポーション、そしてデザインエレメントは「911」。
ですが細部についてはデザイナーの想像力が発揮されているようで、たとえばヘッドライトは「クワッド」でありながらも新しい形状を持っています(ヒュンダイのニューモデル、G80に似ているのはちょっとアレですが)。
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リアエンドは992世代の911同様に「LEDライトバー」。
車体各部には、モーターのコイル部分を思わせるカッパーが使用されているものの、テールパイプが設けられているので内燃機関を積んでいると思われ、しかし全体的なデザインからすると「未知の動力源」を積んでいてもおかしくはなさそうです。
リアセクションは一層「サイバー」な感じ。
奥にはポルシェ917っぽいファンも見えますね。
ブレーキランプはテールランプ同様、「透明の板」がレッドに発光するようです。
サイバー677ポルシェのインテリアはこうなっている
そしてこちらはサイバー677ポルシェの内装。
エクステリアとマッチしたカッパーが採用され、やはり未来的な印象です。
コクピットは非常にシンプル。
見たところ自動運転は考えていないようですが、ここ最近公開されるレンダリングはいずれも「自分で運転するクルマ」が多く、以前のトレンドのように「ウインドウ類が透明ではない(乗員が外界から遮断される)」デザインを持つものが少なくなったように感じます。
その理由は定かではないものの、単に「そういったトレンドに飽きられた」からなのかもしれませんし、自動運転そのものがもはや実用化される可能性が低く、「未来」でなくなったからなのかもしれません。
もしくは、「クルマに乗せられて運ばれる」ということへのアンチテーゼとして、自分の意思でクルマを走らせるという行為が再評価されるようになったからなのかもしれませんが、そうであれば喜ばしいことだ、とも思います。