>ポルシェ(Porsche)

ポルシェ、「猫さん仕様」の911 GT3を発表。南米の熱帯雨林とヤマネコ“オセロット”に着想を得た特別限定モデル、制作はもちろんソンダーヴンシュ

ポルシェ、「猫さん仕様」の911 GT3を発表。南米の熱帯雨林とヤマネコ“オセロット”に着想を得た特別限定モデル、制作はもちろんソンダーヴンシュ

Image:Porsche

| ポルシェが南米の文化・自然・情熱を形に特注プログラム「Sonderwunsch(ゾンダーヴンシュ)」による新シリーズ「Icons of Latin America」が始動 |

ラテンアメリカの魂を形にした特注ポルシェ「911 GT3 オセロット」


ポルシェ・ラテンアメリカ(南米のポルシェ現地法人)が2025年に創立25周年を迎えるのを記念し、同社が新しい特注プロジェクト「Icons of Latin America(ラテンアメリカの象徴)」をスタートさせたと発表。

このシリーズはラテンアメリカ各国の文化・自然・伝統をモチーフとし、ポルシェのパーソナリゼーションプログラム「Sonderwunsch(特別注文)」によって1台ずつ丁寧に仕立てられるもので、その第1弾として登場したのが今回紹介するポルシェ911 GT3 Touring “Ocelot(オセロット)”。

このクルマはコロンビアのアマゾン熱帯雨林、そしてそこに生きる美しいヤマネコ“オセロット”にインスピレーションを受けている、と説明されています。

327271_1920x1200

Image:Porsche

ポルシェの究極オプション「ソンダーヴンシュ」プログラム:世界に一台の夢を叶える究極のカスタマイズ。その最新作「4台」とは
ポルシェの究極オプション「ソンダーヴンシュ」プログラム:世界に一台の夢を叶える究極のカスタマイズ。その最新作「4台」とは

Image:Porsche | ポルシェが叶える「世界に一台」— Sonderwunsch(ソンダーヴンシュ)プログラムの魅力 | ポルシェは「顧客の夢」を叶えることを重要視している ポルシェは70年 ...

続きを見る


外装:フォレストグリーン・メタリックが描く“生命の森”

「Ocelot」は、ペイント・トゥ・サンプル仕様のフォレストグリーン・メタリックで仕上げられており、陽光の角度によって深緑から翡翠色まで変化するという色味を持っています。

これはアマゾンの濃密な樹冠とそこに広がる生命のリズムを表現したもので、そこに付与されるアクセントは「センテネア・シルバー」。

1960年代の初代911を想起させるクロームトリムを再解釈する形にてウインドウモール、ドアミラー、ドアハンドルへ等へと採用されています。

327266_1920x1440


Image:Porsche

あの色をもう一度──好みの色を自在に再現できるポルシェの「ペイント・トゥ・サンプル・プラス」プログラムとは?
あの色をもう一度──好みの色を自在に再現できるポルシェの「ペイント・トゥ・サンプル・プラス」プログラムとは?

| ポルシェはそのオーナーのために「専用のカラーを調合してくれる」サービスを展開している | 個人の「思い出」をポルシェのボディカラーに 実家の倉庫を整理をしていると、祖母の古いワンピースや叔父のスー ...

続きを見る

リアスポイラーのガーニーフラップ、ドアハンドル、ミラーハウジング、エアインテーク、そして“PORSCHE”ロゴに至るまで、全体にクラシックとモダンの融合が感じられる仕様となっており(このリヤセクションの仕上げはなかなか新鮮)・・・。

327268_1920x1440

Image:Porsche

ポルシェ「ペイント・トゥ・サンプル」プログラムに新色10色追加。グリーンを中心にカラフルな特注塗装が追加される。そのオプション金額とは
ポルシェ「ペイント・トゥ・サンプル」プログラムに新色10色追加。グリーンを中心にカラフルな特注塗装が追加される。そのオプション金額とは

Image:Porsche | ポルシェの人気オプション「ペイント・トゥ・サンプル」に新たな10色が登場 | やはりこれからは「グリーン」が来るのかも ポルシェのカスタムペイントプログラム「ペイント・ ...

続きを見る

20/21インチ鍛造アルミホイールも同色に塗装され、繊細なシルバーラインが高級感を演出することに。

なお、このシルバーはCNCではなく「塗り分け」のように見え、ポルシェクレスト(エンブレム)は意図的に「カラーではなく」シルバー。

327269_1920x1489

Image:Porsche


内装:オセロットの美しさを再現したレザーとファブリック

キャビン内はコヒーバブラウンレザーを基調とし、アマゾンに生きるオセロットの毛並みを思わせる配色を持ち(エアコンのルーバーなど、レザーを使用する面積がかなり広い)・・・。

327272_1920x1440

Image:Porsche

シートセンターには、伝統的なペピータ柄ファブリック(トリュフブラウン/ブラック/クリームホワイト)を採用することでクラシックポルシェへのオマージュも込められています。

327273_1920x1440

Image:Porsche

ポルシェが歴史的遺産として重用するペピータ(千鳥格子)。いつからポルシェはこれを採用し、今までどういった経緯を経てどう進化したのか
ポルシェが歴史的遺産として重用するペピータ(千鳥格子)。いつからポルシェはこれを採用し、今までどういった経緯を経てどう進化したのか

| 近年のポルシェの「ヘリテージ」志向と相まって大きな注目を浴びているのがこのペピータである | ポルシェは最初の市販モデル、356の時代からこのペピータを使用していた さて、ここ最近ポルシェが積極採 ...

続きを見る

ヘッドレストにはコロンビアの道路標識をモチーフにしたオセロットのシルエットエンボスが施され、自然と人間の共生を象徴するアイコンとして強い印象を残すことに。

327264_1920x1440

Image:Porsche

そのほか、トリュフブラウンのステッチと12時位置にマーカーを持つステアリング、レーステックスのヘッドライナーなど、クラフトマンシップと精密さの融合を体現したディティールが随所に見られますが、特筆すべきはフロントトランク内も「フルカスタム」されていること。

フロントトランク内のカスタムと言えばシンガー・ヴィークル・デザインを想起しますが、ここ最近ポルシェが発表する「ソンダーヴンシュ」による車両の多くはフロントトランク内が美しく再構築されており、今後「こういった仕様」が定番化するのかもしれませんね。

327265_1920x1440

Image:Porsche

世界に1台だけ|内外装がレッドとピンクのポルシェ911 S/T”ハイカスタム”が登場。ボディカラーはイチゴを意味する「フレーズ(イチゴ)」
世界に1台だけ|内外装がレッドとピンクのポルシェ911 S/T”ハイカスタム”が登場。ボディカラーはイチゴを意味する「フレーズ(イチゴ)」

Image:Porsche Zentrum Hegau-Bodensee(Instagram) | このこだわりを実現してしまうポルシェは「さすが」である | 【一台限定】ポルシェ911 S/T「フレ ...

続きを見る


記念の意義:「25周年のポルシェ・ラテンアメリカ」と「30周年のAutoelite」

今回のプロジェクトは、ポルシェ・ラテンアメリカの25周年、およびコロンビア公式インポーター「Autoelite」の30周年という2つの節目を祝うもの。

Bピラーには「Iconos de Latinoamérica(ラテンアメリカの象徴)」のバッジが輝き、ドアシルにはそれぞれ「30 Años de Autoelite」「25 Años de Porsche Latin America」の文字が刻まれ、細部に至るまでラテンアメリカとポルシェの絆を象徴するデザインが施されています。

327267_1920x1441

Image:Porsche


Sonderwunsch(ゾンダーヴンシュ)プログラムとは?

「Sonderwunsch」は、1970年代末に始まったポルシェの特別注文プログラムであり、顧客とポルシェが共同で“世界に1台だけのポルシェ”を創り上げることを目的としています。

現行プログラムでは、新車製造段階でのオプション追加だけでなく、既存車両の内外装再設計や完全リビルドにも対応し、クラシックモデルでは、レストアとパーソナライズを融合させたアプローチを採用するなど「単なるレストア」にとどまらない展開も。

今回の「911 GT3 オセロット」は、このSonderwunschの精神を現代的に再解釈した象徴的な一台だともいえそうですね。

327263_1920x1553

Image:Porsche

ポルシェが個人オーナーのために「当時存在しなかった」993スピードスターをワンオフにて製作。993ターボ、993RSのほか最新要素も取り入れる
ポルシェが個人オーナーのために「当時存在しなかった」993スピードスターをワンオフにて製作。993ターボ、993RSのほか最新要素も取り入れる

Image:Porsche | この993スピードスター「LT」には細部に至るまでオーナー、そしてポルシェの愛情と情熱が込められている | 当時は一般的ではなかった「ブラックアクセント」、最新の「クワ ...

続きを見る


まとめ:ポルシェが描く“自然と感性の共鳴”

「911 GT3 オセロット」は、単なる特別仕様車ではなく、ラテンアメリカという文化圏の魂と自然の調和を表現したアートピース。

ポルシェは今後、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなど各国の文化をテーマにした特注モデルを発表していく予定だとコメントしており、「Icons of Latin America」は今後のSonderwunschの展開における象徴的な起点となるのかもしれません。

合わせて読みたい、ポルシェ関連投稿

一度は「失われた」1972年のル・マン優勝車ポルシェ911 2.5 S/T。その個体を発見し修復したオーナーへといま、同じカラーにペイントされた現代版911 S/Tが納車される
一度は「失われた」1972年のル・マン優勝車ポルシェ911 2.5 S/T。その個体を発見し修復したオーナーへといま、同じカラーにペイントされた現代版911 S/Tが納車される

Image:Porsche | 伝説の復活、ル・マン覇者「911 2.5 S/T」 | 数十年の時を経て「幻のバーンファインド」のウワサを辿り発見される 2013年に「サンフランシスコ近郊の納屋で、1 ...

続きを見る

【限定モデル】カナダを称える特別なポルシェ911 GT3 RSが登場。ペイントも内装もカナダ愛が満載
【限定モデル】カナダを称える特別なポルシェ911 GT3 RSが登場。ペイントも内装もカナダ愛が満載

Image:Porsche | カナダを讃える特別仕様のポルシェ911 GT3 RSが登場 | 限定1第、チャリティイベントのために製作される ポルシェは数々の特別仕様車をリリースしていますが、その多 ...

続きを見る

ポルシェ911
「ポルシェ」と「ポルシェデザイン」はどう違う?機能主義の確立から現代の工業デザイン再定義に至る変遷、そして現在

| ポルシェとポルシェデザインとは「近くて遠い、遠くて近い」関係性である | 序章:ポルシェデザインの特異性と専門的定義 ポルシェデザイン(Porsche Design)は、単にポルシェのライセンス製 ...

続きを見る

参照:Porsche

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , , ,