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| ポルシェが南米の文化・自然・情熱を形に。特注プログラム「Sonderwunsch(ゾンダーヴンシュ)」による新シリーズ「Icons of Latin America」が始動 |
ラテンアメリカの魂を形にした特注ポルシェ「911 GT3 オセロット」
ポルシェ・ラテンアメリカ(南米のポルシェ現地法人)が2025年に創立25周年を迎えるのを記念し、同社が新しい特注プロジェクト「Icons of Latin America(ラテンアメリカの象徴)」をスタートさせたと発表。
このシリーズはラテンアメリカ各国の文化・自然・伝統をモチーフとし、ポルシェのパーソナリゼーションプログラム「Sonderwunsch(特別注文)」によって1台ずつ丁寧に仕立てられるもので、その第1弾として登場したのが今回紹介するポルシェ911 GT3 Touring “Ocelot(オセロット)”。
このクルマはコロンビアのアマゾン熱帯雨林、そしてそこに生きる美しいヤマネコ“オセロット”にインスピレーションを受けている、と説明されています。
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外装:フォレストグリーン・メタリックが描く“生命の森”
「Ocelot」は、ペイント・トゥ・サンプル仕様のフォレストグリーン・メタリックで仕上げられており、陽光の角度によって深緑から翡翠色まで変化するという色味を持っています。
これはアマゾンの濃密な樹冠とそこに広がる生命のリズムを表現したもので、そこに付与されるアクセントは「センテネア・シルバー」。
1960年代の初代911を想起させるクロームトリムを再解釈する形にてウインドウモール、ドアミラー、ドアハンドルへ等へと採用されています。
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リアスポイラーのガーニーフラップ、ドアハンドル、ミラーハウジング、エアインテーク、そして“PORSCHE”ロゴに至るまで、全体にクラシックとモダンの融合が感じられる仕様となっており(このリヤセクションの仕上げはなかなか新鮮)・・・。
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20/21インチ鍛造アルミホイールも同色に塗装され、繊細なシルバーラインが高級感を演出することに。
なお、このシルバーはCNCではなく「塗り分け」のように見え、ポルシェクレスト(エンブレム)は意図的に「カラーではなく」シルバー。
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内装:オセロットの美しさを再現したレザーとファブリック
キャビン内はコヒーバブラウンレザーを基調とし、アマゾンに生きるオセロットの毛並みを思わせる配色を持ち(エアコンのルーバーなど、レザーを使用する面積がかなり広い)・・・。
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シートセンターには、伝統的なペピータ柄ファブリック(トリュフブラウン/ブラック/クリームホワイト)を採用することでクラシックポルシェへのオマージュも込められています。
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ヘッドレストにはコロンビアの道路標識をモチーフにしたオセロットのシルエットエンボスが施され、自然と人間の共生を象徴するアイコンとして強い印象を残すことに。
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そのほか、トリュフブラウンのステッチと12時位置にマーカーを持つステアリング、レーステックスのヘッドライナーなど、クラフトマンシップと精密さの融合を体現したディティールが随所に見られますが、特筆すべきはフロントトランク内も「フルカスタム」されていること。
フロントトランク内のカスタムと言えばシンガー・ヴィークル・デザインを想起しますが、ここ最近ポルシェが発表する「ソンダーヴンシュ」による車両の多くはフロントトランク内が美しく再構築されており、今後「こういった仕様」が定番化するのかもしれませんね。
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記念の意義:「25周年のポルシェ・ラテンアメリカ」と「30周年のAutoelite」
今回のプロジェクトは、ポルシェ・ラテンアメリカの25周年、およびコロンビア公式インポーター「Autoelite」の30周年という2つの節目を祝うもの。
Bピラーには「Iconos de Latinoamérica(ラテンアメリカの象徴)」のバッジが輝き、ドアシルにはそれぞれ「30 Años de Autoelite」「25 Años de Porsche Latin America」の文字が刻まれ、細部に至るまでラテンアメリカとポルシェの絆を象徴するデザインが施されています。
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Sonderwunsch(ゾンダーヴンシュ)プログラムとは?
「Sonderwunsch」は、1970年代末に始まったポルシェの特別注文プログラムであり、顧客とポルシェが共同で“世界に1台だけのポルシェ”を創り上げることを目的としています。
現行プログラムでは、新車製造段階でのオプション追加だけでなく、既存車両の内外装再設計や完全リビルドにも対応し、クラシックモデルでは、レストアとパーソナライズを融合させたアプローチを採用するなど「単なるレストア」にとどまらない展開も。
今回の「911 GT3 オセロット」は、このSonderwunschの精神を現代的に再解釈した象徴的な一台だともいえそうですね。
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まとめ:ポルシェが描く“自然と感性の共鳴”
「911 GT3 オセロット」は、単なる特別仕様車ではなく、ラテンアメリカという文化圏の魂と自然の調和を表現したアートピース。
ポルシェは今後、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンなど各国の文化をテーマにした特注モデルを発表していく予定だとコメントしており、「Icons of Latin America」は今後のSonderwunschの展開における象徴的な起点となるのかもしれません。
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