| ただしポルシェはその偉業を忘れないため、ボディパネルの破損や汚れはそのままに |
見たところ959ラリーの車体は市販モデルの911にかなり近い
さて、ポルシェが「ダカールラリーを走った959ラリーのレストア」を紹介するシリーズ動画を公開。
このポルシェ959はもともとWRC参戦を目的として開発されたラリーカーに端を発しますが、グループBが消滅したために参戦の機会を失い、これを(当時の)パリ~ダカ
ール・ラリー用へと転用したことからその歴史が始まります。
参戦1年目(1984年)は930に4WDシステムを装着した「953」を使用し(初参戦にて1位、6位、28位に入っている)、1985年から「959」として参戦するもののこの年は3台全てがリタイヤし、しかし1986年には雪辱を果たして1位と2位を独占し、サポートカーも6位に入るという好成績を残しています。
レストアを受けるのは1986年の959ラリー
そこで今回ポルシェがレストアを行うのは1986年で2位に入ったジャッキー・イクス/クロード・ブラッスール号(1位はレネ・メッジ/ドミニク・ルモイヌ号)。
なお、この年に走った3台はすべてボルシェが所蔵している、とのこと。
そこでまずこのポルシェ959は(ポルシェ博物館の)ワークショップへとへと運ばれ・・・。
細部のチェックを受けることに。
なお、当時の汚れや破損はそのまま残っているといい、それは「このクルマが川をわたり、荒野を走り、砂漠を超え、厳しい戦いを勝ち抜いた」という事実を常に思い起こさせるからだといいます。
動画では、なかなか見る機会のない細かいところまでを紹介してくれています。
そのため、今回のレストアにおいても外装の傷みや汚れを修復することはないといい、メカニカルパーツの補修を行うにとどまるようですね。
そこでボディパネルをすべて剥がすとこう。
こちらがビフォー。
ポルシェ959はこんなクルマ
ボディパネルを外した959を見てみると、その年式や、厳しいラリーを走り抜いたとは思えないほど良好な状態を保っており、改めてポルシェの耐久性の高さを思い知らされますが、意外とガチガチに補強されていないのがちょっと意外。
もともとポルシェのスポーツカーは「レーシングカーとの境界線がそもそも存在しない(いつでもレーシングカーに転用できる)」と言われますが、まさにそんな感じですね。
ただし室内には補強のためにロールケージがガッチリ入ります。
インタークーラーはかなり巨大。
タービンはリアタイヤの後ろに配置されてフラットシックスを加給し、最高出色は394馬力(市販バージョンの959よりも低い数字だが、これはレースに使用する燃料の品質があまり良くないことに起因)。
今回のレストアでは、パワープラント、トランスミッション、その他のドライブトレインをオーバーホールし、オイルクーリングラインなどを交換することになるのだそう。
959ラリーのコックピットも市販車との共通性が垣間見られ、しかしモトロニックエンジンの制御、燃料タンクの選択、全輪駆動システム関連スイッチなど、競技専用モデルならではの操作系が見られます。
ポルシェ959ラリーをレストアのため分解してゆく動画はこちら
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参照:Porsche