Image:andymindtofficial
| フォルクスワーゲンは継続して「コンパクトなアーバンモビリティ」の可能性を模索している |
さらには公共交通機関の可能性も検討していると伝えられる
さて、各自動車メーカーは大学とのコラボレーションによって様々なデザインコンペやコンセプトカーの製作を行うことがあり、ここから自動車メーカーはある種のインスピレーションを得たりすることができますが、学生に対しては「企業の生産活動に貢献した」という帰属意識を与えることが可能となります。
そしてフォルクスワーゲンはこういった「産学連携」姿勢を強める自動車メーカーのひとつでもありますが、今回「1959年から始まった、若いデザイン学生を支持する”Think Small”キャンペーン」最新作品が公開に。
フォルクスワーゲン NOAはこんなクルマ
この作品はラース・リーマンなる若いデザイナーによって作成され、フォルクスワーゲンのデザイン部門長であるアンドレアス・ミント氏のインスタグラムにて取りあげられていますが、これはホイールハブモーターを取り入れたコンパクトな2シーターで、既存の(いわゆる)自動車とは全く異なる印象を与える形とスタンスを持っています。
いくつか公開された画像を見るに、滑らかで透明感のあるボディにてフラッシュマウントされたバッジやライトが埋め込まれていて、デザインは非常に空力的かつフラッシュサーフェス、そして部分的に覆われたホイールが特徴的。
「今日のグローバルな課題である”技術の進歩、進化するモビリティサービス、そして多様な市場の需要への対応”に対し、NOAはモビリティの未来を再定義します。このコンセプトは、年齢、性別、能力に関係なく、誰もがアクセスできることを確保するインクルーシブで人間中心のデザインを支持しています。ラースの最新のデザインビジョンは、革新的なアイデアがどのようにインスピレーションを与えるコンセプトに変わるかを示しています。フォルクスワーゲンでは、若い才能に未来のモビリティを形作る自由とツールを提供することを信じています。」
フォルクスワーゲンデザイン部門長 アンドレアス・ミント
実際にこういったデザインが実現するかどうかは不明ではあるものの、多くの自動車メーカーが長年、次世代デザイナーの創造性と革新性を促進するために学生と協力しており、最近の例としては、ルシードモーターズとアカデミー・オブ・アート大学とのパートナーシップが記憶に新しく、学生たちは持続可能性と先進的なモビリティコンセプトに焦点を当てた革新的なクルマのデザインに挑戦しています。
また、ポールスターは自動車デザインの限界を押し広げることを奨励する年次デザインコンテストを開催しており、レクサスはロイヤル・カレッジ・オブ・アートと協力して未来のラグジュアリーカーのビジョンをデザインするという取り組みを学生と行っていることも知られていますね。
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そしてフォルクスワーゲングループ・オブ・アメリカは、2021年にアカデミー・オブ・アート大学の産業デザイン学部と提携し、「未来のモビリティコンセプト」を探求したことがあって、ここでは持続可能性と先進技術に焦点を当てた長距離旅行の革新的な解決策をデザインしていますが、学生たちは業界の専門家から直接経験と貴重な洞察を得ることとなり、フォルクスワーゲンは進化する交通の風景に対する新たな視点を得たと報じられています。
このようなプログラムに関わるデザイナーは、しばしば学外プロジェクトを通じて(関係性を持った)自動車メーカーに就職することがあるため、もしかすると、ラース・リーマン氏が将来、フォルクスワーゲンにて働いている姿を見ることができるかもしれませんね。
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参照:andymindtofficial(Instagram)