ここ数年で、これほどまでに「欲しい」と思ったクルマは他にない
昨年のジュネーブ・モーターショーにて「ランチア・ストラトス」の現代版である”ニューストラトス”を発表したマニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノ(Manifattura Automobili Torino)。
今年のジュネーブではその「市販モデル」を公開し、さらには「マニュアル・トランスミッションにも対応する」と発表しています。
ニュー・ストラトスはこんなクルマ
マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノによると「ニュー・ストラトス」はフェラーリ430スクーデリアをベースにしたコンプリートカー。
もともとはピニンファリーナによるデザインで2010年に発売する、とされていたものですが、フェラーリがこれに反対したと言われ、当時その計画はお蔵入りとなっています。
そしてどう風向きが変わったのかは不明ではあるものの、昨年突如「限定25台で生産する」とマニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノが声高らかに宣言して現在に至る、という流れですね。
なお、ニュー・ストラトスには「ランチア」の名はつかず、これはおそらく商標の関係。
法規上は「フェラーリの改造車」ということになりそうですが、マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノはニュー・ストラトスを完成車として販売するのではなく、「フェラーリ430スクーデリアを用意できる人に対してカスタムを行う」としており、なかなかにハードルの高いクルマとなっています(そもそもフェラーリ430スクーデリアを入手せなばならず、総額では1億円近くなる)。
マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノは単に「フェラーリ430スクーデリアのガワを変えてランチア・ストラトス風にする」のではなく、エンジンは430スクーデリアに比べ+30馬力の540馬力、0-100キロ加速は3.3秒にまで短縮すると発表しており、ホイールベースも”元祖”ランチア・ストラトス同様に短くなる(マイナス20センチ)ようですね。
ちなみに今回「マニュアル・トランスミッション」搭載可能という発表がなされていますが、フェラーリ430スクーデリアにはMT搭載モデルはなく(6速セミオートマのみ)、よってこの問題をどう解決するのかは不明。
ただ、「スクーデリア」ではないF430には6速マニュアル・トランスミッションが搭載されているため、これを流用するのかもしれません。
すでに「2台」のニューストラトスが完成
マニファットゥーラ・アウトモビリ・トリノによれば、すでに納車可能な2台のニュー・ストラトスが完成。
ジュネーブ・モーターショーにて展示されたのち、1台はドイツへ、そしてもう一台はアメリカへと送り届けられることも公表されています。
ちなみに今回はオフィシャルフォトとして3台の画像が公開されていますが、どの2台が納車されるものなのかは現在のところ「謎」。
日本でも「ランチア・ストラトス」のレプリカが話題に
なお、時を同じくして、日本でもランチア・ストラトスのレプリカが発表に。
これはイギリスのリスター・ベル・オートモーティブが製造するレプリカ「The STR(やはりランチアと名はつかず、ストラストも名乗らない)」を日本のUK CLASSIC FACTORYが輸入販売するもの。
外観こそランチア・ストラトスではあるものの、その構造自体は大きくオリジナルと異なり、オリジナルのランチア・ストラトスがセンターモノコックを採用するのに対し、このThe STRは「鋼管スペースフレーム」を使用。
ただしこれによって「より軽量」「より剛性が高く」なっているのも事実で、そのパフォーマンスはオリジナルを大きく凌駕することになりそうですね。