| フェラーリF50は現在、その価値をどんどん上昇させている |
フェラーリF50の要素を取り込みつつ、現代の技術でそのディティールを再現
さて、オランダのデザイン会社、Ugur Sahin Design (USD)が「プロジェクト・フェニックス」と名付けたコンセプトカーを公開。
このUgur Sahin Designは2007年に設立され、自動車や工業製品の初期スケッチ製作や3Dモデリングを行う会社だそうですが、自社の創業15周年を迎えようという節目に”フェラーリF50へのオマージュ”としてこの作品を製作したのだそう。
その会社の性質を考慮するに、おそらくは今回のレンダリング発表のみで終結し、実際に車両の開発や発売が行われる可能性はなさそうではあるものの、オランダと言うとドンカーブート(ドンケルフォールト)やスパイカー他自動車メーカーがいくつか存在、または過去に存在し、いずれかのタイアップにて実現する可能性がないとは言えないかもしれません。
そのデザインはフェラーリF50にインスパイアを受ける
そしてこのプロジェクト・フェニックスのデザインはかのフェラーリF50にインスパイアを受けており、Ugur Sahin Designによると、「このコンセプトの課題は、オリジナルのデザインに敬意を払いながらも、本質的には現代的な解釈を維持する、新旧の複雑なバランスをとること」。
要は「フェラーリF50へのリスペクトを怠ることなく、しかし単なる焼き直しにならないよう」注意したということになりそうです。
フェラーリF50はこんなクルマ
フェラーリF50は、F40の”公道を走るレーシングカー”というコンセプトに対して”公道を走るF1”という理念のもとに開発されており、実際にそのエンジンブロックは1990年のF1にてアラン・プロストがドライバーズタイトル2位を、そしてフェラーリが総合3位を獲得し、通算100勝をあげることになったF1マシン「フェラーリ641」に採用されていた設計を流用しています。
カーボンモノコックシャシーに対し、ブッシュ類を介せずにそのままダイレクトにエンジンをリジッドにマウントするという強烈極まりない構造を持つことも特徴のひとつで(サスペンションもF1風のプッシュロッド)、振動やノイズがF40に比べても大きく、登場後は一部で(あまりのハードさに)非難を浴びたことでも有名です。
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プロジェクト・フェニックスはまさにフェラーリF50へのオマージュ
そしてこのプロジェクト・フェニックスを見るに、まさにフェラーリF50へのオマージュと言えるデザインを多数持ち、フロントフード上のダクトはその端的な例かもしれません。
リアだともちろんカウル一体型のリアウイングにトンネルバック、透明のエンジンベイフードも。
さらにはエンジンベイフードのセンターが「ちょっとだけ」段差とともに窪んでいるデザイン、車体をぐるりと囲むブラックのストリップも「F50らしい」ところですね。
反面、デイタイムランニングランプはストリップ内に埋め込まれ、ヘッドライトはダクトの中に組み込まれるなど、現代の技術を活かしたデザインも(ちょっとマクラーレンの”アイソケット”っぽい)。
さらにはJカーブを描くサイドウインドウ、ボディサイドのダクトもフェラーリF50へのリスペクトを感じる部分です(このJカーブは、F40やF50、エンツォフェラーリ、ラ・フェラーリなど、フェラーリのスペチアーレに多く見られる)。
丸四本出しのテールパイプはF50同様、そしてテールランプは「丸4灯」を新しく解釈し、サイドから続くストリップを車体後部にまで延長してインテグレート。
ホイールはフェラーリ伝統の5本スポークではなく8本スポーク。
全体的に非常にクリーンなデザインを持ち、Ugur Sahin Designはうまく自社流にそのデザインを解釈したと言えそうですね。
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