| フェラーリ・モデューロは発表から50年以上経過してなお人々を魅了し続ける |
フェラーリ・モデューロと同じカラーを持つものはわずか5個の限定商品
さて、先日は市販車における「0-60mph加速」「0-100km/h加速」「0-120mph加速」「0-200km/h加速」「60mphからの停止距離」という5つ世界新記録を自社のエレクトリックハイパーカー、バッティスタにて達成したと発表したピニンファリーナ。
もともとはフェラーリのデザインを請け負っていたことで名が知られていますが、その後フェラーリが車両のデザインをインハウスへと切り替えるにあたって契約を解除することになり、経営が傾いたところに手を差し伸べたのがインドのマヒンドラ。
そして現在はこのマヒンドラ傘下にて、創業者であるバッティスタ・ピニンファリーナの積年の夢であった自社名義の市販車をついに発売することとなったわけですが、今回はそのネームバリューを活かした新しいビジネスということなのか、なんと「iPhoneケース」を発売することに。
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そのiPhoneケースは「ピニンファリーナ・モデューロ」をイメージ
このiPhoneケースに置いて特筆すべきは、ピニンファリーナがデザインした「フェラーリ512 Sモデューロ・コンセプト」にインスパイアされているということ。
フェラーリ512 Sモデューロ・コンセプトの発表は1970年のジュネーブ・モーターショーで、「モデューロ」とはイタリア語でモジュールを指し、しかしこのクルマでイメージしたのは”宇宙船のキャビン”。
ボディはピニンファリーナに在籍していたパオロ・マルティンによるデザインで、全長4480ミリ、全幅2048ミリ、全高はわずか935ミリ(ただしベルトーネ「ストラトスHFゼロ」の830ミリには及ばない)、搭載されるエンジンは5000cc/V12(ミドシップ)、トランスミッションは5MT、駆動輪は後輪のみ。
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このインパクトあるスタイルは発表から50年を経過してなお多くのデザイナーに影響を与え続けており、ケン・オクヤマ氏によるKode 0もモデューロの影響を受けたものだと公式に語られたことも(同氏がデザイナーを志したのは、このモデューロを1970年の大阪万博で直接見たことがその理由だとされる)。
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なお、つい最近(2020年)だと、このモデューロが記念切手となって発売されたというニュースも報じられています。
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ちなみに現在このコンセプトカーを所有するのは(ル・マン24時間レースへの参戦で知られる)スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスを主催するジェームズ・グリッケンハウス氏。
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ピニンファリーナ製iPhoneケースはこんな仕様を持っている
そこでこのピニンファリーナ製iPhoneケースを見てみたいと思いますが、これはINKARの依頼によって作られたもので、実際に2022年12月1日から同社のウエブサイトにて購入が可能に。
INKARによれば、このiPhoneケースの開発には2年を要し、0.1mm単位で細部を磨き上げるなど究極のこだわりを反映させたといい、製品のデザインそのものはピニンファリーナのデザイナーであるパオロ・ルガロ氏によるもので、モデューロのシェイプはもちろん、エンジンカバーに設けられた24個のホールなど、実車に用いられるデザイン要素が取り入れられ、製造にあたってはイタリアでひとつひとつ手作業にて行われる、とのこと。
ケースはフルカスタマイズが可能となり、5色のカラー、2種類のレンズ用レザー、さらにはナチュラルウッド、カーボンファイバー、アルミニウム製の10種類のプレートが用意されています。
生産数は13 Pro用と14 Pro用とで各99個に限定されており、そのうち5個は、フェラーリ512 Sモデューロ・コンセプトのサイドを走るレッドのラインをイメージした特別仕様「レッドライン・シルバー」。
ただしそれ以外であっても希少な存在であることには変わりがなく、それぞれのケースには、その固有性を記録するためにシリアルナンバーが刻印されている、とのこと。
ちなみにフェラーリ512 Sモデューロ・コンセプトのボディカラーは発表当時「ブラック」だったといい、その意味ではこのブラックはかなり「ツウ」な選択かも(発表後ほどなくしてホワイトに塗り直されている。たしかにこのほうが宇宙船っぽくていい)。
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参照:Pinifarina