フェラーリが「サイバー攻撃によって顧客情報が流出した」と公式に発表！ボクのところにも「親愛なるフェラーリスタ様、残念ながら」というメールがCEO名義で届いてた

｜　情報流出自体は近年「よくある」ことなのでフェラーリに限ったものではなく、特別珍しいものではない　｜

幸いなことに支払い・口座情報、車両の注文状況は流出していない

さて、フェラーリが「サイバー攻撃によって一部顧客情報が流出した」と自社のプレスリリースにて発表。

ちなみにですが、フェラーリCEO、ベネデット・ビーニャ氏の署名入りにてぼくのところにも（3月21日付けで）メールが届いており、まずは「親愛なるフェラーリスタ様」からはじまり、「誠に残念なことに、抜き取られたデータの中にあなた様の情報が含まれている可能性がございます」と続いています。

ただし漏洩した情報の中には支払いや口座に関する情報、所有しているフェラーリや注文したフェラーリに関する情報は含まれておらず、特に大きな問題はなさそうでもありますね。

フェラーリは身代金要求には応じない

なお、このサイバー攻撃はいわゆるランサムウエアに分類されるもので、つまりは漏洩したデータに対して身代金の請求がなされているそうですが、フェラーリは「この要求に応じることで、テロ行為などの犯罪活動に資金を提供することになる」との判断、そしてフェラーリのポリシーに従い身代金要求に対していかなる対応も行わないと宣言。

フェラーリによれば、本件については外部企業であるグローバルフォレンジックの協力のもとで調査を開始しており、関係当局に対しても報告済みだといい、加えて、業務に支障がないことも顧客へのメールに記載されており、あとは法的措置に基づいた捜査が行われ、犯人が明らかになることを待つばかりだと思われます。

参考までに、フェラーリからのプレスリリースの概要は以下の通り。

マラネッロ（イタリア）、2023年3月20日 - Ferrari N.V. (NYSE/EXM: RACE)（以下、フェラーリ）は、イタリアの100％子会社であるFerrari S.p.A. が、最近脅威行為者から、特定の顧客の連絡先に関する身代金の要求を受けたことを発表します。身代金要求の連絡を受けた当社は、直ちに世界有数の第三者サイバーセキュリティ会社と共同で調査を開始しました。また、関連当局にも報告し、法の及ぶ範囲内で調査していただけるものと確信しております。

ポリシーとして、フェラーリは身代金を支払うことはありません。そのような要求に応じることは、犯罪行為に資金を提供し、脅威者が攻撃を永続させることを可能にするからです。

その代わり、私たちはお客様にお知らせすることが最善の行動であると考え、データ流出の可能性と事件の性質についてお客様にお知らせしました。

フェラーリは、お客様の機密保持を非常に重要視しており、この事件の重要性を理解しています。私たちは、第三者の専門家と協力して、システムをさらに強化し、その回復力に自信を持っています。また、今回の情報漏洩が当社の業務機能に影響を及ぼしていないことを確認しています。

Ferrari

現在、様々な自動車関連企業が様々な被害に遭っている

現代では、あらゆる産業がデジタル化され、悪意ある第三者が個人情報を入手したり、通常の生活を破壊したりする機会に溢れており、それは「走るスマートフォン」となりつつある自動車、そしてそれに関わる業界においてはもっとも身近にある脅威なのかもしれません。

今回のようなランサムウエアについては、すでにボルボ、トヨタ、日産、ゼネラルモーターズ、ホンダが同様の被害に遭ったことが報じられており、ホンダの場合は北米の一部工場にて一時的な操業停止を余儀なくされたほど。

米国ではNHTSA（National Highway Traffic and Safety Administration＝国家道路交通安全局）がコネクティビティ機能に関する安全対策ガイドラインの更新を行うなど、政府も対策に乗り出しているものの、セキュリティが向上し、新しいプロセスが統合されたとしても、ハッカーはすぐに適応し、データを不正に取得して企業を脅したり、業務を中断させたりする新しい方法を見つけることになるのは間違いなく、つまりは「いたちごっこ」が続くであろうことも予想でき、この問題は根本的な解決を行うことが非常に難しいのかもしれません。

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参照：Ferrari