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フェラーリが「回転式大型ディスプレイ」に関する特許を出願。「近年、大型画面の需要が拡大しているが、インテリアと調和せずデザイナーの仕事を台無しにすることがある」

フェラーリ

| 意外なことではあるが、フェラーリはスポーツ走行以外のユーザーエクスペリエンス向上にも熱心である |

実際のところ、現行モデルの液晶メーターはスポーツカーセグメント「最大」である

さて、様々な特許を出願しているフェラーリですが、今回は「ダッシュボードに内蔵する回転式ディスプレイ」なるパテントが公開となっています。

回転式ディスプレイというと、ベントレーの採用する「ローテーションディスプレイ」が有名ですが、フェラーリが出願したものはさらにサイズが大きく(iPadくらいある)、より大きな表示面積を持つことが特徴です。

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フェラーリは「室内エンターテイメント」にも力を入れている

意外かもしれませんが、フェラーリは室内エンターテイメントにも注力していて、実は(オプションでではあるものの)アップル・カープレイを自動車業界で最初に取り入れたのはフェラーリです(おそらく、助手席ディスプレイを最初に採用したのもフェラーリなんじゃないかと思う)。

そして最近だと「「社会の要望やニーズは変化しており、あらゆる種類のクルマ の乗員は、前方にインタラクティブスクリーンがないと退屈する可能性がある」として角度調整や取り外しが可能なディスプレイに関する特許を出願したばかりで、つまりフェラーリはドライバーはもちろん、隣に乗る人に対しても多大なる配慮を行っているということになりますね(かつてランボルギーニ創業者、フェルッチョ・ランボルギーニが「フェラーリの助手席に乗る御婦人は、快適性を犠牲にしたフェラーリの室内空間によってメイクが台無しになってしまう」とコメントしたことが嘘のようである)。

そういったフェラーリの考え方が今回の特許につながったということになりますが、なぜ「回転式なのか」というと、それは大きなディスプレイは室内の景観を乱す可能性があるから。

実際のところ、フェラーリは今回の特許出願において「ますます大型化するインフォテイメントスクリーンの人気が高まっているが、ほとんどの場合、スクリーンは接続先のダッシュボードから突き出ており、ダッシュボードを圧迫したり、美観を損なう効果を生み出したりして、ダッシュボードの形状や曲線を定義するインテリアデザイナーの作業の一部を台無しにしている」と述べています。

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さらにフェラーリは「現代の自動車のスクリーンは独立した要素のように見え、取り付けられている車両のスタイルと完全に調和しているわけではない」ともコメントしており、つまりは「大型ディスプレイを装着し、室内空間を快適なものとしたいと考える一方、大型ディスプレイはインテリアの美観を損なう」という悩みを解決するために今回の特許を出願したのだと考えられます。

ただしフェラーリが提案したのはベントレーの「3面」とは異なって「2面」で構成されており、一つの面はもちろん液晶ディスプレイ、そしてもう一つの面はインテリアとマッチするカーボンファイバーやレザー、ウッド、そのほかフェラーリの使用する素材を使用するという前提。

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これによってディスプレイが180度反転すると(ベントレーの回転ディスプレイのように)テクノロジーを感じさせる範囲が最小限となり、クラシカルで優雅な内装を演出することができますが、フェラーリはこの「液晶ディスプレイではない面」に”Eインク”を使用することも提案しており、これによって「ディスプレイが隠れているときであっても」必要な情報を乗員に伝えることができるとしています。

なお、このEインクとは、BMWが少し前に公開した「電気的に刺激を加えることで、自由にカラーや表示パターンを変更できるデジタルフィルム」であり、うまく使用すれば内装にマッチした表面を保ちつつ、(ステルス的に)様々なデータを示すことができるのかもしれません。

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もちろんこの特許が出願されたからといって、すなわちこれが「即フェラーリの市販モデルに採用」されるわけではなく、むしろ採用されない可能性のほうが高そうですが、いずれにせよフェラーリが「ユーザー インターフェイス エクスペリエンスの向上と美観の両立」に腐心していることがわかる内容だと思います。

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参照:European Patent Office, CARBUZZ

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