| ランチアはここしばらく「イタリア国内のみの販売、車種はイプシロンのみ」だったが |
今回の新型イプシロンは欧州全土で販売予定
さて、ランチアが「13年ぶりの新車」、イプシロンを正式発表。
ランチアは長らく(先代)イプシロン1車種のみのラインアップという状態が続き、そこからの展開が見えなかった状態ですが、フィアット・クライスラー(FCA)とプジョー・シトロエン(PSA)とが合併しステランティスが誕生した後、傘下にある他ブランドとともに一定の期間と金銭的猶予を与えられ、そこで新しい再生計画を打ち出しています。
その中にはデルタの復活、新しいフラッグシップの発売といった計画も含まれていますが、この「新生ランチア」における第一弾がこの「イプシロン」というわけですね。
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ランチアのデザインは新世代へと突入
なお、ランチアはCEOそしてデザイナーを一新しており、新しい経営体制のもと新デザイン言語「「PU+RA」を推し進めていますが、これは「ピュアとラディカルとの融合」をイメージしたとされ、ランチアの次の100年のデザインを定義するものだといい、そのイメージとしては「プログレッシブ・クラシック」なのだそう。
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まず市場に投入されるのはEVバージョンとなり(のちにマイルドハイブリッドも発売予定)で、搭載されるエレクトリックパワートレーンはプジョー e-208に積まれる154馬力 / 260Nmを発生するフロントモーター+51kWhのバッテリーパック。
一回の満充電あたり航続距離は最大で約400km、20%から80%まで充電するのに必要な時間は24分、車体重量は1,584kgだとアナウンスされています。
車体そのものもプジョー208 / e-208 と同じ CMP / eCMP ボーンを採用しており、サイドから見るとプジョー208との共通性が感じられると思います。
新型ランチア・イプシロンの前長は4.08メートル、幅は1.76メートル、高さは 1.44 メートルなので 先代よりも長く広く、しかし低いというスタイルを持ち、一言でいえばなかなかにスタイリッシュ。
全体的には「Y」をモチーフとしたディティールを持ち、丸いテールランプ、そしてその上のダックテールっぽいディティールが「ストラトス」を連想させますね。
ホイールアーチ、サイドミラー、リアピラーには光沢のあるブラック仕上げが施され、高級感も非常に高いと思います。
なお、今回発表されたイプシロンは(先に提携が発表された)イタリアの高級家具メーカー、カッシーナとのコラボレーションによる限定モデル「イプシロン・エディツォーネ・リミタータ・カッシーナ(YPSILON EDIZIONE LIMITATA CASSINA)」。
新型ランチア・イプシロンのインテリアはこうなっている
よってこのプシロン・エディツォーネ・リミタータ・カッシーナには、カッシーナとの共同開発による様々なディティールが盛り込まれており、ベロア風の生地を使用した「カネロニ パターン」シート、そして「円」をモチーフにしたトレイにはステッチが施されたレザーを見ることが可能です。
なお、ランチアは今後そのインテリアにおいて「イタリアの、居心地のいいリビングルーム」を再現してゆくとコメントしており、今後もカッシーナとのパートナーシップによって様々な仕様が提供されることになるものと思われます。
一方でデュアルスクリーンなど最先端の装備も提供され、(ありがたいことに)エアコン制御に素早くアクセスするための物理ボタンも設けられており、そのほかにはスマートフォン用ワイヤレスチャージ、3つのUSB-C ポート、Android AutoおよびApple CarPlayとのスマートフォン統合も。
さらには特注のサウンド システム、アンビエントランプ、および有害な粒子を99パーセント除去するエアコン用の特別なフィルターも備わっているといい、シティカーとしては非常に魅力的な選択肢ということになりそうです。
なお、先代イプシロンの販売はイタリアのみに制限されていたものの(それでもけっこう売れていたらしい)、しかし新型イプシロンはひとまず欧州全土にて販売されるといい、できることならば日本での販売も期待したいところですね。
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参照:LANCIA