| これ以上頼もしいランボルギーニCEOもほかにない |
さて、2020年限りで現在のランボルギーニCEO、ステファノ・ドメニカリ氏が退任すると発表されたのは9月の話ですが、昨日まではその後継者が指名されないまま、という状態です。
そう、昨日までは。
そして本日、ランボルギーニの新CEOとしてステファン・ヴィンケルマン氏が12月1日から就任するとアナウンスされ、業界関係者を驚かせることとなっているようですね。
ステファン・ヴィンケルマン氏はブガッティCEOと兼任
ステファン・ヴィンケルマン氏は1964年10月生まれ。
イタリア(ローマ)育ちのドイツ人(ベルリン生まれ)という、フォルクスワーゲン・アウディグループにぴったりの人材で、とくにランボルギーニとはマッチングがよく、イタリアンスーパーカーにドイツ車の信頼性を持たせることで大きな成長を実現した人物。
その功績が評価され、イタリア政府から2010年にグランドオフィサー、2014年にはイタリア最高位となるグランドクロス勲章を授与される(イタリア軍中尉の階級も持っている)など、内外において評価の高いビジネスマンでもあります。
ステファン・ヴィンケルマン氏がランボルギーニCEOを務めるのは「二度目」
自動車業界のキャリアは1992年のメルセデス・ベンツが最初で、その後1994年から2004年までフィアット・アルファロメオにて経験を積み、2005年からフォルクスワーゲン・アウディグループへと移った後、2016年までランボルギーニのCEOへ。
その後2016年には同じグループ内のアウディスポーツ(旧クワトロ社。移籍後早々に名称を変更した)へと異動し、現在はブガッティCEOを努めます。
長身痩躯、そしてハンサムな顔立ちから見栄えのするCEOとしても知られていますね。
そして今回の報道だと、ステファン・ヴィンケルマン氏はブガッティCEOとの兼任となるそうですが、これまでにも増して忙しい日々を送ることになりそうです。
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これまでのランボルギーニCEOはステファノ・ドメニカリ氏
そしてこれまでのランボルギーニCEOはステファノ・ドメニカリ氏。
ステファノ・ドメニカリ氏は1965年生まれで、幼少の頃よりモータースポーツに親しみ、ボローニャ大学卒業にはフェラーリへと入社。
フェラーリでは経理を担当した後にスポーツ部門、ロジスティクス部門等を経験した後、ジャン・トッド氏の後任としてスクーデリア・フェラーリ(F1チーム)CEOへ就任することに。
その後2014年にはフォルクスワーゲングループに移り、2017年からランボルギーニCEOを努めるも、2020年かぎりでランボルギーニを離れ、2021年1月からはF1のCEOに就任する、と発表されています。
なお、ステファノ・ドメニカリ氏は(それまでモータースポーツ活動にはさほど積極的でなかった)ランボルギーニにおいてモータースポーツ部門「スクアドラ・コルセ」を大幅強化しており、そして今回F1のCEO就任のためにランボルギーニを去るというところを見ると、「本当にモータースポーツが好きなんだな」という感じですね。
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ランボルギーニはこれからどう変わる?
そしてステファノ・ドメニカリ氏体制となるランボルギーニがどうなるのかということですが、「基本的には変わらない」と考えています。
同氏はフォルクスワーゲングループの意向に忠実ではあるものの、それ以上に各ブランドのDNAを重視しており、ブガッティにおいては「ガソリンエンジンで行けるところまで行く」とコメントしたばかり(つまり、フォルクスワーゲンの指示に従って急激にエレクトリック化に舵を切らないだろうと考える)。
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そして同氏の特徴として「製品よりもブランドを売る」という傾向が見られ、よってランボルギーニはステファン・ヴィンケルマン氏のもとでさらなるブランド価値伸長に取り組むことになるものと思われます。
ちなみに「LPナントカ」という伝統のネーミングを復活させたのはステファン・ヴィンケルマン氏ですが、このネーミングを廃止したのはステファノ・ドメニカリ氏。
よってステファン・ヴィンケルマン氏就任後は再びこの伝統が蘇ることになるかもしれず、加えて(ステファノ・ドメニカリ氏が活発化させた)モータースポーツ活動についてはちょっとトーンダウンするかもしれません。
ランボルギーニはフォルクスワーゲンからの分割が計画されているが
フォルクスワーゲン会長、ハーバート・ディエス氏によると、「ランボルギーニとドゥカティ、イタルデザインを、フォルクスワーゲングループから分割するためのアクションをはじめた」。
これの意味するところは売却もしくはIPOということになり、しかしぼくが考えるのはおそらくIPO。
そしてIPOにはそれなりの時間を要するため、ステファン・ヴィンケルマンCEOのもと新しい戦略を打ち出し、そこでランボルギーニの価値を最大限に高めた後に上場という計画を持っているのだろう、と考えています。
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