
| やはり全世界でイタリア車=壊れるというのは共通認識であるようだ |
ステランティス傘下の各ブランドはここへ来て積極攻勢に転じている
さて、マセラティが驚愕の「10年保証」を開始する、と発表(現在は北米市場においてのみの適用であり、日本市場がこれに追随するかどうかはわからない)。
これは現在マセラティが提供している4年もしくは5年の保証に追加されるものだそうですが、10年保証の対象はエンジンそしてトランスミッションとなるようですね。
これに関しマセラティは「この新しいサービスにより、マセラティはすべてのお客様に革新的な提案をすることができ、自動車業界において他に類を見ない柔軟性という点で付加価値を提供することができます」とコメント。
その名は「エクストラ10ワランティプログラム」
この10年保証については「エクストラ10ワランティプログラム」と名付けられており、2022年10月1日からすべてのマセラティの新車を対象に開始されるそうですが、その詳細についてはまだ公開されておらず、しかし「オーナーの自宅への送迎サービス」等が含まれるというので、おそらくは有料サービスなのだと思われます。
ちなみにこういったコンシェルジュ的なサービスだと、すでにベントレーが北米にて展開しているものがあり、こちらは「ガソリンを持ってきてほしい」といった依頼にも対応できるもよう(ベントレーらしく、ホテルの予約なども行ってくれるが、ポルシェ等のプレミアムカーメーカーにも類似のサービスがある)。
なお、北米のみではなく全世界において「イタリア車は耐久性と信頼性が不安」という共通認識があり、それが販売を妨げているとも言われていますが、アルファロメオの場合はこれを解決すべくディーラーCIを一新してサービス体制の向上に努め、さらに新型車「トナーレ」では整備記録などを電子化して車両へ「NFT」として付与するといった試みも。
要はそれくらいしないとイタリア車の名誉を回復できないということになりそうですが、アメリカでは日本とは異なり、故障を楽しんだり「故障自慢」をするような分化がないのかもしれませんね。
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フェラーリはいち早く「7年保証」を取り入れる
ちなみに同じイタリアの自動車メーカーだと、フェラーリはかなり早い段階から「7年保証」を導入していますが、こちらは「信頼性の問題を解決する」よりも、すべてのフェラーリを優れたコンディションに保ちつつ後世に残すことが目的だと思われます。

フェラーリは「すべての新しいフェラーリは、将来的に価値の高いクラシックフェラーリになりうる」という前提のもとにこれを行っており、フェラーリの中古車やクラシックモデルが価値を上げることで現在の新車を高く販売することができ、そして新車を高く販売すれば利益率が高くなるので台数を追い求める必要も無くなって「生産数を絞る」ことができ、それがまたフェラーリの価値を上げるというサイクルをよく理解しているのだと考えて良さそう(これは機会式腕時計でも同じである)。
ただ、こういった7年保証は完全なる「先行投資」であり、現在は経費負担にしかならないものの、それでも将来を見据えて行っているのはさすがフェラーリといったところで、これはフェラーリそのものが「なんだかんだ言ってフィアット創業者一家の支配下にあり、その一家の財産でもある」ことから、財産の価値を高め、子々孫々受け継いでゆくことを目的に、他の自動車メーカーにはできない長期的計画に基づいた行動ができている、ということを意味します(他の自動車メーカーであれば、そのCEOは、自分の任期中に負担が生じ、自分が退任した後に効果が出るような戦略を採用することはできない)。
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